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新規事業が失敗する原因と課題とは?成功へのポイントも解説

2025.02.21更新

新規事業の立ち上げは、多くの企業にとって成長のチャンスですが、その成功率は決して高くありません。市場の変化が激しい現代で、適切な戦略なしに参入すると、思わぬ失敗を招く可能性があります。 本記事では、新規事業が失敗しやすい […]

新規事業の立ち上げは、多くの企業にとって成長のチャンスですが、その成功率は決して高くありません。市場の変化が激しい現代で、適切な戦略なしに参入すると、思わぬ失敗を招く可能性があります。
本記事では、新規事業が失敗しやすい要因や陥りやすい課題、実際の企業の失敗事例を分析し、成功に導くためのポイントを解説します。事業のリスクを最小限に抑え、スムーズに成長させるためのヒントを学び、自社の新規事業に活かしてください。

新規事業が失敗しやすい要因とは?

Causes of new business failure

新規事業の成功率は決して高くありません。その多くが数年以内に撤退を余儀なくされるのが現実です。では、なぜ新規事業は失敗しやすいのでしょうか。主な要因を解説します。

事業運営に必要なノウハウの欠如

新規事業の立ち上げには、業界特有の知識や経営スキルが不可欠です。しかし、多くの企業は新たな分野へ参入する際に、十分な経験や専門知識を持たないままスタートしてしまいます。その結果、適切な経営戦略を立てることができず、事業が思うように進まなくなるケースが多々あります。
特に、マーケティングや販売戦略のノウハウが不足していると、顧客への適切なアプローチができず、期待した売上を上げることができません。また、資金繰りや組織マネジメントの知識が不足している場合、コスト管理が甘くなり、事業継続が難しくなる可能性もあります。
このように、ノウハウの欠如は新規事業の大きなリスクとなるため、事前に専門家の意見を取り入れたり、パートナーシップを活用したりすることが大切です。

市場の需要を正しく把握できていない

市場のニーズを的確に捉えることは、新規事業成功の秘訣となります。しかし、多くの企業は「これは売れるはずだ」という主観的な判断に頼りすぎ、市場調査を十分に行わずに事業を開始してしまいます。その結果、実際の需要とズレが生じ、思うように売上が伸びない事態に陥ります。
例えば、特定のターゲット層を想定して開発した商品が、実際にはニーズがなかったり、価格設定が適切でなかったりすることがあります。また、競合と差別化ができていないと、消費者に選ばれにくいでしょう。
市場の需要を正しく把握するためには、顧客インタビューやアンケート調査、テストマーケティングなどの手法を活用し、客観的なデータに基づいた意思決定を行うことが求められます。

競合とのバランスを考慮せずに市場参入した

新規事業を成功させるためには、競合分析が不可欠です。しかし、中には「独自性があれば競争は関係ない」と考え、競合の存在を軽視してしまう企業もあります。このような姿勢は大きな落とし穴となり、事業の存続を危うくする可能性があります。
競争の激しい市場に無計画に参入すると、すでに確立されたブランドやシェアを持つ企業に太刀打ちできず、価格競争に巻き込まれてしまいます。特に、大手企業がすでに圧倒的な影響力を持つ市場では、新規参入者が成功するためには強力な差別化戦略が必要になります。
一方、競合の少ない市場(ブルーオーシャン)を狙うことも一つの戦略ですが、その場合でも市場の成長性や収益性をしっかりと見極めることが不可欠です。競合の状況を正しく分析し、自社の強みを活かせるポジショニングを確立することが重要です。

以下は事業戦略についての関連記事です。参考にしてください。
失敗を避けるための事業戦略スキルとは
事業戦略スキルとは?必要な能力や立て方・フレームワークを解説!

新規事業開発で陥りやすい課題

New business problems

新規事業を成功させるには、戦略的な計画と的確な意思決定が不可欠です。しかし、多くの企業がいくつかの典型的な落とし穴に陥ります。ここでは、新規事業開発で特に注意すべき課題を解説します。

楽観的な見通しによるリスク軽視

新規事業を立ち上げる際、経営者や担当者はその事業に対して強い期待を抱くものです。しかし、その期待が過剰な楽観主義につながると、冷静なリスク評価ができなくなり、重大な問題を見逃すことがあります。
例えば、「市場の成長は確実だから、多少の失敗があっても大丈夫」と考えてしまうと、予想外の障害に直面したときに適切な対応ができず、事業が頓挫する可能性が高まります。また、売上予測を甘く見積もることで、資金繰りに行き詰まるケースも少なくありません。
現実的な視点を持つためには、客観的なデータに基づいた計画を立て、最悪のシナリオも想定したリスク管理を徹底することが必要です。リスクを適切に評価し、対応策を事前に準備しておくことで、事業の安定した運営が可能となります。

立ち上げメンバーの人数が多すぎる

新規事業を立ち上げる際には、適切なメンバー構成が大切になります。しかし、初期段階で過剰な人数を投入すると、意思決定のスピードが低下し、コミュニケーションコストが増加します。
多くの企業が「優秀な人材を集めれば成功する」と考えがちですが、実際には意見がまとまらず、方向性が定まらないケースが少なくありません。また、責任の所在が不明確になることで、チーム全体の機動力が損なわれる場合もあります。
成功する新規事業の多くは、少数精鋭のメンバーで立ち上げられています。意思決定を迅速に行えるよう、最初は小規模なチームで始め、事業の成長に応じて必要な人員を追加していく方が、効果的な運営が可能です。

ブルーオーシャンを求めすぎて現実的な市場を見失う

競争の激しい市場(レッドオーシャン)を避け、競合の少ないブルーオーシャンを狙うのは、戦略として理にかなっています。しかし、ブルーオーシャンを追求するあまり、市場の実態を見誤ることも少なくありません。
「まだ誰も手をつけていない市場だから成功するはずだ」と考えても、その市場に本当に需要があるのかを慎重に見極める必要があります。競合がいないのは、単に市場として成立していない可能性もあるためです。
また、新しい市場を開拓する場合、顧客に対して価値を正しく伝えるための教育コストがかかることも考慮しなければなりません。適切なマーケティング戦略を用意し、長期的な視点で市場を育てる計画が必要です。

以下、事業で失敗しやすい事例に関する記事です。ぜひ参考にしてください。
よくある失敗事例と詳しい原因はこちらから
事業が失敗する原因とは?よくある失敗パターンを企業事例とともに解説! | 株式会社koujitsu

実際の企業の失敗事例

新規事業の失敗は、多くの企業にとって避けられない課題です。以下に、具体的な失敗事例を紹介し、その要因を分析します。

アパレル製造小売業|株式会社ファーストリテイリング

ファーストリテイリングは、2002年に野菜販売事業「SKIP」に参入しました。同社は、アパレル事業で培った「良品質・低価格・効率的な流通」のビジネスモデルを生鮮野菜市場に応用しようと試みました。
しかし、事業開始から1年半で30億近くの赤字を出し、撤退を余儀なくされました。主な失敗要因は、農産物特有の供給の不安定さへの対応不足でした。天候や季節による収穫量の変動が大きい農産物では、アパレルのような計画的な在庫管理が困難でした。
さらに、「欲しい野菜が店頭にない」という顧客の不満が重なり、急速に信頼を失っていきました。アパレルでの成功体験が逆に仇となり、生鮮食品における顧客ニーズの本質的な理解が不足していた事例です。

コンビニ業界|株式会社セブン‐イレブン・ジャパン

2018年7月、セブンイレブン・ジャパンは、コンビニエンスストアの新たな可能性を探る試みとして、店内で100円から生ビールを提供する「ちょい生」サービスを発表しました。手軽な価格で生ビールを楽しめるという画期的な企画は、発表直後から大きな反響を呼びました。しかし、この企画は実施直前で突如中止となりました。表向きの理由は「想定を上回る反響」でしたが、実際には未成年者の飲酒や飲酒運転のリスクに対する社会的懸念が大きな要因でした。24時間営業のコンビニで安価なアルコールを提供することへの社会的責任の観点から、批判の声が相次ぎました。
この事例は、社会的影響力の大きい企業として、安全性や公共性への配慮が不可欠であることを示しています。

自動車製造業|rimOnO(リモノ)

リモノは2014年、高齢者の移動手段として画期的な布製2人乗り超小型EVの開発をスタートさせました。環境に優しく、軽量で扱いやすい布製車体は、2016年に試作品が完成し、大きな期待を集めました。
しかし、布製車体という前例のない構造は、既存の車両規格に適合せず、走行には自治体ごとの個別許可が必要になりました。量産化を目指す中で、各自治体への申請手続きやコストが大きな負担となり、事業の継続が困難に陥りました。
さらに、市場環境の変化も逆風となり、高齢者向けモビリティの分野では自動運転技術が注目を集め始め、布製EVという製品コンセプトと市場ニーズの間にギャップが生じていたのです。
この事例は、革新的な製品開発において、法規制の事前調査や市場動向の見極めが重要であることを示しています。

インターネットサービス|Google

Googleは次世代デバイスとしてスマートグラス「Google Glass」を発表し、AR(拡張現実)市場への参入を果たしました。メガネ型のウェアラブルデバイスという斬新なコンセプトは、発表当時、テクノロジーの未来形として世界中の注目を集めました。
しかし、実用化に向けて着用中の事故リスクや、内蔵カメラによるプライバシー侵害への懸念が指摘されました。さらに決定的だったのは、すでに普及していたスマートフォンで同様の機能が実現できるという現実でした。
最大の失敗要因は、製品の革新性と実用性のバランスが取れていなかった点です。既存のスマートフォンで代替可能な機能が多く、消費者にとって新たな出費を正当化できる決定的な理由が見つかりませんでした。

製造業|セブン・ドリマーズ・ラボラトリーズ株式会社

セブン・ドリマーズ・ラボラトリーズ株式会社は、世界初の全自動衣類折りたたみ機「laundroid(ランドロイド)」を開発しました。しかし、技術的な課題が原因で商品化が遅れ、資金繰りが悪化し、最終的に事業を停止しました。滑りやすい素材の衣類を正確に折りたたむことができないなど基本的な機能の欠陥でした。シルクやサテンといった滑らかな布地に対応できず、この問題を解決できないまま開発は行き詰まりました。この事例から、革新的な製品開発でも、技術的実現可能性とコスト管理、そして市場投入までのスピードが大切であることがわかります。

新規事業をスムーズに成長させるためのポイント6選

New business success

新規事業を成功させるためには、戦略的な計画と柔軟な対応が欠かせません。以下の6つのポイントを実践することで、事業の成長をスムーズに進めることができます。

1. 市場の仮説を明確にして実証を繰り返す

新規事業を開始する際、市場のニーズに合った商品やサービスを提供できるかどうかが成功のポイントとなります。しかし、多くの企業が自社の思い込みだけで市場に参入し、需要とズレた商品を提供してしまうことがあります。
この問題を防ぐためには、まず市場に関する仮説を立て、それを実証するプロセスが必要です。顧客の課題やニーズを明確にし、小規模なテストマーケティングを繰り返しながら、仮説が正しいかどうかを検証していきます。例えば、クラウドファンディングを活用して市場の反応を確かめたり、試作品を使ったユーザーテストを実施したりすることで、事業の成功率を高めることができます。

2. 迅速な意思決定を可能にする体制を整える

新規事業の成功にはスピードが求められます。市場環境の変化に対応し、競争優位性を確保するためには、意思決定のスピードを上げることが不可欠です。しかし、多くの企業では組織の階層が多すぎるため、肝心な決定を下すのに時間がかかってしまうことがあります。
意思決定のスピードを向上させるためには、フラットな組織構造を採用し、権限を現場レベルまで委譲することが効果的です。また、データドリブンな意思決定を取り入れることで、主観的な判断ではなく、客観的なデータに基づいた迅速な対応が可能になります。

3. 状況に応じて適切に資金を配分する

新規事業では、適切な資金配分が成功を左右します。初期投資をどの分野にどれだけ割り当てるかが、事業の成長スピードを決定するからです。しかし、多くの企業が一気に多額の資金を投入し、回収できずに失敗するケースも少なくありません。
資金を適切に配分するためには、まず事業の優先順位を明確にし、必要最小限の投資で効果を最大化する方法を検討することが必要です。例えば、マーケティング費用を最初から大きくかけるのではなく、まずは小規模な広告テストを実施し、効果が確認できた段階で本格的な投資を行うなどのアプローチが効果的です。

4. 専門家や業界経験者のアドバイスを活かす

新規事業の立ち上げでは、未知の領域に挑戦することが多いため、社内だけの知識では限界があります。そこで、外部の専門家や業界経験者のアドバイスを活用することが成功への近道となります。
例えば、コンサルタントや業界に詳しいアドバイザーと定期的にミーティングを行い、市場の動向や成功事例を学ぶことが効果的です。また、過去に類似の事業を経験した起業家や投資家の意見を取り入れることで、実践的な知見を得ることができます。

5. 組織の士気を高めて成果を最大化する

新規事業の成功には、チームのモチベーションが不可欠です。組織の士気が高いほど、社員の自主性や創造力が発揮され、事業の成長スピードが加速します。しかし、新規事業では試行錯誤が多く、成果がすぐに出ないため、モチベーションを維持するのが難しいこともあります。
組織の士気を高めるためには、明確なビジョンを持ち、それをチーム全体で共有することが欠かせません。また、成果に応じた報酬制度を導入したり、成功事例を積極的に評価したりすることで、社員がやりがいを感じられる環境を整えることも効果的です。

6. 戦略を明確に伝えるために、ビジュアル化を活用する

新規事業では、関係者全員が共通の認識を持つことが不可欠です。しかし、言葉だけで戦略やビジョンを伝えるのは難しく、誤解や認識のズレが生じることもあります。
そこで、戦略や目標を明確にするために、ビジュアルツールを活用することが効果的です。例えば、フローチャートやマインドマップを使って事業の方向性を視覚的に整理したり、プレゼン資料やインフォグラフィックスを用いて情報を分かりやすく伝えたりすることで、関係者の理解を深めることができます。

まとめ

新規事業の成功には、市場調査の徹底、迅速な意思決定、適切な資金配分が不可欠です。過去の失敗事例からも、事前準備の不足や市場の需要を正しく把握できていないことが、大きなリスクになると分かります。
また、専門家の知見を活用し、組織の士気を高めることで、事業の成長スピードを加速させることが可能です。さらに、戦略をビジュアル化し、関係者と共通認識を持つことも成功のポイントとなります。
これらのポイントを実践しリスクを最小限に抑えながら、成長戦略を練ることで、新規事業を持続的に発展させることができるでしょう。

早坂遊羽

株式会社koujitsu 取締役 COO


京都大学卒業後、大手SIerにてITコンサルタントとして従事。官公庁や大手民間企業のプロジェクトにおいてメンバーとして関わる中で、よりハンズオンの支援に携わりたいと考えるようになる。その後PRコンサルタント、事業会社広報、人材事業立ち上げを経てkoujitsuへ参画。現職ではマーケティング事業部を統括しながら、プレイヤーとしてクライアントのマーケティング戦略企画・実務運用にも携わっている。

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