デジタルマーケティングにおいて、LPO(ランディングページ最適化)は売上向上の鍵となる重要な施策です。本記事では、LPOの基本概念から具体的な進め方まで詳しく解説します。さらに、toB・toCそれぞれの特性に応じたLPO […]
デジタルマーケティングにおいて、LPO(ランディングページ最適化)は売上向上の鍵となる重要な施策です。本記事では、LPOの基本概念から具体的な進め方まで詳しく解説します。さらに、toB・toCそれぞれの特性に応じたLPOの違いにも触れ、実践的なアプローチ方法を紹介します。これらの知識を活用することで、自社のランディングページを最適化し、コンバージョン率を大幅に向上させる戦略を立てることができるでしょう。
LPOとは
LPO(ランディングページ最適化)とは、製品やサービスの紹介から購入までを1つのページにまとめたランディングページ(LP)の内容を、ユーザーに合わせて改善することです。LPOの目的は、サイト訪問者の途中離脱を防ぎ、CV(コンバージョン)まで導くこと。LPOによって最適化を図れば、「商品・サービスを販売したい」「資料請求件数を増やしたい」など、CVRを高めることが可能です。
SEOとの違い
SEO(Search Engine Optimization)は検索エンジンからの流入を増やすことを目的としますが、LPOはランディングページでのコンバージョン率向上を目的とします。
SEOはサイト全体の評価を高める施策ですが、LPOは特定のページの最適化に焦点を当てます。
LPOがなぜ重要なのか
LPOは、SEOやEFO(入力フォーム最適化)よりも重要です。その理由は、LPOが訪問者がリンクをクリックしたときに「最初に表示されるページ」だからです。最初のページが見づらかったり、その時点で興味が薄かったりすると、訪問者はそれ以上進めてくれません。
LPOツールのメリットは、顧客の属性や行動履歴を分析し、それに基づいて顧客ニーズに合ったランディングページを制作できることです。これにより、CVR(コンバージョン率)が向上し、売上増加に繋がりやすくなります。
LPOすることでのメリット
- CVRの向上:訪問者を効果的にコンバージョンに導くことで売上が増加
- ランディングページの直帰率の減少:訪問者がすぐに離脱せず、より多くのページを閲覧するようになる
- 顧客満足度の向上:ユーザーが求める情報を迅速に提供することで、満足度が向上
- 制作コストの抑制:効率的なページ作成でコストを削減
- 広告費のROASの向上:より効果的な広告運用が可能
- 運用の効率化:分析データに基づいた迅速な対応が可能
- ユーザーの理解を深める:ターゲットの行動を分析し、将来の施策に役立てる
LPOが効果検証の施策として有効な理由
LPOは、テストを含めた施策のPDCAを高速で実施でき、顧客層向け(リードやCVに近い顧客へのアプローチができる)の施策のため、効果検証が迅速かつ確実に行えます。SEOやSNSよりも短期間で効果を見極めることができるため、迅速な改善が可能です。
LPOを行う手順
LPOは以下の手順で進めます。
- 目的・KPI・評価基準を決める
- 例:リード獲得、サブスク商品の初回購入の獲得など
- KPI:リード数、LINE登録者数、購入完了数など
- 検証の仮説と、改善シナリオをたてる
- 仮説を立てそれに基づいてテストを行い、結果に応じて次のアクションを決定
- 運用結果を分析する
- ヒートマップやGoogle Analyticsのデータを用いて運用結果を分析し、改善点を洗い出す
- 問題と改善策をリストアップする
- 分析結果をもとに、具体的な改善策をリストアップ
- 改善の優先順位を決めて、実行する
- リストアップした改善策の中から優先順位をつけて、実行に移す
- 改善策の結果を評価し、PDCAを繰り返す
- 実行した改善策の結果を評価し、さらに改善を重ねる
おもな施策と進め方のポイント
LPOでA/B検証する際、以下の2つの方法があります。
ターゲットと訴求
ターゲットの仮説と、そのターゲットのニーズに対する訴求を出し分けることによる検証
- テストの例
- メッセージングや見せ方の検証
- エリア別の訴求力の検証など
UI/UX
ボタンの色や導線、LPOの表示速度、モバイル対応など、UI/UXに関わる改善を検証
- テストの例
- LPOの長さの検証
- LPO表示速度の改善
- CTAボタンの検証など
LPOで行われる代表的な施策
LPOは、ランディングページ(LP)を最適化し、コンバージョン率(CVR)を向上させるためのマーケティング手法です。LPOのおもな目的は、広告やSEOから集客したユーザーがLPに訪問した際に、問い合わせや購入などの目的の行動(コンバージョン)につなげること。具体的には、以下のような施策を通じてコンバージョン率を高めます。
1. ファーストビューの改善
ファーストビューはユーザーが最初に目にする部分です。調査によれば、75%のユーザーがファーストビューの直下で離脱してしまうため、この部分の最適化が極めて重要です。
- CTAの位置最適化
- スクロールなしで見える位置にCTA(Call to Action)を配置
- 画面サイズやデバイスに応じたレスポンシブデザインを採用
- キャッチコピーの改善
- ターゲットユーザーと提供価値を一言で明確に伝えることが重要
- 例:「中小企業のオーナー様向け 経営効率化ツール」
2. CTAの改善
CTAは、ユーザーを次のステップへ導く重要な要素です。適切な改善により、コンバージョン率を大幅に向上させることができます。
- CTA内容の最適化
- ユーザーの心理的障壁を下げるために、ハードルの低いCTAへ変更
- 例:「お問い合わせ」→「資料ダウンロード」
- CTA周りのUI改善
- ボタンの色を目立つ色に変更
- ボタン内のテキストを動詞で開始する(例:「今すぐダウンロード」)
- マイクロコピーを追加する(例:「無料・登録不要」)
3. フォームの改善
フォームは、ユーザーとの直接的なインタラクションポイントであり、適切な設計が重要です。
- 入力項目の最適化
- 必要最小限の項目に絞ることが重要。1項目増えるごとに完了率が8%低下するため、必須項目と任意項目を明確に区別
- ユーザビリティの向上
- 入力例の表示やリアルタイムでのエラー表示、プログレスバーの設置(残りの入力項目数の可視化)などが有効
- フォームデザインの改善
- シンプルで見やすいレイアウト、モバイルフレンドリーなデザイン(タップしやすいサイズのボタンなど)を心がける
次に取り組むべき改善ポイント
LPの一般的な構成は「結果」「実証」「信頼」「安心」の4要素で構成されます。これらの要素を効果的に配置することで、ユーザーの購買意欲を高めることができます。
1. LP構成・コンテンツの改善
- 結果:商品やサービスを利用した際の具体的なメリットを提示
- 例:利用者の数や改善された具体的な数値
- 実証:実際の使用事例や統計データを用いて効果を証明
- 例:成功事例や顧客の声
- 信頼:企業の実績や専門家の推薦など、信頼性を高める情報を提供
- 例:受賞歴や専門家のレビュー
- 安心:保証や返金制度など、ユーザーの不安を取り除く情報を提示
- 例:返金保証やサポート体制
2. LPの長さの検証
LPは、ターゲットや商品・サービスの特性によって最適な長さが異なります。
- 短いLP:情報が簡潔で、ユーザーの意思決定が早い場合に効果的
- 例:シンプルな商品やサービス
- 長いLP:詳細な説明が必要な商品やサービスの場合に有効
- 例:高価格の商品や複雑なサービス
A/Bテストを実施し、最適な長さを見つけることが重要です。
3. 訴求別のだし分け検証
ターゲットやニーズの仮説が複数ある場合、ファーストビジュアルで訴求をだし分けし、A/Bテストを行います。
- 年齢層別の訴求
- 性別による訴求の違い
- 利用目的別の訴求
これにより、各セグメントに最適化されたLPを提供し、CVRの向上を図ることができます。
4. 速度改善・モバイル対応
LPの表示速度は、ユーザー体験とCVRに大きく影響します。Google PageSpeed Insightsなどのツールを使用して、現在のLPのパフォーマンスを測定し、必要に応じて改善を行います。
- 画像の最適化
- JavaScriptやCSSの圧縮
- キャッシュの活用
- モバイルレスポンシブデザインの採用
5. FV内フォーム・追従フォーム
フォームの配置は、CVRに大きな影響を与えます。
- ファーストビジュアル(FV)内フォーム:ページを開いた瞬間にフォームが見えるため、即時のアクションを促す
- 追従フォーム:ユーザーがスクロールしてもつねにフォームが表示され、いつでもアクションを取れるようにする
toB LPOとtoC LPOの違い
基本的なLPOの考え方は同じですが、toB(Business-to-Business)とtoC(Business-to-Consumer)には異なる特性があり、それに応じた最適化が求められます。以下に、おもな違いを詳しく説明します。
コンバージョンポイント
toC LPO
商品購入、会員登録、資料ダウンロード、問い合わせなど、多様なコンバージョンポイントが存在します。
toB LPO
おもに資料請求や問い合わせが中心となります。シンプルなコンバージョンポイントが特徴です。
UI改善の中心となる端末
toC LPO
- スマートフォン(SP)が中心となります。モバイルファーストの設計が重要です。
- ユーザーが移動中や短時間での操作を考慮し、シンプルで直感的なUIが求められます。
toB LPO
- パソコン(PC)が中心となりますが、スマートフォンの利用も増加しているため、両方に対応する必要があります。
- PCでの詳細な情報提供を重視しつつ、SPでも快適に閲覧できるようなデザインが必要です。
まとめ
LPOは、コンバージョン率向上を目的とした重要なマーケティング手法です。SEOとは異なり、特定のページに焦点を当て、ユーザーニーズに合わせた改善を行います。
LPOのおもな手順は、目的設定、仮説立案、結果分析、改善策実行、PDCAサイクルの繰り返しです。具体的な施策としては、ファーストビューの改善、CTAの最適化、フォームの改善などがあります。LP構成の4要素(結果、実証、信頼、安心)を効果的に配置することが重要です。
toB・toCそれぞれの特性に応じた最適化も必要です。A/Bテストを活用し、継続的な改善を行うことで、効果的なLPOを作成できます。
参考記事:LPOとは? SEO・EFOとの違いと実施時の流れ・具体的な対策を解説 | Web広告マガジン
参考記事:サイトリード様-LPOとは?導入メリットやSEO・EFOとの違い、対策のポイントを詳しく紹介
参考記事:株式会社クーシー様-LPOとSEOとの違いは?CVR改善の方法を解説!