WebサイトにGoogleアナリティクスは設定していますか?
Webサイトの成果を上げるためには、アクセス分析と改善を繰り返すことが重要です。
Googleアナリティクスは無料で使えて便利なツールですが、見える指標が多すぎてうまく使いこなせないとお悩みの方もいるかもしれません。
今回はGoogleアナリティクス初心者の方向けに、基本的なレポートの読み方と共に、Webサイトアクセス解析の考え方と、特に注意してみるポイントについてお伝えします。
※本記事ではUniversal Analyticsの読み方をお伝えします。
1.Webサイトの目標「売上」の考え方
具体的なGoogleアナリティクスのレポートの読み方に入る前に、Webサイト分析の観点について整理します。
そもそもWebサイトを運営している理由は、集客して、売上につなげるためですよね。
では、目標の軸となる「売上」とは何でしょうか。
1-1.売上の3つの指標
Webサイトにおける「売上」を分解すると
訪問数(セッション数)×CV率×お客様単価=売上
となります。
①訪問数
サイトを見に来たお客様の数のことです。
②CV率
CVとは「Conversion(コンバージョン)」の略で、ウェブサイトにおける最終的な成果を表します。CV率は、訪問数に対して、何割の人がコンバージョンに至ったかを表す数値です。
CVは、ECサイトやBtoBビジネスなど、サイトの種類によって異なります。
例えばECサイトであればCVは「商品が購入された状態」。
BtoBビジネスであればCVは「問い合わせが完了した状態」などになります。
③お客様単価
お客様一人当たりが購入する価格を表します。
ECサイトであれば1回の注文の購入総額のこと。
BtoBビジネスの多くの場合は、Webサイトで購入は完結せず、その後営業担当との交渉や契約等のプロセスを経て購入に至ります。BtoBビジネス商材の場合、一度の契約でのお客様単価が数十万円~数千万円にもなりえます。
このように、一概に「売上」といっても行っている事業によって考え方は違っていきます。
1-2.3つの指標の改善方法
ではこの売上を伸ばすにはどのような対策が必要なのでしょうか。
さきほどあげた3つの指標に対して、それぞれ対策を行っていきます。
①訪問数を増やす
訪問数を増やすことで、当然ながらコンバージョン(購入や問合せ)の数も増やすことができます。
訪問数を増やす方法としては、広告を出稿して流入を増やすこと、SEO対策によって自然流入を増やすことが上げられます。
②CV率を上げる
せっかくWebサイトに流入してきても、購入せずに離脱してしまう人が多い場合は、まずその離脱を防ぐことでCV率を改善することができます。
CV率を上げる方法としては、離脱の多いページの離脱率を下げる、滞在時間を延ばす、CVポイントを改善する等があります。
③お客様単価を上げる
商品自体の単価を上げたり、再訪問・再購入を促すことで、一人のお客様が購入する金額を伸ばすことができます。
ECサイトであれば、セット商品をつくって商品単価を上げたり、より高価な商品をおすすめしたり、商品を買ったお客様に関連商品をおすすめしたりするがあります。
売上の定義であった訪問数×CV率×お客様単価のそれぞれの指標を地道に改善していくことが重要なようですね。
2.Webサイト改善の視点から見るGAレポートの読み方
2-1.Webサイト全体をみて、改善ポイントを見立てる
そもそもサイトを分析しようにも、どの数値がよい・悪いのか?の基準が分からないと判断できません。
サイトの売上を改善するために、どこを改善するのが最も効果的かを調べていきます。
①「ユーザーレポート」から訪問者数の推移に特別な変化がないか確認する
まずは「ユーザーレポート」から、大まかなユーザー動向を調べます。
急に訪問者数が増えている箇所はその原因を調べ、訪問者数増加の施策として活用できそうか検討します。
反対に減っている箇所も同様に原因を調べ、対策を立てます。
②「行動レポート」から優先的に改善するページを見立てる
ページを改善するといっても、ECサイト等ページ数の多いWebサイトの場合、どこから手を付けるべきか、優先順位をつける必要があります。
注目するべきは、訪問数が多くて、直帰率・離脱率が高いページ。
たくさん見られているのに離脱が多いということは、そのページを改善すると、サイトの滞在時間にもっともインパクトがあると考えられるからです。
多くはTOPページから改善しますが、その他のページの優先順位を考える場合は、この観点で分析すると効果的です。
ページ別の訪問数・直帰率は、「行動レポート」→「すべてのコンテンツ」から確認することができます。
2-2.目標数値を設定・計測し、改善施策を検討する
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①「CV」の目標設定
Webサイトの目標はCV獲得のため、何件CVを獲得するかが目標となる数字になります。
また、BtoB事業のように購入単価が高く、問合せまでのハードルが高い場合は、「資料ダウンロード」や「ウェビナー参加」等ハードルの低いCVを設ける等、Webサイト上のCV設計に工夫が必要です。
CVを設計したら、CV率の目標を設定し、定期的に計測します。
どれくらいのCV率を目指すべきか、事業目標とかけられる販促予算をもとに検討します。
<参考>業界別の平均CV率 出典: wordstream
週次で計測することが多いですが、多額の広告費を運用している場合や期間限定の販促施策を行っている場合、日次で計測するケースもあります。
②「集客レポート」から流入元別に訪問者数・CV率を調べる
対象のwebサイトに、どこからアクセスされたかを見ることができます。
流入元別のデータは、「集客レポート」から確認することができます。
流入元は大きく分けてSNSや検索エンジン、インターネット広告や第三者のwebサイトなどがあります。以下が用語と説明です。
Organic Search(オーガニックサーチ)
ーGoogleやYahoo!など検索エンジンによる流入。
・Social(ソーシャル)
ーSNS(FacebookやTwitterなど)からの流入。
・Refferal(リファラル)
ー上記2つに分類されない、ニュースサイトや個人ブログなどからの流入。
・Direct(ダイレクト)
ー直接、という意味ですが、どこから流入したか不明なユーザーが分類されます。
ブラウザのお気に入りなどからのアクセスが考えられます。
・Paid Search(ペイドサーチ)
ーリスティング広告(検索連動型広告)からの流入。
・Display(ディスプレイ)
ーディスプレイ広告(=画像バナーなどの広告)からの流入。
・Email(メール)
ーメルマガ等メールからの流入。
・Other
ー・その他からの流入。
どの流入元からWebサイトに入ってきているか、傾向を調べ、流入元別にCV率の違いがないかを調べます。
例えば、「自然検索」から流入したユーザーのCV率が高いとしたら、自然検索の流入数を伸ばすという施策が考えられます。
また、自然検索流入のうち、検索エンジンはGoogleが多いとしたら、広告を出す場合も、(Yahoo!やBingではなく)Googleに出そう、と販促手法の仮説づくりにも役立ちます。
流入元別のユーザーの行動を調べることで、注力するべき流入チャネル、有効な販促施策の仮説をたてることができます。
③「目標レポート」からCVまでのボトルネックを調べる
CVは、「目標レポート」から確認することができます。
CVを確認するためには、Webサイト上でCV計測の設定する必要があります。
(ここではGoogleアナリティクスレポート上の目標の設定方法は詳しく解説しません。)
「目標レポート」からCV件数、CV率を調査し、定期的な計測を行う中で大きな変化がないか調べます。
目標レポートでは、「目標プロセス」を設定し、どこでユーザーが多く離脱しているかを調べることができます。
極端に遷移率が低いポイントがないか、ボトルネックを調べ、Webページのクリエイティブの修正やCV設計の見直しを行います。
まとめ
ここまでGoogleアナリティクスの見方について述べてきましたが、少しでもGAの活用方法を理解いただけたでしょうか。
Googleアナリティクスは便利なツールですが、あくまでも「サイトの現状を計測してくれる」ツールでしかありません。重要なのは、ツールを活用してサイトの成果をあげることです。
事業の内容・性質によって、何を目標とするかは全く異なります。みなさまの事業に沿った目標設定をして、適切に活用するための第一歩になれば幸いです。