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提供価値フレームワークとは?バリュープロポジションの活用法を解説

2025.05.30更新

企業が成長していくうえで、自社の強みを顧客にどのように伝え、どのように選んでもらうかは重要です。これに直結するのが「提供価値」という考え方です。提供価値を適切に整理し、実際の施策に落とし込むには、バリュープロポジションを […]

企業が成長していくうえで、自社の強みを顧客にどのように伝え、どのように選んでもらうかは重要です。これに直結するのが「提供価値」という考え方です。提供価値を適切に整理し、実際の施策に落とし込むには、バリュープロポジションをはじめとするフレームワークが大いに役立ちます。

本記事では、提供価値のフレームワークについて、バリュープロポジションの基本や、実践的な活用法を詳しく解説します。成功や失敗の事例から学び、組織全体に浸透させるヒントを一緒に探っていきましょう。

提供価値のフレームワークとは?

framework

提供価値のフレームワークとは、顧客が得るメリットや解決される課題を体系的に整理し、自社の商品やサービスが顧客にとってどのような価値を生み出すかを明確化するための枠組みです。

とくに「バリュープロポジション」という概念が広く知られており、顧客の痛み(ペイン)や得たい成果(ゲイン)と、自社が提供する解決策を照合することで、製品・サービスの核心的な魅力を捉えようとする考え方です。

こうしたフレームワークを用いることで、自社の強みを言語化しやすくなり、マーケティングや営業、事業企画などの場面で迷いなく方向性を定める助けになります。顧客とのコミュニケーションが円滑になり、チーム内でも共通言語として活用しやすい点が特徴です。

提供価値のフレームワークが重要な理由

importance

提供価値のフレームワークを活用することで、市場や顧客に対する自社の立ち位置を明確にでき、戦略を効果的に展開しやすくなります。ここでは、提供価値のフレームワークが重要な3つの理由を解説します。

競合との差別化を図りやすい

提供価値を整理するフレームワークを使うと、自社の商品やサービスが競合他社とどの点で異なるのかが明確になります。たとえば、同じ機能を提供していても、顧客にとってどんなメリットが上回っているかを具体的に示せるかどうかで、差別化の成否が分かれます。

バリュープロポジションキャンバスなどを活用し、顧客が抱える悩み(ペイン)と、それを解消するポイント(ゲイン)を対比させると、他社にはない強みや付加価値を言語化しやすくなります。こうした差別化要素をセールストークや広告コピーに反映すれば、顧客が自社を選ぶ理由が一段と明確になります。

顧客ロイヤルティを高める

顧客が「自分の望む価値をしっかり受け取れる」と感じると、その企業に対して愛着や信頼が育まれます。顧客ロイヤルティを高め、長期的な関係を築くうえで重要なのは、単に安い価格や機能面だけでなく、顧客の真のニーズに寄り添うことです。

バリュープロポジションを明確にして日々の施策に活かすと、顧客が「この会社は自分の問題を解決してくれる存在だ」と認識しやすくなり、リピート購入や推奨行為につながりやすいです。結果として高いロイヤルティを持つ顧客が増加し、安定した売上やポジティブな口コミの拡散が期待できます。

組織内で共通認識が生まれる

提供価値を文書化・可視化するフレームワークを使うと、部門を越えて同じゴールを共有しやすくなります。開発部門は機能優先、営業部門は売上優先など、目的が異なると社内で衝突が起こりがちです。

しかし、顧客が求める価値を中心に議論すれば、どの部署も顧客に向き合った判断を取りやすくなります。経営層やマネージャー層も含め、誰が何をすべきかがスムーズに定まり、組織全体のパフォーマンスを向上させる効果が期待できます。

バリュープロポジションのよくある失敗例

failure

バリュープロポジションを設定する際、理想と現実のギャップに苦しむケースがあります。特に企業側の視点が強すぎたり、既存技術に執着しすぎることが失敗のもとになりやすいです。ここでは2つの失敗例を取り上げ、バリュープロポジション設計時に気を付けるポイントを整理します。

企業側の想いばかりが先行する

自社の技術や商品に対する思い入れが強いあまり、顧客が実際に得たい価値とはズレたままバリュープロポジションを作ってしまう事例があります。「この商品はすごい技術を使っている」「業界初の試みだ」という企業側の熱意が、かえって顧客には伝わりにくい場合があるのです。

顧客の問題や求めるメリットを精査せず、自社のメリットだけを前面に打ち出すと、市場からそっぽを向かれる危険があります。提案の前に、顧客インタビューやデータ分析を行い、顧客目線で本当に役立つ価値を確認する姿勢が欠かせません。

既存の技術や資産に固執する

企業が長年培ってきた技術や設備をどうしても活かそうとすると、マーケットニーズに合わないプロダクトを作り続けてしまうリスクがあります。自社の強みを活かすこと自体は大切です。しかし、顧客が真に求める価値と合致していないと、宝の持ち腐れになる可能性が高いです。

たとえば、高度な技術を盛り込んでも、顧客はそれほど複雑な機能を必要としていない場合があります。こうしたミスマッチを避けるには、顧客セグメントごとのペインを再度整理し、本当に必要とされる部分だけを選択・集中して提供価値を定義する意識が重要です。

バリュープロポジションキャンバスの作り方

バリュープロポジションキャンバスは、顧客の課題や得たい成果を視覚的に整理し、それに対する自社のソリューションがどうマッチするかを考えるフレームワークです。顧客セグメントと提供価値の2つのボックスに分け、それぞれの詳細要素を対比させます。

まずは顧客がどんな「仕事(ジョブ)」をこなし、どんな「ペイン(苦痛)」を抱え、どのような「ゲイン(得たい成果)」を望んでいるかを明確にします。そのうえで、自社の「ペインリリーバー(痛みを取り除く要素)」や「ゲインクリエイター(利益をもたらす要素)」が、どう対応できるかを埋めていきます。

バリュープロポジションキャンバスの活用手順

バリュープロポジションキャンバスを活用する際は、顧客セグメントを具体化し、ジョブ・ペイン・ゲインを洗い出し、そこに自社の提供価値をマッチングさせるという流れで進めます。

それぞれのステップを丁寧に行うことで、顧客が求めるポイントと自社の強みがしっかり噛み合ったプロダクトやサービスを作りやすくなります。

顧客セグメントの具体化

最初に行うべきは、どの顧客グループを対象にするかを明確にすることです。顧客セグメントは年齢や職業、居住地域などの基本属性だけではなく、ライフスタイルや価値観、購買動機など心理的要因にも注目すると効果的です。

場合によっては、複数のセグメントを想定し、それぞれのニーズを比較しながら優先度を決定します。セグメントの分類を明確にできれば、次に続くジョブ・ペイン・ゲインの洗い出しが精度を増し、最終的なバリュープロポジションの正確性が上がります。

ジョブ・ペイン・ゲインを洗い出す

ジョブとは顧客が日々取り組む仕事やタスクのことで、ペインはそれに伴う悩みや不便、ストレスを意味します。ゲインは、顧客が得たい理想の状態やベネフィットを指します。

ここでは顧客がどんなタスクをこなし、その中で何に苦痛を感じているのか、どんな成果や快適さを求めているのかをリストアップします。インタビューやアンケートなどで顧客の声を聞くとともに、関連する市場調査やSNSの意見も参考にすると、より深い理解が可能です。

提供価値とのマッチング

ジョブ・ペイン・ゲインを明確にしたら、それに対応する自社のソリューションを「ペインリリーバー」と「ゲインクリエイター」という形でマッピングします。ペインリリーバーは顧客の悩みを解消する要素、ゲインクリエイターは顧客が望む成果を実現する要素を指します。

この作業を通じて、自社の製品やサービスが本当に顧客の痛みや欲求を満たしているかを客観的に検証できます。もし乖離が大きいなら、機能の追加や不要要素の削除を検討し、バリュープロポジションの再調整を行うと良いです。

具体的な事例から見る提供価値フレームワークの活用

提供価値のフレームワークはさまざまな企業で活かされています。中でも革新的なサービスを打ち出した企業は、バリュープロポジションを巧みに構築し、顧客に新しい価値を届けました。

ここでは、SlackやUberといったグローバル企業がどのように提供価値を提示し、成功につなげたか、事例から解説しましょう。

Slackがもたらしたビジネスコミュニケーションの変革

Slackは既存のメールやチャットツールとは異なるコミュニケーションの形を提案し、ビジネス現場の作業効率を大幅に向上させました。これまでメールでやり取りしていた情報が急増し、必要な情報が埋もれるという問題が存在したところに着目した形です。

Slackはチャットルームのスレッド管理やファイル共有の簡便化などを提供し、チーム内コミュニケーションの混乱を緩和しています。バリュープロポジションキャンバスの視点から見ると、「情報検索のしやすさ」「リアルタイム連絡」「外部ツール連携」というペインリリーバーを用意し、チームの生産性というゲインを創出した例といえます。

Uberが提供した新しい移動体験

Uberはタクシーを捕まえにくい都市部の移動や料金不透明というペインを、アプリで簡単に配車を依頼し、料金を事前に確認できる仕組みで解決しました。また、クレジットカード決済や乗車後のレビュー機能を導入し、安心して利用できるサービスとしてのゲインを提供しました。

結果的に、利用者だけでなくドライバー側にも収益機会を増やす形でメリットをもたらし、市場に大きな変化をもたらしました。これはバリュープロポジションを的確に設定し、顧客のジョブ(移動)を深く理解したうえで「スムーズで安心の移動体験」を提供した成功例だといえます。

バリュープロポジションキャンバス以外のフレームワーク例

提供価値フレームワークの代表格はバリュープロポジションキャンバスですが、ビジネスモデルを多方面から整理するフレームワークは他にも存在します。ここでは、ビジネスモデルキャンバス、ジャーニーマップ、リーンキャンバスの3つを紹介します。

ビジネスモデルキャンバス

ビジネスモデルキャンバスは、顧客セグメント、チャネル、コスト構造など9つの要素から事業全体の仕組みを俯瞰するフレームワークです。提供価値だけでなく、収益モデルやパートナー関係まで同時に整理できるため、新規事業開発や既存事業の見直しに多用されます。

顧客視点を中心に据えながら、コストや収益のバランスも可視化できるため、実現可能性を検証するのに適しています。バリュープロポジションキャンバスと組み合わせて使うと、提供価値がどんな収益構造やチャネルと結び付くかを体系的に確認しやすくなります。

ジャーニーマップ

ジャーニーマップは、顧客が商品やサービスを知り、購入・利用するまでの工程や感情変化を時系列で描くツールです。バリュープロポジションキャンバスが顧客のペインと自社のソリューションの対応関係を示すのに対し、ジャーニーマップは顧客が触れるタッチポイントを把握することがメインとなります。

たとえば、SNS広告を見たあと、商品紹介サイトにアクセスして比較検討し、さらに店頭で実機を試して購入に至るなど、顧客が辿るシナリオを可視化するのです。この手順を踏むことで、顧客満足度や購買率を高める最適な接点設計を考えやすくなります。

リーンキャンバス

リーンキャンバスは、新規事業やスタートアップの立ち上げスピードを重視する際に用いられるフレームワークです。ビジネスモデルキャンバスに類似していますが、リスクと仮説検証を重視した構成になっている点が特徴です。

顧客の問題、解決策、独自の価値提案、競合優位、収益化、コスト構造などを一枚のキャンバスにまとめ、短いサイクルで検証と改良を行います。バリュープロポジションの検討とも親和性が高く、素早く試してみて結果をフィードバックする手法に適しています。

提供価値のフレームワーク活用を成功に導くポイント

提供価値のフレームワークを導入しても、適切に運用されなければ社内のミーティング資料で終わってしまう可能性があります。フレームワークの活用を成功させるには、まず全員が同じ目線で顧客を理解する文化を育むことが不可欠です。さらに、定期的な見直しやステークホルダーとの連携を実践し、実際のサービスや施策に反映し続けるサイクルを回す必要があります。

組織の各部署がデータやインサイトを共有し合い、フレームワークを活かした判断を行うと、戦略と実行が一貫します。結果的に顧客との接点の質が向上し、リピートや評判拡散などの成果につながるでしょう。

提供価値のフレームワークを導入する際の注意点

提供価値フレームワークを導入する際、チーム内で方向性がそろっていないと混乱する恐れがあります。さらに、顧客セグメントの選定を誤ると不必要な労力をかけてしまう場合もあります。ここでは、3つの注意点を挙げ、導入時に気を付けるべきポイントを説明します。

チーム全員で同じ方向を向く工夫

フレームワークを導入するときには、現場担当者から経営層まで、同じゴールを共有するための対話が欠かせません。業務優先度や評価指標が異なる部門が混在すると、フレームワークを活かしきれないことが多いです。

導入初期段階でワークショップや研修を行い、フレームワークの目的とメリットを全員に理解してもらうと良いです。具体的なセグメント例やバリュープロポジションの完成例などを示しながら、「このツールを使えば社内の連携やプロジェクトの成功確率が上がる」という点を納得してもらうと効果的です。

顧客セグメントの選定ミスに注意

提供価値を設計する際、顧客セグメントを誤って設定すると、優れたバリュープロポジションができても市場のニーズと噛み合わない可能性があります。大きすぎるセグメントを狙ってしまい、コアユーザー向けの施策が薄まるケースもあるため注意が必要です。

セグメントは、できるだけ細分化したうえで、「この層に本当に貢献できる」という論拠を明確にすることが大事です。セグメントを絞り込むと、メッセージや機能設計が一貫しやすくなり、提供価値を最大化しやすい結果につながります。

継続的な仮説検証のためのリソース確保

提供価値フレームワークは、一度作って終わりではなく、市場環境や顧客ニーズの変化に応じてアップデートしていくものです。そのため、仮説検証を継続できるだけの時間と人材を確保する計画が必要です。

新たなデータを定期的に収集し、フレームワークを見直して施策を改善するには、部門横断の体制づくりが欠かせません。マネジメント層が「検証プロセスも評価する」という仕組みを整えれば、担当者が安心して試行錯誤を続けることができるようになります。

社内に「提供価値フレームワーク」を浸透させる方法

提供価値フレームワークが完成しても、現場や管理職がその意義を理解しなければ成果は得られません。そこで、定期的な研修や勉強会、ワークショップを開催し、実際のケースを題材に具体的な使い方を学ぶ場を用意すると効果的です。

さらに、部署間でのコミュニケーションを円滑にするために、社内ポータルやチャットツールでフレームワークの最新情報を共有すると良いです。成功事例や失敗事例を蓄積し、最適な実践ノウハウを自社内で育てていけば、提供価値の再定義や新たなプロジェクトに応用が広がります。

まとめ

提供価値フレームワークは、顧客が何を望み、どんな問題を抱えているのかを可視化し、自社の強みをどう組み合わせればよいかを整理するための重要なツールです。特にバリュープロポジションキャンバスは顧客ニーズと自社ソリューションをしっかり紐づけ、確かな差別化戦略を立てやすくします。

導入にあたっては、セグメント選定や社内合意形成など、いくつかのハードルがあります。しかし、継続的に仮説検証を行いながらフレームワークをアップデートする仕組みを整えれば、現場の声を反映した施策をスピーディーに展開できるでしょう。これにより、顧客との強固な信頼関係を築き、市場での存在感を大きくするチャンスが高まります。

koujitsu編集部

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