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ペルソナ分析とは? 手順と活用事例を紹介

2023.08.27更新

企業が商品やサービスなどのマーケティングを行う場合、ターゲットとする顧客像を作成することが大切です。この顧客像のことをペルソナと呼んでいます。 企業はペルソナを設定することで、顧客ニーズに合ったマーケティングの展開が可能 […]

企業が商品やサービスなどのマーケティングを行う場合、ターゲットとする顧客像を作成することが大切です。この顧客像のことをペルソナと呼んでいます。

企業はペルソナを設定することで、顧客ニーズに合ったマーケティングの展開が可能になります。そのためペルソナの情報を細かく定義する「ペルソナ分析」が重要です。

特に昨今では、顧客の行動や関心、趣味などが多様化している状況です。単に年齢や性別だけの情報では、正確な顧客ニーズが把握できません。仕事や趣味、家族構成、行動など、さまざまな項目で分析することが大切になってくるでしょう。

この記事では、ペルソナ分析の手順や利用できるツール、ペルソナ分析の活用事例などを紹介します。

ペルソナ分析とは?

ペルソナ分析は、なぜ行う必要があるのでしょうか。ここではペルソナ分析の目的や、ターゲットとの違いについて紹介します。

ペルソナとは?

ペルソナとは、もともとは心理学の用語です。人間の外的側面や、内面に潜んでいる自分などを表します。一方マーケティングの分野では、ユーザー像や顧客像という意味です。この場合、企業のサービスや製品を利用する人物像を表します。

目的

ペルソナを設定する目的は、市場のニーズや顧客のニーズに一致した製品開発やマーケティングを行うことです。ニーズに合っていないサービスや製品、マーケティング方法では、さまざまな戦略が失敗に終わってしまいます。正確にニーズを把握し、市場や顧客が必要としている商品やサービスの提供、マーケティングの方法を行うためにも、ペルソナの設定が重要です。

従来の場合は、商品やサービスは「みんなが欲しいもの」を企業が提供すれば売れる状況でした。しかし人々のライフスタイルが多様化している昨今では、この方法は通用しなくなってきています。企業は多様化したそれぞれの消費者のライフスタイルに合わせた商品やサービスを提供しないと、見向きもされない状況です。そのためペルソナの設定は必要不可欠です。

ペルソナは例えば「20代男性」という大まかな属性ではなく、仕事や役職、性格、家族構成、趣味、人間関係、閲覧メディアなど、細かい人物像を設定することが必要です。曖昧なイメージでは、商品やサービスの方向性、マーケティングの戦略が定まらないため、具体的な人物像を想像できるように、さまざまな情報を設定します。

 

ターゲットとの違い

ターゲットは大まかなグループ化となっているのに対し、ペルソナは人物像をイメージしやすいように具体的な情報を設定します。ペルソナとターゲットが混同しないように注意しましょう。

ターゲットは「20代女性」「文系の大学生」など、性別や年齢、属性などの大きな枠でグループ化したものです。今までのマーケティングでは、ターゲットを設定する手法でした。しかし昨今では、人々のライフスタイルや趣味などが多様化しています。大きな枠でターゲットを設定しても、行動や関心が多方面に渡っておりターゲットというグループ化の意味がなくなってきました。

そのためターゲットよりも具体化した「架空の一人の人物像」をイメージして、趣味、行動、関心、価値観などを設定していくペルソナが利用されています。

例えば、ターゲットとペルソナの違いは次の通りです。

項目 人物像
ターゲットの例 40代の既婚男性
ペルソナの例 名前:田中誠

性別:男性

年齢:48歳

仕事:営業職で課長

収入:年収600万円

家族:妻、長女、長男

住んでいる地域:愛知県名古屋市

趣味:ゴルフ

持っているデバイス:iPad、iPhone

 

ペルソナの作り方

ここでは実際にペルソナを作る手順を説明します。自社が対象としている市場で情報を収集し、ターゲットを絞り込んでペルソナを設定していく方法です。

自社分析

自社の経営戦略や経営ビジョンに従い、市場に提供できる価値を具体化することが重要です。対象とする市場が現在どういった状況なのか、今後の動向はどうなのかなど、まずは市場のニーズを明確にします。その上でどのような顧客を対象とするのか、どのような商品やサービスなどを提供していくのかを決めます。また、市場における自社の立ち位置、収益性などの分析も必要となります。

このようなマーケティング戦略を決定する上で基本となるのが、STP分析です。STP分析では、「市場細分化(Segmentation)」「対象市場の決定(Targeting)」「自社の立ち位置(Positioning)」の3つの要素に関して分析を行います。STP分析は、常にユーザー目線で分析することが大切です。

この他にも「3C分析」「SWOT分析」も有効な手法です。3C分析とは「顧客(Customer)」「競合他社(Competitor)」「自社(Company)」の3つの視点で分析する手法です。SWOT分析は、自社や市場に対して「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の書く要素を分析していく手法です。

これらの分析手法を組み合わせて、自社の進む方向性を決定します。

情報収集

次に、対象とする顧客の情報やデータを収集することが大切です。顧客の情報を十分に把握していない場合、間違ったペルソナを設定してしまう可能性があります。そのため正確な情報を得ることが重要となります。情報収集はさまざまなチャネルを利用し、収集した情報をいろいろな目線から分析します。例えばSNSの口コミ、投稿、Webサイト、アクセス解析などのインターネットの情報や、街頭インタビュー、アンケート、雑誌やメディアなどから収集します。

情報収集した内容から、対象とする顧客の行動パターンや潜在的な要求を見つけ出すことが重要です。

ペルソナの分類

ペルソナを分類するための設定項目を決定します。基本の項目としては、対象とする顧客のデモグラフィックデータです。デモグラフィックデータとは、性別、年齢、職業、年収、ライフステージ、既婚/独身、家族構成、学歴などの人口統計学的なデータを指しています。変化の少ないデータのため、顧客をイメージする上で基本として用いられることが多いです。

また対象とする顧客のニーズを深掘りするためには、サイコグラフィックデータに基づいた項目も設定する必要があります。サイコグラフィックデータとは、価値観や人生観、嗜好、趣味、習慣、行動、悩み、愛用ブランド、利用しているSNSやメディアなどです。

対象とする顧客の「誰が買うのか」という要素を示すのがデモグラフィックデータで、「なぜ買うのか」という要素を示すのがサイコグラフィックデータです。

ペルソナの設定

ここでは実際にペルソナの項目に内容を設定していきます。ペルソナの設定を行う場合、ストーリー性を持って実施することが大切です。例えば、男性で48歳、どのような企業で何の業務を行っているのか。何に悩んでいて将来はどういった形を思い描いているのかなどです。一人の実在する人物としてあり得るエピソードを盛り込み、ストーリー性を持たせて設定していきます。会社や家庭、友達との関係など、様々なシーンでの考えや悩みなどを掘り下げることです。

ペルソナを設定する際に注意しないといけないのが、企業側にとって都合の良い理想の人物像に仕上げてしまうことです。ユーザー視点でペルソナを設定するように、意識しておくことが大切です。

ペルソナ分析のメリット

ペルソナ分析を行うことで、具体的にマーケティングの方向性を見いだすことができます。また商品やサービスの開発にも役立てることができるでしょう。ここではペルソナ分析のメリットについて紹介します。

顧客視点で施策できる

顧客のニーズが多様化している現代においては、分析不足の状態で商品やサービスを提供したり、マーケティングを行ったりしても効果は見込めません。顧客のニーズを正しく把握することが大切です。そのためペルソナ分析を行い顧客のニーズを具体化することで、顧客に認められる商品やサービスを提供することが可能となります。

ペルソナ分析で、顧客の日々の行動や生活習慣、抱えている悩みなどを具体化することで、自社の商品やサービスがどのような使われ方をするのかをイメージすることが可能です。顧客の視点で施策を検討することが可能となります。

また商品やサービスを知ってもらうためのアプローチや、顧客が求めている価値を具体化することも可能となります。

商品やサービスの促進ができる

ペルソナ分析で具体的になった顧客像を参考にすれば、新たな商品やサービスを迅速に顧客へ提供することができます。現在顧客が求めている商品やサービスだけでなく、今後顧客が求める商品やサービスも具体化することが可能です。

顧客のニーズを素早く察知し、先の状況を見据えたマーケティングが可能になります。

社内の共通認識を得られる

ペルソナ分析を行い顧客像が具体化すると、社内のどの部署でも同じ顧客増をイメージすることが可能となります。そのため営業、企画、開発、販売、マーケティングなど、異なる部署間での認識のずれが出なくなるでしょう。それぞれの部署が一体となって、自社の商品やサービスに力を注げる状況が作り出せます。

ペルソナ分析をしていることで顧客の内面も共有化できている状況です。そのため例えば商品のパッケージデザインを決める際にも「ペルソナが喜びそう」とか「これはペルソナには合わない」などの具体的な検討を行うことができます。

 

ペルソナ分析のデメリット

ペルソナ分析は多くのメリットをもたらしますが、設定が大変などのデメリットもあります。またペルソナ分析を行ったのに「効果がなかった」ということも考えられるでしょう。ここではペルソナ分析のデメリットについて紹介します。

コストと時間がかかる

ペルソナ分析を行い、具体的な顧客イメージを設定するまでには多くのプロセスが必要です。できあがったペルソナの内容で、自社の商品やサービス、マーケティングの方向性などが決定するため、安易に設定することはできません。

そのためさまざまなチャネルからの情報収集や徹底した分析を行う必要があり、時間とコストがかかってしまいます。

分析漏れで異なったペルソナを設定してしまう

ペルソナ分析の際に情報の漏れや分析の漏れが発生してしまうと、実際の顧客とは異なったペルソナになってしまいます。企業は分析したペルソナを元に、商品やサービスの提供、マーケティングの戦略を実施していくため、異なったペルソナを設定してしまうと自社に多大な影響が出てしまいます。また雰囲気や感覚で安易にペルソナを決めてしまうことも、失敗の原因になってしまいます。

ペルソナは、綿密なリサーチや調査を実施し、合理的な根拠をもって分析していくことが必要です。

マーケティングに役立てることができない

ペルソナ分析をすることで、商品やサービス、マーケティングの方向性が決定します。その反面、ペルソナ分析で設定した顧客像以外のユーザーへのアプローチが難しくなります。

ペルソナを利用したマーケティングは、広く浅く市場にアプローチしたい場合には不向きです。自社の経営戦略やマーケティング戦略を意識した上で、ペルソナ分析を採用するのが良いでしょう。

 

ペルソナ分析ができるツール

ペルソナ分析はツールを利用して実施することが可能です。ペルソナ分析に役立つツールを紹介します。

story bank

story bankは、顧客のニーズを分析したり、Web行動を可視化したりすることができるツールです。Web上の行動データとアンケートから、対象とする顧客のニーズを把握することが可能です。興味、関心、属性などをデータで知ることができます。

参考サイト:storybankDockpit

Dockpitは、ペルソナ分析が行えるのはもちろんのこと、トレンド把握、業界分析、競合の調査などの分析も可能なツールです。検索したキーワードから、年代、性別、よく利用する語句などの関連キーワードを把握することができます。

参考サイト:Dockpit

 

ペルソナ分析の活用事例

ペルソナ分析は、多くの企業が取り入れている手法です。またペルソナマーケティングを行うことで、結果を出している企業が多数あります。

Soup Stock Tokyo

Soup Stock Tokyoは、スープ専門店の企業です。三菱商事の社内ベンチャーで立ち上げられました。Soup Stock Tokyoのマーケティングは、「秋野つゆ」というペルソナの設定です。秋野つゆを満足させられるようなメニュー、商品開発、店舗設計などを展開し、創業からわずか10年で売上42億円、国内52店舗の実績がでています。

参考サイト:Yappi「ペルソナとは?

富士通キッズサイト

富士通キッズサイトは、小学校高学年向けのWebサイトです。富士通株式会社が運営しています。このWebサイトは、子どもだけでなく保護者や学校の先生も利用することを想定したサイトです。そのため小学生の「美咲ちゃん」、保護者の「美咲ちゃんのお母さん」、学校の先生である「松本先生」をペルソナに設定しました。

その結果、シンプルな画面や子ども目線で分かりやすいコンテンツなど、高い評価を得ています。

参考サイト:Yappi「ペルソナとは?

 

まとめ

今回はペルソナ分析の手順や利用できるツール、ペルソナ分析の活用事例などを紹介しました。ペルソナ分析とは、自社の商品やサービスを利用する架空の人物を具現化したものです。顧客のニーズが多様化する昨今においては、顧客のニーズや潜在的な要求を正しくとらえることが大切です。。その方法としてペルソナ分析は有効な手段と言えるでしょう。



早坂遊羽

株式会社koujitsu 取締役 COO


京都大学卒業後、大手SIerにてITコンサルタントとして従事。官公庁や大手民間企業のプロジェクトにおいてメンバーとして関わる中で、よりハンズオンの支援に携わりたいと考えるようになる。その後PRコンサルタント、事業会社広報、人材事業立ち上げを経てkoujitsuへ参画。現職ではマーケティング事業部を統括しながら、プレイヤーとしてクライアントのマーケティング戦略企画・実務運用にも携わっている。

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