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SaaS新規事業を成功に導く戦略と実践ステップ【最新2025】

2025.07.29更新

SaaSは定常的な収益と継続的な顧客接点を生み出すモデルとして、多くの企業が新規事業の軸に据えています。しかし、十分な差別化と適切な指標管理が伴わなければ、競合が多い市場で持続成長を遂げることは難しいでしょう。 本記事で […]

SaaSは定常的な収益と継続的な顧客接点を生み出すモデルとして、多くの企業が新規事業の軸に据えています。しかし、十分な差別化と適切な指標管理が伴わなければ、競合が多い市場で持続成長を遂げることは難しいでしょう。
本記事では、SaaSで新規事業を立ち上げる際に欠かせない戦略と実践ステップを体系的に整理します。指標の読み解き方から具体的な戦術までを解説することで、経営者と実務担当者の双方が共通言語で議論できる基盤を築きます。

SaaS新規事業とは?

SaaS

SaaS新規事業の概念を理解することは、成功確率を高める第一歩です。ソフトウェアをクラウド経由で提供し、月額課金で収益を上げるビジネスであるため、従来型のライセンス販売とは収益構造も開発体制も異なります。
加えて、ユーザーとの継続的な接点が発生し続けるため、プロダクト価値の検証と改善が高速で進む点が特徴として挙げられます。その結果、市場環境の変動や顧客要望の変化に対して、俊敏に機能追加や価格改定を行える柔軟な経営が実現可能です。

SaaSビジネスで新規事業を立ち上げるメリット

merit

SaaS形式で新規事業を始める最大の利点は、顧客利用状況をリアルタイムに計測できる点にあります。リリース後もプロダクトに改良を重ねやすく、顧客満足度をすばやく反映した価値向上を図れます。
さらに、サブスクリプションモデル特有の継続課金によって売上と利用データが相互に強化され、解約率低減の取り組みもデータに基づき、精緻化が可能です。結果として、中長期計画の精度が高まり資金調達面でも優位性がいっそう生まれます。

売上予測が容易

サブスクリプション契約では毎月の請求額と顧客数が時系列で蓄積されます。利用率と契約期間を掛け合わせれば翌月以降の収益を高精度に見積もることが可能です。
売上が見通しやすくなると調達計画や採用計画の策定が迅速になり、組織拡大の意思決定スピードが上がります。金融機関や投資家に対しても、データドリブンで説明できる点が信頼を高める要因となります。

最新のサービスを提供可能

SaaSモデルでは機能追加やUI改善をクラウド側で即時反映できます。ユーザーはアップデート作業を経ずに常に最新版を利用できるため、顧客価値の向上が途切れません。
開発チームも小刻みなリリースを繰り返しながらフィードバックを吸収できるので、競合比較で優位なポジショニングを維持しやすくなります。結果として顧客の期待とプロダクトの機能が常に同期し、解約リスクの低減につながるでしょう。

キャッシュフロー面で有利

月額課金収益はストック型で蓄積されるため、キャッシュフローが安定します。売上が季節要因に左右されにくく、投資額を長期で回収する計画が組み立てやすくなります。
また、課金サイクルが短いほど早期に資金が手元へ戻るので、機能開発やマーケティングへの再投資を機敏に実行可能です。安定的なキャッシュフローは信用力も向上させ、追加融資や大型契約の獲得を後押しします。

SaaSビジネスの新規事業に重要な5つの指標

LTV

SaaS事業の健全性は、月次の収益だけでなく顧客継続率や獲得効率を総合的に把握することで初めて評価できます。投資家や経営者は、成長性と資本効率を同時に満たすモデルを求めるため、代表的な5つの定量指標を随時トラッキングする体制が欠かせません。
さらに、各指標の相関を定期レビューの議題に組み込み、優先施策を明確化することで、プロダクトの磨き込みと組織資源の配分が的確に進み、継続成長への道筋が明瞭になります。

MRR

月間経常収益は、現在の契約プランと顧客数から算出される月次の定常売上を示します。広告収入やセットアップ費用を含めず、サブスクリプション課金のみを対象とすることで、安定収益の純粋な増減の確認が可能です。
営業活動が成果に結びついているか、アップセル施策が機能しているかを判断する際の最速指標として扱います。複数通貨を扱う場合は為替影響を排除したMRRを併記し、実態を正確に把握する必要があります。

ARR

年換算経常収益は、MRRを12倍して算出する年間ベースの定常売上指標です。規模が大きくなるほど月次変動のノイズを平滑化できるため、投資家への説明資料や資金調達時の企業価値算定に多用されます。
直近12ヶ月の実績から算出した実行ARRと、来期の見込みを反映した予測ARRを併記し、成長トレンドを明瞭に示すことが効果的です。営業パイプラインと連動させると、見込案件の確度も可視化できます。

LTV

顧客生涯価値は、平均課金単価に契約継続期間を掛け合わせることで算出します。LTVが高いということは、同一の顧客が長期間にわたり収益をもたらすことを示します。
継続率を向上させるカスタマーサクセス施策と、アップセルを促進する機能開発を組み合わせると、企業総価値の拡大につながりやすいです。サポートコストを加味した粗利益ベースのLTVも算出し、真の収益性を確認します。

CAC

顧客獲得単価は、新規契約ひとつあたりに投入したマーケティング費用と営業人件費を合算し取得顧客数で割ることで求めます。
広告チャネル別のCACを可視化し、費用削減と売上拡大を同時に達成するキャンペーン設計が欠かせません。テストマーケティングで早期に最適チャネルを特定し、ROIが高い施策に集中投下します。

チャーンレート

解約率は、当月に契約を失った顧客数を期首顧客数で割って算出します。SaaS事業の持続可能性を測る最重要指標のひとつであり、数値が高まるとLTVの低下やネガティブな口コミ拡散を招きます。
オンボーディング支援やヘルススコアに基づくアラート体制を導入し、顧客ロイヤルティを強固にする取り組みが欠かせません。チャーンの理由を機能不足とサポート品質に分類すると、改善施策の優先度が明確になります。

SaaSビジネスの新規事業を成功させる4つの戦略

指標を把握しただけでは成長は加速しません。数値を基にした意思決定を速やかに実行し、顧客価値向上と収益性改善を両立させる戦略が不可欠です。
本章では、市場環境や組織規模を問わず再現性が高い4つの戦略を取り上げます。料金設計からデータ分析までを網羅的に整理することで、チーム全員が共通言語で議論できる仕組みを構築し、施策の実行力を飛躍的に高め、競合との差別化が可能です。
結果として、限られたリソースでも高い投資対効果が得られます。

①戦略的な料金プランの設定

料金プランは利用頻度と価値認識に合わせて階層化します。低価格帯で導入障壁を下げつつ、高付加価値機能を上位プランに配置し、アップセルの動線を明確にしましょう。
また、年払い割引や利用席数連動プランを組み合わせると、資金繰りの安定化と顧客ロックイン効果が両立します。価格改定を行う際は、事前アナウンスと価値訴求をセットにし、NPSへの影響を最小化する工夫が必要です。

②既存顧客のロイヤルティ向上

既存顧客の解約防止は、新規獲得よりも費用対効果が高い施策です。オンボーディング期間にカスタマーサクセスマネージャが定例ミーティングを実施し、活用度合いをチェックすると定着率が向上します。
ユーザーコミュニティの運営や機能要望の優先実装など、利用価値を顧客と共創する仕組みを設けるとNPSが向上し、リファラル経由の新規獲得も促進されます。ロイヤルティ向上は口コミとレビューサイトでの評価にも反映されるため、ブランド資産の強化にも効果的です。

③リードナーチャリングの徹底

展示会やホワイトペーパーで獲得した見込み顧客は、即時契約に至らない場合がほとんどです。メールやウェビナーで業界課題の解決策を継続提供し、関心度を定量スコアで管理すると転換率が高まります。
営業担当はスコアが閾値を超えたリードに注力し、提案内容を利用シナリオ中心に最適化することで商談効率が向上します。マーケティングと営業が共通KPIを持ち、定例レビューで改善を進める体制が不可欠です。

④各種指標のデータ分析の徹底

データ分析は測定と可視化の仕組みを整えて初めて機能します。データレイクに契約情報とプロダクト利用ログを集約し、BIツールでダッシュボードを作成すると、部門横断で同じ指標の確認が可能です。
異常値が表れた場合は、顧客区分や利用機能別に深掘りし、改善仮説を立案します。分析結果を週次で共有し、実行施策と指標変化を因果で結び付ける習慣が継続成長を支えます。

SaaS新規事業の成功事例

成功企業の軌跡を分析すると、課題設定の精度と指標管理の徹底が成長速度を大きく左右します。業界固有のペインに深く入り込み、継続課金モデルに適合する機能を最小構成で素早く投入した企業は、結果としてチャーン低減とLTV向上を同時に実現します。
さらに、社内プロセスをデータで可視化し、改善サイクルを月次で回す組織文化が定着した点も共通要素です。本章では5社の事例から成功要因を抽出し、再現性の高い戦術に落とし込む方法を示します。

SmartHR:HR業務のDXで垂直立ち上げ

SmartHRはクラウド人事労務のペーパーレス化需要を的確に捉え、法改正が集中する時期に正式版を投入しました。労務手続きの自動化とガイド付きワークフローを最小コア機能に絞り込み、オンボーディング負荷を大幅に削減しました。
価格設定は従業員数連動の階層モデルを採用し、導入障壁を下げながら契約規模拡大時にMRRを自然に増加させる仕組みを構築した事例です。

KARTE:顧客体験のデータ価値最大化

KARTEはリアルタイム行動解析とセグメント配信をワンストップで提供し、ECサイトの離脱防止ニーズに一点集中しました。イベントストリームを高速処理する独自基盤を武器に、導入から効果検証までのリードタイムを短縮しました。
パーソナライズダッシュボードを開放し、マーケティング担当者がSQLを扱わずに施策を回せる環境を整備しました。API連携と課金連動の拡張パックを段階提供し、NDRを120パーセント以上に維持した事例です。

FORCAS:アカウントベースドマーケティングの効率化

FORCASはデータクレンジングと業界属性推定アルゴリズムでターゲット企業の優先度を数値化し、法人営業の仮説作成を自動化した事例です。インサイドセールスのリソース不足を補う価値提案が明確であったため、初期顧客の口コミ拡散が早期に加速しました。
料金体系を利用席数ではなく抽出アカウント数に連動させた結果、拡大商談への提案が自然にアップセルへ直結しました。

SALON BOARD:美容業界特化SaaSで差別化

SALON BOARDは美容サロンの予約管理と顧客カルテの統合を実現し、紙台帳作業の削減による即時効果を訴求しました。集客媒体と在庫管理を連動させることで、予約枠の稼働率向上をユーザーの主要成果指標に設定しました。
導入時の初期費用をゼロに抑え、月額課金に広告連携オプションを追加する2段階モデルで収益の多重化を図っています。

CLINICS:医療SaaSで規制業界を変革

CLINICSは遠隔診療の法改正を機に、医療機関向けにビデオ診療と予約決済を一体提供しました。医師と患者の双方が既存端末で利用できるUIを追求し、導入ハードルと教育コストを最小化しました。
厚生労働省ガイドラインに準拠したデータ保護体制を整備し、規制遵守のリスクをサービス価値として訴求しました。公費適用診療科の拡大に合わせ、定額制プランと従量課金プランを併用し、ARRを持続的に増加させた事例です。

SaaS新規事業のよくある失敗パターン

SaaS新規事業の失敗は多くの場面で同じ根本原因に収束します。顧客課題の仮説検証と資金計画を疎かにすると、優れた技術を備えていても早期に停滞しやすいです。
次に挙げる3つの典型例を把握し、対策を事前に組み込むことで、施策の出戻りと資金消耗を回避できます。反省点をドキュメント化し、後続プロジェクトへ知見を接続すると、今後に活かせる知見の蓄積が可能です。

課題検証不足による市場ニーズミスマッチ

ユーザーインタビューやデータ分析を省略したまま機能実装に注力すると、市場からの支持が得られません。顕在課題よりも仮説ベースの機能が増え、初期MRRが計画比で大幅に下振れします。
MVP段階で利用頻度と支払い意思を定量計測し、拒否反応が見える仮説を速やかに棄却すると開発ロスを抑えられます。一次情報を継続収集し、マーケティング戦略の前提を数値で裏付けることが可能です。

KPI設定の甘さと資金ショート

MRR成長率とチャーンレートの閾値を定めないまま広告投資を拡大すると、収益予測が外れ資金繰りが悪化します。正味解約率がプラス転換する段階を超える前に支出が固定化し、キャッシュアウトの加速につながりやすいです。
CACとLTVの比率を週次で監視し、基準を満たさないチャネルを即時停止すると資金消耗を抑制できます。予測キャッシュフローを月次でローリング更新し、調達タイミングを計画的に前倒しします。

開発優先でマーケティングが後手になる

機能強化に開発リソースを集中し過ぎると、市場認知とリード獲得が遅れ始めます。競合が機能類似サービスを先行リリースし、価格競争に巻き込まれるリスクが高まりやすいです。
開発スプリントとマーケティング施策を並行管理し、価値訴求コンテンツを製品ロードマップと同期させると市場期待を維持できます。PoC段階から顧客事例を制作し、正式リリース時点で引き合いの土壌を整備します。

まとめ

SaaS新規事業を継続成長へ導く鍵は、課題検証と指標管理を起点にした仮説実行サイクルです。成功企業が実証した通り、市場特化の尖った価値とデータ駆動の運営体制を併せ持つことで、安定収益と投資回収の両立が可能になります。
一方で、検証不足やKPI未整備が初期の資金枯渇を招き、成長シナリオを断念する例も後を絶ちません。本記事で示した戦略と事例を土台に、指標を定期レビューし、顧客価値を最速で向上させる組織文化を醸成すると競争優位が長期化します。

koujitsu編集部

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