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事業多角化とは?4つの多角化戦略やメリット・企業の成功事例を解説!

2024.12.27更新

企業が成長し続けるためには、変化する市場環境や競争の激化に柔軟に対応する戦略が欠かせません。その中で注目されるのが「事業多角化」という経営戦略です。事業多角化は、新たな分野への参入や市場の拡大を通じて、企業の収益源を増や […]

企業が成長し続けるためには、変化する市場環境や競争の激化に柔軟に対応する戦略が欠かせません。その中で注目されるのが「事業多角化」という経営戦略です。事業多角化は、新たな分野への参入や市場の拡大を通じて、企業の収益源を増やし、経営リスクを分散させる手法です。

本記事では、事業多角化の概要や戦略、成功事例、メリット・リスクについて詳しく解説し、企業が成長を加速させるためのポイントを紹介します。

事業多角化とは

事業多角化とは

事業多角化とは、企業が新しい市場や分野へ事業を拡大し、収益源を増やすことで成長を目指す経営戦略です。1つの事業に依存すると市場変動や競争激化による経営リスクが高まるため、多角化は安定した収益基盤の確立を目的とします。

適切に実施すれば新たなビジネスチャンスを生み出し、企業の成長を促進しますが、計画不足では経営資源の分散やコスト増加といった課題も伴います。企業の強みや市場環境を踏まえた戦略が成功のポイントとなるでしょう。

事業多角化の4つの分類

事業多角化にはさまざまな戦略があり、それぞれ異なる目的やメリットが期待されます。この章では、事業多角化を4つのタイプに分類し、それぞれの特徴について解説します。企業が事業多角化を検討する際には、これらの分類を理解することが大切です。

水平型

水平型の事業多角化は、既存の事業と同じ市場で、新たな製品やサービスを展開する形態を指します。このタイプの多角化は、現在の顧客基盤や流通網を活用するため、比較的低リスクで展開できるのが特徴です。

例えば、飲料メーカーが新たな種類の飲料を開発し、販売を開始する場合がこれに該当します。既存事業のノウハウを活かすことができるため、事業拡大の一手として広く採用されています。

垂直型

垂直型の事業多角化は、サプライチェーンの上流または下流に進出する戦略です。上流進出の場合、原材料の調達や製造工程を取り込むことでコスト削減や品質管理が容易になります。

一方、下流進出では、製品の販売や流通の強化を目指します。例えば、自動車メーカーが部品製造に乗り出したり、直営店舗を展開したりするケースが該当します。この戦略により、供給の安定化や競争力強化が期待されます。

集中型

集中型の事業多角化は、既存の製品やサービスに関連する分野へ進出する形態です。このタイプは、自社の強みを活かしながら新たな市場に挑戦する点が特徴です。

例えば、IT企業が自社の技術を活かして、関連するソフトウェアやハードウェア製品の開発を行う場合がこれに該当します。既存の専門性を活かせるため、新規事業の成功確率が比較的高いとされています。

集成型

集成型の事業多角化は、既存事業とは関連性の薄い分野に進出する形態です。このタイプは、新市場の開拓や未知の分野への挑戦を目的とするため、高いリスクが伴います。

しかし、成功した場合は、新たな収益源を確立できる可能性があります。例えば、電機メーカーが飲食業に参入するようなケースが該当します。異分野での挑戦には慎重な計画と強いリーダーシップが求められます。

事業多角化の成功には、自社の状況や市場環境を正確に分析し、適切なタイプを選択することが不可欠です。それぞれの特徴を理解し、リスクとリターンを見極めながら進めることが大切です。

事業多角化のメリット

事業多角化のメリット

事業多角化は、企業が成長を目指す際に効果的な戦略の一つです。複数の事業を展開することで収益源を増やし、経営の安定化を図ることができます

利益の増加

事業多角化を行うことで、異なる分野や市場から新しい収益を得る機会が広がります。成長が見込まれる分野に進出すれば、既存事業と合わせて複数の収益源を確保し、企業の利益向上につながります。

例えば、製造業がサービス事業に展開することで、幅広い顧客ニーズに応えながら収益を拡大することが可能です。多角化は、長期的な経営の安定化を支える手段になります。

リスク分散

多角化戦略では、1つの事業に依存することで生じる経営リスクを軽減できます。例えば、市場の変化や景気の影響で既存事業が停滞した場合でも、他の事業が収益を補完し、経営全体への影響を抑えることができます。

また、複数の事業を展開することで、競争環境の変化や外部リスクにも柔軟に対応し、企業の存続を強固なものにできるでしょう。安定した事業ポートフォリオを持つことが、経営基盤の安定化につながります。

既存事業とのシナジー効果

新たな事業展開が既存事業と連携することで、相乗効果を生むことも事業多角化の大きなメリットです。例えば、既存の技術を新事業に応用したり、共通の顧客基盤を活用することで効率よく市場を拡大できます。

流通チャネルやブランディングを共有することで、コスト削減やスピーディーな市場参入が可能です。さらに、複数の事業が相互に支え合うことで、全体の業績向上や企業の競争力強化が期待できるでしょう。

事業多角化のデメリット・リスク

事業多角化は多くのメリットをもたらしますが、一方でデメリットやリスクも存在します。無計画な多角化は、企業の経営基盤を揺るがす可能性があるため、慎重な判断が必要です。

コストの増加

事業多角化には、新たな設備投資や人材の確保、マーケティングなどの多大なコストが伴います。特に異業種への参入では、必要な技術や専門知識が不足している場合が多く、それを補うための研修や外部採用が必要になることもあります。

さらに、初期投資が大きくなればなるほど、事業が軌道に乗るまでの回収期間も長引き、利益率が低下するリスクが高まるでしょう。計画性のない多角化では、コスト管理が追い付かず、結果として企業全体の財務状況を圧迫してしまう可能性があります。そのため、初期投資の最小化や綿密な資金計画が求められます。

損失の拡大

多角化が思うように進まなかった場合、新事業の赤字が他の事業に悪影響を及ぼすリスクがあります。例えば、既存事業で安定した利益を上げていたとしても、新規事業が赤字を出せば、その補填のために経営資源が流出し、収益全体が低下してしまうことがあります。

また、事業が増えるほど損失の額も大きくなりがちで、経営基盤が不安定になるリスクが高まることになるでしょう。そのため、多角化を進める際は市場調査やリスク管理を徹底し、事業ごとの収支バランスを継続的に把握することが重要な要素となります。

経営の非効率化

複数の事業を同時に運営すると、管理が複雑化し、経営効率が低下する可能性があります。経営資源や人材が分散されることで、各事業への注力が薄れ、結果としてパフォーマンスの低下を招きかねません。さらに、意思決定が遅れたり、事業間での連携が弱まることで、組織全体の生産性が損なわれることもあります。

効率的に多角化を進めるためには、事業ごとに明確な役割分担や目標設定を行い、管理体制を整えることが不可欠です。また、経営資源の最適な分配と、業務フローの効率化も欠かせません。

ブランドの不明瞭化

多角化が過度に進むと、企業のブランドイメージや方向性が不明瞭になるリスクが伴うでしょう。事業領域が広がりすぎると、顧客や市場から「何の企業か分からない」と思われ、ブランドの信頼性が低下する可能性が高まります。

例えば、コア事業と関連性のない分野への参入が多すぎると、企業の強みや専門性が薄れ、顧客の期待に応えられなくなることもあります。そのため、企業ブランドを維持するためには、理念や方向性に沿った戦略的な事業展開が必要です。ブランド価値を高めながら多角化を進めることで、長期的な信頼と認知度を維持することが可能になります。

事業多角化に成功した企業事例

ここでは、事業多角化に成功した企業事例を紹介します。

ソニー株式会社

ソニー株式会社は、事業多角化を成功させた代表的な企業の一つです。当初、音響機器メーカーとしてスタートしたソニーは、テレビやゲーム、映画、金融など多岐にわたる分野に進出しました。特に「PlayStation」シリーズは世界的なヒット商品となり、ゲーム業界でのトップブランドとして確立されています。

また、映像制作やエンターテインメント分野にも力を入れ、映画制作事業でも大きな成功を収めているからです。このように、ソニーは多角化によって複数の収益基盤を築き、安定した成長を維持しています。

富士フイルム株式会社

富士フイルム株式会社は、写真フィルム市場の縮小に直面しながらも、事業多角化によって見事な再生を果たした企業です。デジタル化の波によって写真フィルムの需要が急激に減少した際、富士フイルムは医療分野や化粧品、バイオサイエンス事業に新たな道を見出しました。

特に、医療機器や診断用画像処理技術は高い評価を受け、企業全体の収益を支える柱となっています。この成功の背景には、写真フィルム事業で培った高度な技術を他分野へ応用するというシナジー効果がありました。

楽天グループ

楽天はECサイト「楽天市場」からスタートしましたが、金融、通信、旅行、エンターテインメントなど多分野へ事業を展開し、国内外で事業多角化を成功させました。

特に「楽天カード」や「楽天モバイル」は、自社の顧客基盤を活かして新たな収益の柱となっています。顧客データの活用やポイント経済圏の構築が、多角化成功の要因となっています。

事業多角化の成功条件

事業多角化の成功条件

事業多角化を成功させるためには、計画的かつ戦略的なアプローチが不可欠です。無計画な多角化は企業資源の分散や経営効率の低下を招くことになりかねません。

小額投資から始める

多角化を進める際、最初から大きな投資を行うのではなく、小規模から始めるのが効果的です。初期費用を抑えることで、事業がうまくいかなかった場合のリスクを軽減できます。例えば、新しい市場に進出する場合、小規模な実証実験を通じて市場ニーズや成長の可能性を見極め、その結果を踏まえて事業を拡大すれば、効率的に収益化が可能です。

また、少額投資なら柔軟な修正がしやすく、失敗のダメージも最小限に抑えられるため、堅実な成長が期待できます。

シナジー効果の期待できる関連性の高い事業を多角化する

事業多角化の際は、既存事業との関連性を意識することが大切です。同じ技術や顧客層、販売チャネルを活用できる分野であれば、シナジー効果が生まれ、コストや時間を大幅に削減できます。

例えば、製造業が新たに関連部品を開発したり、飲料メーカーが健康食品へ参入するケースです。こうした事業展開は企業のノウハウを活用できるため、競争力の強化と効率的な拡大を同時に実現できます。

企業理念から逸脱しない

多角化の際に企業理念やブランドイメージを軽視すると、企業全体の信頼性が低下するリスクがあります。顧客や取引先から「企業の軸が見えない」と評価されることで、既存事業にも悪影響を及ぼす可能性があります。

そのため、企業理念に沿った分野を選び、ブランド価値を損なわない事業展開を心がけましょう。例えば、顧客満足度を重視する企業が新規事業でも品質管理を徹底することで、信頼性を保ちながら新市場に参入できます。

M&Aの検討

多角化戦略ではM&A(合併・買収)も有効な手段の一つです。既存の事業や市場を持つ企業を買収することで、時間をかけずに新分野へ参入できます。しかし、M&Aには統合後の管理や企業文化の調整が不可欠です。

異なる企業文化が融合しない場合、経営が非効率化し、逆にリスクが高まることもあります。そのため、事前に綿密な調査や計画を行い、統合プロセスを丁寧に進めることが成功のポイントです。

まとめ

事業多角化は、利益の増加やリスク分散といったメリットを受けることができる一方、コスト増加や経営の非効率化などのリスクも伴います。そのため、成功に向けては関連性の高い分野への進出や明確な戦略の策定が不可欠です。本記事では、事業多角化の分類や成功条件を解説しましたが、実際の実行には専門的な知識や経験が求められます。

koujitsuでは、マーケティング戦略の立案から施策実行までをワンストップで支援し、企業が成長を続けられる環境を整えます。最適なプランをご提案いたしますので、ぜひ一度ご相談ください。

早坂遊羽

株式会社koujitsu 取締役 COO


京都大学卒業後、大手SIerにてITコンサルタントとして従事。官公庁や大手民間企業のプロジェクトにおいてメンバーとして関わる中で、よりハンズオンの支援に携わりたいと考えるようになる。その後PRコンサルタント、事業会社広報、人材事業立ち上げを経てkoujitsuへ参画。現職ではマーケティング事業部を統括しながら、プレイヤーとしてクライアントのマーケティング戦略企画・実務運用にも携わっている。

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