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BtoBマーケにおけるペルソナの作り方

2024.08.20更新

BtoBマーケティングの成功には、ターゲット顧客の深い理解が不可欠です。その鍵となるのが、ペルソナの作成とカスタマージャーニーマップの活用です。これらのツールを効果的に活用することで、企業は顧客のニーズや課題をより深く理 […]

BtoBマーケティングの成功には、ターゲット顧客の深い理解が不可欠です。その鍵となるのが、ペルソナの作成とカスタマージャーニーマップの活用です。これらのツールを効果的に活用することで、企業は顧客のニーズや課題をより深く理解し、的確なマーケティング戦略を立案できます。

 

本記事では、BtoBマーケティングにおけるペルソナの作成手順とカスタマージャーニーマップの活用方法について、具体的なステップとその効果を詳しく解説します。顧客中心のアプローチを強化し、競争力を高めたいBtoB企業の方々に、ぜひお読みいただきたい内容です。

マーケティング戦略・戦術設計のステップ

BtoBマーケティングにおいてペルソナは、顧客を理解し、効果的なマーケティング施策を実行するために不可欠です。しかし、ペルソナをどのように作成すればよいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

そこで、BtoBマーケティングにおけるペルソナの作り方について、4つのステップに沿って解説します。

ステップ1:ターゲットの仮説立て

ペルソナを作成する前に、まず自社のターゲットとなる顧客を仮説立てする必要があります。ターゲット仮説は、以下の要素を参考に立てるとよいでしょう。

  • 業種・部署:自社の製品・サービスがどのような業種・部署で利用されているのかを分析
  • エリア:自社の製品・サービスがどのような地域で利用されているのかを分析
  • 企業規模:自社の製品・サービスがどのような規模の企業で利用されているのかを分析その他:上記以外にも、顧客を分類する上で重要な要素があれば考慮

ステップ2:受注分析・ニーズの洗い出し

次に、受注した顧客を分析し、ニーズを洗い出します。受注分析では、以下の項目を分析します。

  • 問合せきっかけ:顧客が自社に問い合わせたきっかけは何だったのか
  • 導入の決め手:顧客が自社の製品・サービスを導入した決め手は何だったのか
  • 営業のアプローチ:どのような営業アプローチが効果的だったのか
  • 提案内容:どのような提案内容が顧客のニーズに合致していたのか

受注分析の結果をもとに、顧客のニーズを仮説立てします。

ステップ3:失注分析

失注した顧客を分析し、失注理由を洗い出します。失注分析では、以下の項目を分析します。

  • 失注理由:顧客が自社の製品・サービスを導入しなかった理由は何か
  • コミュニケーション履歴:顧客とどのようなコミュニケーションを取っていたのか
  • 競合失注の場合の導入商品:競合他社に失注した場合、顧客が導入した商品は何か

失注分析の結果をもとに、4P(Product、Price、Place、Promotion)の観点から改善仮説を立てます。

ステップ4:競合分析

競合他社を分析し、自社の差別化要素を洗い出します。競合分析では、以下の項目を分析します。

  • 製品・サービス:競合他社の製品・サービスはどのようなものか
  • 価格:競合他社の製品・サービスの価格はどのくらいか
  • 販売チャネル:競合他社はどのような販売チャネルで製品・サービスを販売しているのか
  • マーケティング活動:競合他社はどのようなマーケティング活動を行っているのか

競合分析の結果をもとに、自社がとるべき適切なチャネルや差別化要素を仮説立てます。

ステップ5:ペルソナ設計

 

ステップ1〜4で立てた仮説をもとに、ペルソナを設定します。ペルソナは架空の顧客像であり、以下の要素を定義する必要があります。

  • 基本情報:氏名、年齢、性別、役職、勤務先など
  • 課題:顧客が抱えている課題
  • ニーズ:課題を解決するために必要なもの
  • 行動:課題を解決するためにどのような行動をとるのか
  • 情報収集:どのような情報収集チャネルを利用しているのか
  • メディア:どのようなメディアを利用しているのか
  • その他:ペルソナをより具体的にするために必要な情報

ペルソナを設定する際には、以下の点に注意しましょう。

  • 顧客目線で考える:ペルソナは自社の理想の顧客ではなく、実際の顧客をモデルにする具体的な情報を盛り込む:ペルソナは、できる限り具体的な情報を盛り込むことでよりリアルな顧客像になる
  • 複数設定する:自社の製品・サービスを購入する可能性が高い顧客は複数存在する可能性があるため、複数のペルソナを設定する必要がある

ステップ6:カスタマージャーニーマップ

 

顧客が製品・サービスを購入に至るまでの行動を時系列で整理し、各段階におけるペルソナの行動、タッチポイント、感情、マーケティング施策をマップ化します。

カスタマージャーニーマップを作成することで、以下のメリットを得ることができます。

①顧客理解の深化

  • 顧客の視点からサービス体験を把握できる
  • 複数の意思決定者や関係者の立場や心理状況を理解できる
  • 顧客の行動、感情、タッチポイントを可視化できる

②部門横断的な共通理解の醸成

  • 営業、マーケティング、カスタマーサクセスなど部門を超えた顧客理解が可能
  • 一貫性のあるマーケティング施策の立案につながる
  • 社内の情報連携不足を解消できる

③効果的な戦略立案

  • 各フェーズにおける適切な施策を考案しやすくなる
  • 顧客とのタッチポイントが明確になり、戦略立案に役立つ
  • マーケティング活動全般のパフォーマンス向上につながる

④カスタマーエクスペリエンスの向上

  • 顧客の痛点や離脱ポイントを特定し、改善できる
  • 一貫性のある顧客体験を提供できる
  • パーソナライズされたメッセージやオファーを届けられる

⑤長期的な顧客関係の構築

  • 顧客ロイヤルティの向上につながる
  • リピート購入や推奨につながる
  • 解約率の改善に寄与する

⑥ビジネス成長の機会発見

  • 新市場開拓のヒントを得られる
  • 将来のニーズや嗜好を予測し、新製品・サービスの開発につなげられる

これらのメリットにより、BtoB企業は顧客中心のアプローチを強化し、競争力を高めることができます。カスタマージャーニーマップは、複雑な意思決定プロセスを持つBtoB市場においてとくに有効なツールといえるでしょう。

ペルソナ設定

ペルソナ設定は、ターゲット企業のイメージができた段階でさらに詳細なプロファイルを作成するための重要なステップです。ペルソナとは、ターゲットの中における具体的な顧客の代表例であり、これによりマーケティング戦略がより具体的で効果的になります。

ペルソナの定義

 

ペルソナは、特定のターゲットグループを代表する架空の人物像です。このペルソナを設定することで、ターゲットの具体的なニーズや行動パターンを理解しやすくなります。ペルソナの設定には、以下の情報が含まれます。

  • 氏名: 架空の名前を設定することで、チーム全体が共通のイメージを持ちやすくなる
  • 年齢: ターゲットの年齢層を具体的に示す
  • 職業: ターゲットの職業や役職を明確にする
  • 業務内容: 日常的にどのような業務を行っているかを詳細に記述する
  • 課題: ターゲットが抱える具体的な課題やニーズを洗い出す

ペルソナ設定の目的

ペルソナ設定のおもな目的は、マーケティング活動をターゲット顧客に合わせて最適化することです。具体的には、以下のような効果があります。

  1. マーケティングメッセージの精度向上
    • ペルソナにもとづいたメッセージは、ターゲット顧客に対してより共感を呼び、効果的なコミュニケーションが可能となります。
  2. 製品・サービス開発の指針
    • ターゲット顧客の具体的なニーズや課題を把握することで、製品やサービスの開発においても具体的な指針が得られます。
  3. 営業戦略の強化
    • ペルソナをもとにした営業戦略は、ターゲット顧客へのアプローチ方法を明確にし、成約率の向上につながります。

 

ペルソナ作成の手順

ペルソナを作成するためには、以下の手順に従います。

  1. データ収集
    • 既存顧客のデータ、マーケットリサーチ、インタビューなどを通じてターゲットの情報を収集します。
  2. データ分析
    • 収集したデータを分析し、共通する特徴や行動パターンを洗い出します。
  3. ペルソナの作成
    • データ分析の結果をもとに、具体的なペルソナを作成します。名前や年齢、職業などの基本情報を設定し、詳細なプロファイルを作成します。
  4. ペルソナの活用
    • 作成したペルソナをもとに、マーケティング戦略や営業戦略を設計し、実行します。ペルソナは定期的に見直し、必要に応じて更新します。

 

ペルソナ設定の具体例

  1. 個人情報
    • 氏名・性別・年齢: 佐藤太郎、男性、31歳
    • 役職: システムエンジニア、主夫
  2. 会社情報
    • 業種・従業員数・売上・勤務地: 建設コンサル、300人、100億円、東京
    • 主な業務内容: ITシステムの導入・保守、ベンダー選定
  3. 業務情報
    • 業務上のゴール・KGI・KPI: 社内システムの最適化、コスト削減
    • 業務プロセスにおける役割: 技術評価、提案内容の検証
  4. 関心事・課題
    • DX・AI: 業務改善、効率化
    • 技術革新: 最新技術の導入
  5. 情報取得媒体
    • よく使うデバイス: 社内パソコン、社用スマホ
    • よく見るメディア・サイト: Tmedia、IPA、ASCII、Qiita
    • よく使うアプリ: Outlook、Excel

 

タッチポイントの設定

ペルソナの設定が完了したら、次にそのペルソナに対する施策、つまりタッチポイントを設定します。タッチポイントとは、顧客がブランドと接触するあらゆる機会を指します。

例: 佐藤太郎(システムエンジニア、31歳)

  1. 情報取得媒体
    • デバイス: 社内パソコン、社用スマホ
    • メディア・サイト: Tmedia、IPA、ASCII、Qiita
    • アプリ: Outlook、Excel
  2. 施策(タッチポイント)
    • オンライン広告: TmediaやASCIIにターゲティング広告を掲載
    • メールキャンペーン: 定期的な技術情報のニュースレターを配信
    • ウェビナー: DXやAIに関するオンラインセミナーを開催
    • ホワイトペーパー: 最新技術導入に関する詳細なガイドを提供

このように、ペルソナにもとづいて具体的なタッチポイントを設定し、各接触点で効果的なコンテンツやメッセージを提供することで、ターゲット顧客の関心を引き、行動を促進することができます。

 

まとめ

BtoBマーケティングにおけるペルソナ作成は、顧客理解と効果的な戦略立案に不可欠です。作成手順は、ターゲットの仮説立て、受注分析とニーズの洗い出し、失注分析、競合分析、ペルソナ設計、カスタマージャーニーマップの作成の6ステップで構成されます。

 

ペルソナには基本情報、課題、ニーズ、行動、情報収集手段などを含め、具体的かつ複数設定することが重要です。カスタマージャーニーマップは顧客行動を時系列で整理し、各段階での感情やタッチポイントを可視化します。

 

これにより、顧客理解の深化、部門横断的な共通理解、効果的な戦略立案、カスタマーエクスペリエンスの向上、長期的な顧客関係の構築、ビジネス成長の機会発見などの利点が得られます。ペルソナとカスタマージャーニーマップを活用して、顧客中心のアプローチを強化し、競争力を高めましょう。

 

参考記事:コトウリ様-【BtoB】バイヤーペルソナの作り方、メリット、注意点

早坂遊羽

株式会社koujitsu 取締役 COO


京都大学卒業後、大手SIerにてITコンサルタントとして従事。官公庁や大手民間企業のプロジェクトにおいてメンバーとして関わる中で、よりハンズオンの支援に携わりたいと考えるようになる。その後PRコンサルタント、事業会社広報、人材事業立ち上げを経てkoujitsuへ参画。現職ではマーケティング事業部を統括しながら、プレイヤーとしてクライアントのマーケティング戦略企画・実務運用にも携わっている。

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