Instagramとは

Instagramは、写真や画像、短い動画など、視覚的に分かりやすい情報を提供できるプラットフォームです。世界では、一ヶ月で20億人以上のユーザーがInstagramのビジネスアカウントにアクセスすると言われています。日本では約4600万ものユーザーがおり、3人に1人が利用しています。

ユーザーは女性が多く、年齢層は若い世代に加えて、年々広い世代に広がっていっています。現在では代表的なSNSの1つであり、様々な企業がInstagramを通じて新規顧客を獲得しています。

Instagram広告の特徴

Instagramには企業の広告を掲載できます。写真や画像、動画など様々なパターンでの広告が可能です。ここではInstagram広告の特徴について解説します。

Instagram広告とは

Instagram広告とは、Instagramに企業として広告を出稿できるシステムです。Instagramの投稿をユーザーが見ている時に、投稿と投稿の間で広告を入れることができます。写真や画像でビジュアルに訴えかける広告を入れることでユーザーに届きやすくなります。

Instagramは、ユーザーが自分の欲しいものを検索する手段としても利用されています。Instagramにはショッピング機能というシステムがあり、投稿された商品・サービスの値段などを同じアプリ内ですぐにチェックできます。また、Instagramから自社のサイトに誘導して購入や申し込みができるので購買意欲の上昇にもつながります。

精度の高いターゲティングができる

Instagram広告では、高精度にターゲティングができます。Instagram広告では自動的に住所や性別、年代、性別、パートナーや子どもの有無、趣味趣向、ライフスタイルなどを判別して広告を配信できるので、非常に高い精度でターゲット層へ宣伝ができます。

低予算から広告配信できる

Instagram広告は、予算に応じて広告配信ができるのも特徴の1つです。1日あたり予算が100円程度（1ドル）から広告を流せる手軽さがあります。広告費用をあらかじめ設定しておけば、それを超えて広告が配信されることがないので安心です。広告を配信しながら広告の費用対効果をチェックして予算や広告内容を変更することもできます。

目的に応じて様々な形式の広告を配信できる

Instagram広告は、様々なパターンで広告を配信できます。ビジュアルでインパクトを残すために画像や写真、動画、ストーリーズを使ったり、複数枚の画像を利用してストーリー性を持たせたり、画像や動画に自社のリンクを貼ったり、アンケート広告でユーザーのレスポンスをチェックしたり、インスタグラマーと提携し、ブランドコンテンツとして広告を配信するなどのパターンがあります。広告する際の目的によって広告形式を使い分けられるのが特徴の1つです。

Instagram広告の費用体系

Instagram広告の費用は、一般的にオークション形式で決定します。それぞれの月で費用は変わりますが、前もって設定した上限金額を上回ることはありません。オークション形式で配信するケースでは、課金方式がCPM、CPC、ThruPlayの3種類があります。その他にもCPIという課金形式があります。

CPM

CPM（Cost Per Mile）とは、広告が1000回表示されるごとに広告費用が計算されるシステムです。よく間違われるのは、1000回ごとに費用が発生するのではなく、1回だけ表示されたとしても広告費用が発生します。

CPC

CPC（Cost Per Click）は、広告を1回クリックするたびに広告費用が発生します。広告が表示されてもクリックされなければ費用がかかりません。Instagram広告においては、コンバージョンのカタログ販売やアプリのインストールなどで使われるシステムです。

CPI

CPI（Cost Per Install）は、広告に出したアプリがインストールされるたびに費用が発生するシステムです。数あるInstagram広告のシステムの中で、CPIの単価が最も高額ですが、インストールされないと費用がかからないので、広告費用対効果が高いと考えられています。

ThruPlay（スループレイ）

ThruPlayとは、動画の広告が1回再生されるたびに広告費用が発生します。動画の長さによって費用発生方法が異なります。15秒未満の広告は97％以上閲覧された場合に、15秒以上の広告は15秒以上視聴された場合に費用がかかります。

Instagram広告の活用例

Instagram広告は、写真や動画などのビジュアルに訴えかける広告なので、一般的にはデザインが重要な商品やサービスの広告を出稿するのに向いています。1人ひとりのユーザー向けの広告に加えて、BtoB企業でもInstagram広告を利用する例が増加しています。ここではInstagram広告の活用例について解説します。

Instagram広告が向いている職種

Instagram広告は、BtoC企業としてデザイン性のあるアイテムを紹介する企業に効果的に利用されています。例えば、コスメ販売、家具販売、洋服販売、バッグなどの小物販売、旅行関連施設・サービス、書籍や映画などのサブスクリプションなどがあげられます。

BtoB企業ではセミナー告知やホワイトペーパーの広告活用が多い

BtoB企業でのInstagram広告活用例では、企業向けのセミナー告知やホワイトペーパーの広告として使われている場合が多いです。目的としては、企業の認知度を高めて、潜在層へアプローチすることでニーズの拡大を主に目指しています。

Instagram広告の種類

Instagram広告の種類は主に9種類あります。ここでは広告の種類を紹介し、それぞれの特徴について紹介します。

動画広告

動画広告は、映像や音声、動きで宣伝することでユーザーの目にとまりやすい広告方法です。一目見てイメージが湧きやすいので、企業の認知度を上げるのに役立ちます。動画広告の視聴しやすい方をターゲティングすることもできます。動画の時間は主に15～60秒と短時間にした方がユーザーに届きやすいです。

写真広告

写真広告は、Instagramのユーザーのタイムラインに表示される、シンプルで最もよく使われる広告手段です。写真は正方形、横型で使われるのでユーザーにストレスなく届きやすいです。商品広告写真の下には詳細表示させるためなどのボタンを表示させられるので、ユーザーがタップしたくなるような写真を掲載するのが重要です。

カルーセル広告

カルーセル広告は、何個かの動画・写真やリンクを設定できる広告方法です。AIがパフォーマンスの良いコンテンツを自動的に選択して最初に表示することで広告を最適化します。何個かの商品・サービスを一度に紹介できるので、日用品や洋服などの様々なアイテムを紹介したい場合に利用されます。

ストーリーズ広告

ストーリーズ広告は、Instagram特有の広告方法です。縦型の画面にフルスクリーンで宣伝できます。臨場感がありダイナミックな広告となるため、ユーザーが集中しやすいという特徴があります。広告は、投稿したストーリーズの間に15秒以下の動画広告が表示されます。

コレクション広告

スマートフォンなどのモバイルで、商品・サービスを見つけてから購入するまでをスムーズに誘導する広告方法です。コレクション広告では、メインの画像か動画に加えて、4枚の画像を組みあわせて宣伝します。メインのコンテンツでユーザーの興味をひいて、タップされると最大50個もの商品を紹介できるページに変わります。ここで商品をタップすれば企業の購入サイトに移動して実際に購入可能です。数多くの商品を紹介できるので、洋服やアクセサリーなどのアイテムを宣伝するのに向いています。

ショッピング広告

ショッピング広告とは、Instagram広告から商品・サービスの紹介ページに直接移動できる方法です。広告にある商品タグをタップすればそのまま商品を購入できるサイトに移動するので、ユーザーの購買意欲が落ちにくいという特徴があります。

アンケート広告

アンケート広告とは、Instagramのユーザーに対して2択などの選択肢を用意してユーザーとコミュニケーションを取る方法です。ユーザーが興味を持つサービスや機能を調査できる、ブランドの認知度が向上する、ユーザーの目にとまりやすい、などの特徴があります。

ブランドコンテンツ広告

ブランドコンテンツ広告は、Instagram広告をインスタグラマーの投稿として流せる方法です。インスタグラマーのフォロワーに宣伝が届きやすく、新規顧客を獲得しやすいという特徴があります。配信する広告のイメージにあったインスタグラマーとコラボレーションできる場合に活用できます。

発見タブ広告

発見タブ広告では、発見タブでInstagramの投稿を見ているユーザーの興味対象にあわせて広告を流せます。ユーザーは自発的に発見タブで欲しい情報をリサーチしているので、珍しい広告であればユーザーに届きやすいです。

発見タブ内の投稿をタップして投稿内容をチェックしている際に、投稿と投稿の間で広告が流れるので、ユーザーの目にとまりやすいです。目新しい広告を出稿する際に効果的な方法です。

Instagram広告出稿手順 5つのSTEP

Instagram広告を実際に出稿するには5つのSTEPが必要です。ここでは広告の準備から出稿するまでの手順について解説します。

①FacebookとInstagramのアカウントの連携

まずはFacebookとInstagramのアカウントとの紐づけが必要です。両方とも同じ広告管理画面を使うからです。Facebookのアカウントがない場合は、まずは作成してからInstagramのアカウントにログインし、プロアカウントに切り替えてFacebookページとリンクさせてください。

②広告キャンペーンを作成する

広告キャンペーンを作成するために、ビジネスマネージャーの画面を表示します。作成のアイコンをクリックして広告入稿のSTEPに進みます。

③広告の入稿

Instagramの広告を入稿するには、次の6STEPが必要です。

③-1キャンペーンの目的を選択

まずはキャンペーンの目的を選びます。マーケティングの目的によって次の11項目の中から選択してください。認知、検討、コンバージョンの3つのグループに分かれます。ブランドの認知度アップ、リーチ、トラフィック、エンゲージメント、アプリのインストール、動画の再生回数のアップ、リード獲得、メッセージ、コンバージョン、カタログ販売、来店数の増加、の中から1つを選びます。コンバージョンやトラフィックを選択する企業が多いです。

③-2ピクセルの作成と選択

ピクセルを作成し設定することで、ユーザーのアクションを分析でき、広告表示を最適化することができます。対象サイトにピクセルを設置してコンバージョンイベントに設定してください。

③-3予算と掲載期間を設定

次に広告費用の予算と掲載期間を決定します。予算には、1日の予算か、配信期間を通じての通算予算のどちらかを選択します。どちらを選んでも、設定した予算と掲載期間にあわせて広告が表示されます。

③-4オーディエンスを設定

広告のターゲットを設定します。どのようなユーザーに自社の広告を届けたいのかを決めます。国などの地域、年齢、性別などの基本的な設定から、興味対象、職業などの詳細な設定もできます。

③-5広告の掲載場所を指定

広告を掲載する場所を選択します。自動配置か手動配置かを選びますが、Facebookによる自動配置の方が効果的に宣伝できるという報告もあります。Instagramにのみ表示させたい場合は、手動配置を選んで、プラットフォームのInstagramにチェックを入れてください。

③-6広告クリエイティブを作成

広告のフォーマットを選びます。広告の目的にあわせて適切なフォーマットを選択してください。広告クリエイティブを設定し、プレビューモードで実際の広告表示をチェックすれば安心です。

④支払い設定

ビジネス設定画面に戻って、右側のメニューから「支払い」を選ぶと、広告費用の支払い方法を追加する画面が表示されます。支払い方法は、デビットカード、クレジットカード、PayPalの3種類です。

⑤広告を掲載

最後に、「確認して公開」を選べば広告が掲載されます。掲載される前にもう一度、広告内容、ターゲット、予算、リンク先などの確認をすれば安心して配信できます。

Instagram広告を活用する4つのメリット

Instagram広告には様々なメリットがあります。ここでは代表的な4つのメリットについて紹介します。

若年層ターゲットに最適

Instagramのユーザーは若者が多いです。多くの若者がテレビや新聞から情報を入手しなくなってきている中で、Instagram広告は若者に宣伝するのに有効な手段です。若年層をターゲットにする商品・サービスを宣伝する際に活用できます。

Facebookのユーザーデータが使える

Instagramは実名で登録するFacebookのユーザーデータとリンクしているため、Instagram広告ではFacebookのデータをそのまま活用できます。Facebook上で、いいねした人のアクションなどを追跡でき、より詳細なターゲティングも可能です。

多くのユーザーに訴求できる

Instagramのユーザーは年々増加しています。かつては若い女性がユーザーの大半を占めていましたが、少しずつ年齢層が高い方の利用者も増えています。Instagram広告は、ターゲットを絞りながらも、数多くのユーザーに広告を届けられるのが特徴の1つです。

ターゲティング精度が高い

Instagram広告のターゲティング精度は、Facebook広告のシステムと連携していることもあって非常に高いと言われています。他のSNSよりも精度の高いターゲティングを行うことで、費用対効果を高められます。

インスタ広告のオーディエンス設定とは

インスタ広告におけるターゲティングの設定方法は次の4つです。ここではそれぞれのターゲティングの特徴について紹介します。

利用者属性ターゲティング

利用者属性ターゲティングは、ユーザーの性別、言葉、地域、年齢、結婚、年収、学歴などの基本的な属性からターゲティングを行う方法です。Instagram広告では、ユーザーが自分自身で登録した情報や、連携されているFacebookの情報、フォローしているアカウントの情報などから属性を判断しています。

インタレストターゲティング

インタレストターゲティングとは、ユーザーがInstagramでいいね！を押した履歴やアクション履歴などから、ユーザーの行動パターンと興味対象についてターゲティングを行う方法です。

カスタムオーディエンス

カスタムオーディエンスでは、Facebookに連携しているユーザー情報や、自社にあるユーザー情報を利用してターゲティングを行います。自社サイトに登録されたメールアドレスや電話番号、来店情報などからターゲティングが可能です。

類似オーディエンス

類似オーディエンスは、カスタムオーディエンスに入っているユーザー情報と似ている利用者をターゲティングできます。もともと自社に興味を持っているユーザーと類似性が高いため、広告による成果が期待できます。どの程度の類似性があるユーザーをターゲティングするかも調整できます。

Instagram広告の効果測定で見るべき項目（表）

Instagram広告のコンテンツ制作時に効果改善が期待できる3つ方法

Instagram広告を配信しても成果が得られないケースがあります。そのような場合には、効果的なInstagram広告を作成する際に、次の3つのポイントに注意してください。

ターゲットは絞り込みすぎない

Instagram広告に対するターゲットを絞りすぎないことが重要です。ターゲットを絞り込みすぎると、広告が配信される回数が減ってしまうのと同時に、潜在的に新規顧客になる可能性がある層に宣伝が届きません。ある程度ターゲットを絞ることは大切ですが、絞りすぎて宣伝効果が薄れないように注意してください。

配信面・ターゲットに合わせたクリエイティブを作成する

Instagram広告を作成する際には、配信方法やターゲット層に届きやすくすることが大切です。目的に応じて広告の手法を設定し、デザインを工夫するようにしてください。広告の目的は顧客を獲得して企業の利益をあげることです。顧客に受け入れられやすい広告を制作するのが重要なポイントです。

広告ポリシーを必ず確認する

Instagram広告を制作する前に必ず広告のポリシーをチェックしてください。あらゆるInstagram広告は、広告ポリシーに沿っているかどうか審査されます。制限コンテンツや禁止コンテンツに当てはまる場合はそもそも広告を掲載できないケースがあるので注意が必要です。

まとめ：Instagram広告を活用し、勝ちパターンを見つけていく

Instagram広告は、Instagramのユーザーに対して効果的に宣伝できます。高精度のターゲティングが行え、目的に応じて適切な広告配信方法を選べ、低予算から利用できます。Instagram広告を活用するメリットとしては、若年層に最適、連携しているFacebookのユーザーデータを利用できること、多数のユーザーに広告配信できることなどが挙げられます。

Instagram広告を出稿するには、5つのSTEPが必要です。ターゲティングする際には、オーディエンスの設定にも注意が必要です。Instagram広告の効果判定をして、マーケティングの効果を高めていきましょう。

早坂遊羽

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株式会社koujitsu 取締役 COO

京都大学卒業後、大手SIerにてITコンサルタントとして従事。官公庁や大手民間企業のプロジェクトにおいてメンバーとして関わる中で、よりハンズオンの支援に携わりたいと考えるようになる。その後PRコンサルタント、事業会社広報、人材事業立ち上げを経てkoujitsuへ参画。現職ではマーケティング事業部を統括しながら、プレイヤーとしてクライアントのマーケティング戦略企画・実務運用にも携わっている。