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ROASとは?CPAやROIとの違いや広告指標に使用するメリットを解説

2023.08.30更新

「広告にどのくらいの効果があったのだろう?」と広告の効果を知りたいという方は多いのではないでしょうか?   広告の効果がどの程度あったのか客観的に把握できるのがROASです。   コストをかけて宣伝し […]

「広告にどのくらいの効果があったのだろう?」と広告の効果を知りたいという方は多いのではないでしょうか?

 

広告の効果がどの程度あったのか客観的に把握できるのがROASです。

 

コストをかけて宣伝している広告が本当に適切なのか、改善点はないのかということを簡単に把握することができます。

 

広告に予算をかけている方や、これから広告を打とうと検討している方はROASや、類似した指標であるROIやCPAとの違いについて把握しておいた方がよいでしょう。

 

本記事では、ROASなどの指標からどんなことが分かるのか、また具体的にどのように改善を図っていくことができるのか、詳しく解説していきます。

 

ROASとは?

ROASとはReturn On Advertising Spendの略称です。

 

Advertising Spendは広告費という意味ですので、広告費に対する費用対効果を測る指標がROASです。

 

ROASの計算方法、またどの程度であれば「効果が上がっている」と判断できる目安となる数なのか、また他の指標との違いについてまずは詳しく解説していきます。

参考記事:Digital GOAT様-ROASとは

ROASの計算式

ROASは次の数式で計算します。

 

「売上÷広告費×100(%)」

 

たとえば100万円の広告費に対して、600万円の売上があった場合は

600万円÷100×100=600%となります。

 

100万円の広告費をかけたのに50万円しか売上がなかった場合には、50万円÷100万円×100=50%

となるので、広告費の50%の費用対効果しか上がっていないことになります。

 

このように、ROASは「広告費に対してどのくらいの割合の売上が上がったのか」を知るための指標です。

 

あくまで一般的に言われている計算方法のため、以下項目ではより実践的かつ利益につながるROASの考え方について解説します。

 

ROASの目安

広告効果が良かったと判断できる数字は100%以上です。

100%を超える数値なら、広告によって広告費を超える売上が上がることは確実であるため、広告費を追加して売上を拡大していけばよいのでは?

と考える人も多いのではないでしょうか。

 

しかし、会社の売上が全て利益になるようなことはありません。

 

売上の中には原価やさまざまな経費が発生しているので、売上ではなく粗利益や営業利益でROASを計算するのがよいでしょう。

 

例えば、50万円の広告費をかけて100万円の売上があり、売上に対する営業利益は60万円の場合、営業利益に対するROASは60万円÷50万円×100=120%ですので、この広告は広告をかければかけるほど利益が上がることが分かります。

 

一方、50万円の広告費に対して売上は100万円あるものの営業利益が40万円であれば、売上に対するROASは200%ですが、営業利益に対するROASは40万円÷50万円×100=80%です。

 

つまり、この広告で売上があっても広告費を加味すれば赤字になるということが言えます。

 

このようにROASは売上ではなく、利益ベースで考えることが重要です。

 

ROASの目安は100%を超えているかどうかですが、売上ではなく粗利益や営業利益で100%を超えているかどうかを判断するようにしてください。

 

ROASとROIとCPAとの違い

ROASと似た指標としてROIとCPAがあります。

 

それぞれの指標を理解して適切に使い分けることによって、さらに広告費や投資に対する効果をより詳細に把握することができます。

 

ROIとCPAについて詳しく解説していきます。

 

ROIとは?

ROIはReturn On Investmentの略で、日本語に訳すと投資利益率を示します。

 

広告費を投資として考えれば、広告費に対してどの程度の利益が得られたのか、という考えで、ROASを粗利益や営業利益で計算することとほとんど同じです。

 

ROIの計算式は次の通りです。

 

利益額÷広告費×100(%)

 

50万円の費用をかけた広告から60万円の利益が出ているのであれば、ROI=60万円÷50万円×100=120%です。

 

ROASが広告費からどの程度の売上が発生したのかを測る指標であるのに対して、ROIは広告費からいくらの利益が出たのかを測る指標ですので、ROASとROIのどちらも100%超えであることが重要ですし、ROASを計算したらROIも計算してみるとよいでしょう。

 

CPAとは?

CPAとはCost Per Acquisitionの略で、日本語に訳すと「顧客獲得単価」です。

 

コンバージョンとはWEBマーケティングにおける「成果」という意味で、何かを販売しているサイトであれば商品の購入、資料請求を目的としているのであれば顧客が資料請求するなど、サイトが目的としている成果へ顧客がたどり着くことを指します。

 

CPAでは顧客1人が成果にたどり着くまでの費用を知ることができ、計算式は次の通りです。

 

広告費用÷CV数(コンバージョン数)

 

50万円の広告費に対して40のコンバージョンがあったのであれば、

CPAの計算式は、50万円÷40=12,500円となります。

 

CPAが顧客1人から得られる利益を上回っているのであれば、CPAは高いと判断できるので広告費を下げるなどの方法を検討しなければなりません。CPAが顧客1人あたりの利益を下回っているのであれば、その広告をさらに拡大していくことで会社の利益は増えていきます。

 

ROASとROIとCPAの使い分けと活用方法

ROASとROIとCPAはそれぞれ全く異なる指標ですが、それぞれを適切に使い分けることによって、さらに広告費や投資の効果を向上させることが可能です。

 

ここでROASとROIとCPAの役割を分類すると次のようになります。

 

ROAS 広告からどの程度の売上が上がったのか
ROI 広告からどの程度の利益が上がったのか
CPA コンバージョン1件獲得のためにいくらのコストがかかったのか

 

いくらROASが100%を超えていてもROIが100%を下回っていれば、利益は上がっていないので広告の単価を下げるか、広告そのものを変更して同じ広告費で売上の拡大を図る方法を検討しなければなりません。

 

また、CPAが高いのであれば広告費の引き下げや客単価のアップを図るなどの対策が必要です。

 

このようにROASとROIとCPAはそれぞれの役割を理解して、適切に使い分けることが重要です。

 

ROASを指標として広告を運用するメリット

ROASと指標として広告を運用することには次の3つのメリットがあります。

 

  • 広告の売り上げへの貢献度や広告効果を算出できる
  • 広告の改善点を洗い出しと見直しができる
  • 手元のデータを見ながら広告戦略を策定できる

 

広告の効果を把握できるのはもちろん、広告を改善し、さらなる売上アップを図ることができるとともに、より有効な広告戦略を策定することが可能です。

 

ROASを指標として広告を運用することの3つのメリットについて詳しく解説していきます。

 

広告の売り上げへの貢献度や広告効果を算出できる

ROASを使用すれば広告がどの程度の売上に貢献したのか、どの程度の広告効果があったのかを算出することができます。

 

ROASが100%を超えていれば、当該広告は継続的に広告費を超える売上を作る可能性があると判断できるので、積極的に広告を活用することができます。

 

他方、ROASが100%を下回っているのであれば、当該広告を続けていても広告費の見合うだけの効果を得ることができないと判断することが可能です。

 

広告にどの程度の効果があるのかを客観的に知ることは非常に困難ですが、ROASを使用することによって簡単に広告効果を把握できます。

 

広告の改善点を洗い出しと見直しができる

ROASを使用すれば広告の改善と見直しが簡単です。

 

例えば初月のROASが満足いく数字でなかったため、写真を変えた結果ROASが上昇したのであれば、改善点は「自社商品の見せ方」ということがすぐに分かります。

 

複数の広告を出稿しているのであれば、それぞれの広告についてROASを測定すれば、どの広告が最も効果を挙げているのかも知ることができます。

 

簡単に広告の費用対効果を知ることができるので、広告の改善点や見直しをできるのがROASの大きなメリットです。

 

手元のデータを見ながら広告戦略を策定できる

ROASの最も大きなメリットは、広告戦略が立てやすくなる点です。

 

ROASは短期でも長期でも期間を問わずに効果を測定することができますし、複数の広告ごとに数値を算出することも簡単です。

 

例えば、1ヶ月ごとのROASを並べて測定すれば、「何月が最も広告効果が高いのか(低いのか)」を知ることができます。

 

また、ディスプレイ広告の場合は「連続して広告を出すと顧客に飽きられて売上が減少する」などのデータを取ることもできるでしょう。

 

このような情報から自社にとって最も最適な広告戦略を策定することが可能です。

 

ROASから得られるデータによって「2月と3月はROASがマイナスになるから広告はやめて、広告に飽きがこないように2ヶ月に1回は新しい広告を作る」など自社にとってベストな広告を作ることができます。

 

また、新商品を投入する際や、新事業の際には「何がベストな広告なのか」が不透明です。

 

そのため、複数の広告を実施して、広告ごとにROASを測定すればベストな広告が何かを把握できます。

 

広告の効果を分析して、「自社にとってベストな広告戦略を分析することは専門の広告代理店でなければ分からない」と考えている方も多いですが、ROASを使用すれば自社でも簡単に最適な広告戦略を策定することが可能です。

 

ROASを指標として広告を運用するデメリット

ROASを指標として広告を運用する際には、「広告費に対してどの程度の利益が得られたのか」を知ることができない点に注意しなければなりません。

 

広告費と利益の相関関係を知りたい場合には、別の指標を使用する必要があります。

 

広告費と利益の費用対効果を把握できない

ROSAはあくまでも広告費に対してどの程度の売上が作れたのかを測る指標です。

 

当然ながら商品やサービスによって原価率などは異なるので、場合によってはROASが高くても利益が出ていないケースは多々あります。

 

そのためROASにおいて、一概に「どの程度の数値であれば数値的に問題ないのか」と判断することはできません。

 

あくまでも広告費に対しての売上だけを測る指標ですので、ROASが高くても赤字になっている可能性もあります。

 

売ったら売っただけ赤字になるのであれば、その広告は停止するべきかもしれません。

 

そのためROASだけでなくROIなど「広告費からどの程度の利益が出たのか」を測る指標と合わせて広告戦略が適正かどうかを検討するとよいでしょう。

 

ROASは広告の内容の検証や複数の広告を比較する際には有効ですが、経営にプラスかどうかをROASだけでは判断できない点に注意してください。

 

まとめ

ROSAは広告費に対してどの程度の売上があったのかという広告費の費用対効果を測る指標です。

 

広告の内容や季節ごとの広告の効果を図る際や、複数の広告を比較する際に活用できます。

 

ただし、ROASだけでは「広告からどの程度の利益が出たのか」までを測ることは不可能ですので、ROIやCPAなど他の指標も使用して、適切な広告戦略を策定するようにしてください。

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早坂遊羽

株式会社koujitsu 取締役 COO


京都大学卒業後、大手SIerにてITコンサルタントとして従事。官公庁や大手民間企業のプロジェクトにおいてメンバーとして関わる中で、よりハンズオンの支援に携わりたいと考えるようになる。その後PRコンサルタント、事業会社広報、人材事業立ち上げを経てkoujitsuへ参画。現職ではマーケティング事業部を統括しながら、プレイヤーとしてクライアントのマーケティング戦略企画・実務運用にも携わっている。

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