自社の商品やサービスをWebで紹介するために、ホワイトペーパーを使用する企業は増えています。 ホワイトペーパーを使用することによって、リード獲得や見込み客の育成ができるためです。 しかし「ホワイトペーパーを […]
自社の商品やサービスをWebで紹介するために、ホワイトペーパーを使用する企業は増えています。
ホワイトペーパーを使用することによって、リード獲得や見込み客の育成ができるためです。
しかし「ホワイトペーパーをどうやって作ればいいか分からない」「どんな構成であれば作りやすいのかが不明」など、ホワイトペーパーの作り方に悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
ホワイトペーパーは手順と構成を理解してしまえば比較的簡単に作成することができます。
この記事ではホワイトペーパーの概要や活用方法から作り方の手順まで徹底解説していきます。
これから初めてホワイトペーパーを作成するという方は、ぜひ最後までご覧ください。
ホワイトペーパーとは
ホワイトペーパーとは「企業の商品やサービスに関する、さまざまな情報・お役立ち情報・ノウハウを集めたレポート」を指します。
元々は政府が発行している「経済白書」のような「白書」を指す言葉です。
しかし、この20年ほどでビジネス領域で使われるようになり、今やマーケティングにおいて必須と言ってもよいコンテンツになりました。
ホワイトペーパーを配信する3つの目的
ホワイトペーパーを配信する主な目的は次の3つです。
- リード獲得
- ナーチャリング
- 受注確度アップ
すぐに売上につながるだけでなく、将来的な見込み客まで育成できるのがホワイトペーパーを作成するメリットです。
リード獲得
ホワイトペーパーをWeb上に公開し、メールアドレスやプロフィールなど、自社が必要とする情報を入力してもらうことでリード情報を得ることができます。
リードとは見込み客のことで、リード情報を得ることによってよりターゲットを絞ったメーケティングができるようになります。
ナーチャリング(見込み顧客育成)
企業がリードを獲得して、見込み客がホワイトペーパーによってより商品やサービスを知ることによって、当該商品の購買意欲が高まります。
さらに、メールマガジンの配信などによって、より強く購買に向けたアピールができるようになります。
受注確度アップ
ホワイトペーパーを作成しておけば、顧客との面談などの際に営業ツールとしても活用できます。
詳細な商品・サービス情報が明記されているのでより受注確度を高めることができます。
ホワイトペーパーの活用方法は?
ホワイトペーパーは次の3つの方法で活用できます。
- 自社Webサイトに掲載
- 他媒体への掲載
- 営業資料として
自社のサイトや資料としてだけでなく、他社の媒体にも掲載される可能性もあります。
ホワイトペーパーの3つの活用方法について詳しく解説していきます。
自社Webサイトに掲載
自社のWebサイトに掲載すれば、広告費はかかりませんし、タイムリーにホワイトペーパーの掲載ができます。
しかし、ダウンロード数を増やすためには、SEO対策やSNSでの発信などの対策が欠かせません。
他媒体への掲載
コンテンツ掲載を行っている媒体へ掲載をする方法です。
掲載料はかかりますが、アクセス数が多いため、自社のWebサイトに掲載するよりもダウンロード数は伸びる可能性があります。
広告費との費用対効果を勘案して掲載の是非を検討しましょう。
営業資料として
ホワイトペーパーは顧客との面談や、展示会などでの営業用の資料としても大いに活用できます。
ホワイトペーパーは顧客目線で商品やサービスがどのように活用できるのかを説明する資料ですので、顧客はこのような資料を求めています。
ホワイトペーパーがあることによって営業効率を高めることができるでしょう。
ホワイトペーパーの種類
ホワイトペーパーには次の5つの種類があります。
- 課題解決型
- 事例紹介型
- レポート型
- セミナー資料型
- ノウハウ型
それぞれの形態の特徴について詳しく解説していきます。
課題解決型
課題解決型のホワイトペーパーは「課題を取り上げる」→「課題を分析する」「自社の製品によるソリューションを提案」という流れで自社の製品を紹介します。
「この商品を購入すれば、こんな風に課題が解決できるんだ」と顧客に納得させられる効果があります。
事例紹介型
事例紹介型とは、自社のソリューションがどんな問題を解決できたのかの事例を紹介する形式です。
リードの中には具体的な課題解決事例を望む人も多いので、課題解決型とともに事例紹介型のホワイトペーパーを作成しておくことで、併せてダウンロードしてもらえることもあります。
レポート型
レポート型とは、公的機関や業界団体が発表している調査研究や自社のアンケート調査の内容を要約して紹介する方法です。
自社のソリューションの正当性を客観的に裏付ける効果があるのでホワイトペーパーに説得力を持たせることができます。
セミナー資料型
自社で開催したセミナーの資料を一般向けに修正したホワイトペーパーです。
セミナーに参加できなかった人や、再度ソリューションの内容を確認したい人などの参考になります。
ノウハウ型
企業が得たノウハウを紹介するホワイトペーパーです。
自社製品やサービスを紹介するのではなく、あくまでも自社が得たノウハウによって顧客の悩みを解決する形式であることが重要です。
その解決手段の1つとして、自社のソリューションがあるという程度に紹介することによって信頼感を得て、ダウンロードが増えてその先の商談に繋がりやすくなります。
ホワイトペーパーの作り方や構成、手順【8ステップ】
ホワイトペーパーの作り方や構成の手順は基本的に8つのステップを順番に実行していくだけです。
事前準備と実践に分けて、それぞれのステップについて解説していきます。
【事前準備編】ホワイトペーパーの作り方と構成
事前準備では実際にホワイトペーパーを作る前に以下のことを決定します。
①ターゲットを決める
②テーマを決める
③全体の流れを決める
④ボリュームを決める
それぞれ、具体的にどんな準備をすべきか詳しく解説していきます。
①ターゲットを決める
氏名 | 鈴木太郎 |
年齢 | 31歳 |
性別 | 男性 |
住まい | 板橋区 |
職業 | メーカーのマーケティング部 |
家族構成 | 妻と子供(2歳)の3人 |
趣味 | ゴルフ |
興味関心 | 起業 |
まず、ホワイトペーパーを作る前には「誰が読者となるのか」のターゲットを明確に絞る必要があります。
ターゲットが初心者であれば、「入門ガイド」のようなホワイトペーパーが適していますし、ターゲットがすでにその商品を利用している人であれば「課題解決型」などで、これまでの商品が抱えている課題を解決できるというより具体的なアプローチができます。
まずは上記のような表を作成し、ターゲットの人物像である「ペルソナ」を設定しましょう。
ペルソナを具体的に設定することで、ペルソナが抱える課題や解決したい目標が明確になるので、より具体的な提案ができるようになります。
②テーマを決める
ホワイトペーパーを読むことによって解決できる課題をもとにテーマを決めます。
例えば、法改正に対応しなければならないのであれば、「法改正によって起こる問題点と当社が提案するソリューション」というテーマを設定できます。
より具体的なテーマを設定することによって、見込み顧客と企業や商品の関係性はより深いものになっていきます。
③全体の流れを決める
次にホワイトペーパーの全体の流れを設定します。
全体の流れとは構成のようなもので、具体的には次のようなものです。
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問題を提起してソリューションを提示することによって、読者は「自分が抱える問題を解決するためにはこんな方法があるんだ」という納得感を感じ、企業や商品との関係が深くなります。
そして、ソリューションを提示した後に自社の商品やサービスを提示することによって、見込み客の購買意欲が高まるようになります。
見込み客が読むことによって、課題を抱えてから解決できるまでのストーリーを体験できるようなホワイトペーパーを作成しましょう。
④ボリュームを決める
どのくらいの分量にするのかというボリュームを決定します。
あまりにも量が多いと読者が自社製品に辿り着くまでにホワイトペーパーから離脱してしまう可能性がありますし、情報量が少なすぎると説得力がありません。
全体の流れや目次や導入部分から、読者が「この資料を読めば、自分にとって有益な情報が記載されていそう」と判断できる適切なボリュームを設定しましょう。
【実践編】ホワイトペーパーの作り方と構成
事前の準備が終わったら次のような流れでホワイトペーパーを作成していきます。
①興味を引くタイトルにする
②結論を先に明示する
③ビジュアルとテキストのバランスを意識したデザイン
④専門用語に注意する
タイトルの作り方やデザイン、文章作成時の注意点などとともに詳しく解説していきます。
①興味を引くタイトルにする
まずはタイトルを作成します。
タイトルを読んだだけで読者が「読んでみたい」と思えるようなものでなければなりません。
興味をひくタイトルを作成するポイントは次の通りです。
- ターゲットを明確に
- 問題を解決している状態+提携分
- 数字を使用する
誰に向けたホワイトペーパーなのかを意識し、そのペルソナが解決したい課題を考えます。
例えば、「売掛金管理が大変で解決したい」と考えている経理担当部署向けであれば「督促業務が不要になる」という文言が「問題を解決している状態」です。
定型文とは次のような文章です。
「〜の方法」「〜マニュアル」「〜ポイント」「〜の仕方」
ここに数字を組み合わせると、「督促業務が不要になる5つの方法」となります。
このように、ペルソナが「この資料を読めば抱えている問題を解決できる」と考えられるような興味を引くタイトルを作成しましょう。
②結論を先に明示する
文章は常に結論ファーストで作成するようにしてください。
起承転結を意識した文章であれば、読者が離脱してしまいます。
ホワイトペーパーの文章はPREP法で作成するのがポイントです。
P=Point(結論)
R=Reason(理由)
E= Example(例)
P=Point(結論)
最初に結論をのべ、その結論になる理由を説明し、事例を紹介し、最後にもう1度結論を述べると、読者にとって分かりやすく説得力のある文章になるので、意識してください。
③ビジュアルとテキストのバランスを意識したデザイン
文章ばかりではぱっと見で読者が読む気をなくしてしまいます。
そのため、イラストや写真と文章のバランスを意識してください。
できる限り説明は文章だけでするのではなく、インフォグラフィックスなどのイラストや図で説明するようにしましょう。
また、色は3色〜4色程度に収まる方が見やすくなります。
見えやすい資料には「近接・反復・整列・コントラスト」の「デザインの基本4原則」が使われています。
「近接・反復・整列・コントラスト」を意識するだけで、簡単に読みやすい資料を作成できるので、「デザインの基本4原則」を意識して作成しましょう。
④専門用語に注意する
専門用語をできる限り使わないことも重要です。
理解不能な言葉が出てきた時点で、読者は「難しい」と判断して離脱してしまう可能性があります。
誰が読んでも理解できる内容であることを心がけ、専門用語は使わないように意識してください。
ホワイトペーパーの制作のコツと注意点
こちらではホワイトペーパーを制作する際に注意すべき3つの点について解説します。
ポイントを詳しく見ていきましょう。
- 根拠となる数値データを利用
- 効果測定・アップデートを行う
- 広くニーズがあるテーマで作成する
それぞれの注意ポイントを詳しく見ていきましょう。
根拠となる数値データを利用
主張や説明の裏付けとなる数値データを使用しましょう。
公的機関の調査や自社で実施したアンケート結果など、数字を掲載することでホワイトペーパーの信用が飛躍的に高まります。
誰が読んでも分かりやすいものであるとともに、客観的な根拠があることが重要です。
主張には数字的な根拠を使用することを徹底してください。
効果測定・アップデートを行う
公開したホワイトペーパーに対して効果測定を行いましょう。
アプローチ数、ダウンロード数、コンバージョン数を調べます。
例えばダウンロードが多いのにコンバージョンが低いのであれば、ホワイトペーパーにおいて自社の商品のアピールが弱い可能性があります。
より、コンバージョンへつながるようにアップデートや改善を行いましょう。
広くニーズがあるテーマで作成する
より多くの人にホワイトペーパーを見てもらうため、ニーズのあるテーマを設定してください。
ホワイトペーパーは自社や商品・サービスと見込み客との距離を縮めるためにあるものです。
テーマが狭いものであれば多くの人に共感を得ることはできません。
できる限りニーズの高いテーマで作成することを意識してください。
ホワイトペーパーを活用している事例
ホワイトペーパーを活用している企業で有名なのは「GMOリサーチ株式会社」と「株式会社マイナビ」です。
どんなホワイトペーパーを作成しているのか、具体的に見ていきましょう。
GMOリサーチ株式会社
GMOリサーチは他社と比較してダウンロードコンテンツが少ないという課題を抱えていました。
そこで、以下のように非常に充実したダウンロードコンテンツを用意しました。
- フルサービス 実施前のセルフチェックリスト
- パネルリクルート 実施前のセルフチェックリスト
- インタビュー 実施前のセルフチェックリスト
- ネットリサーチよくある調査調査事例集
- 小売業界向け販売チャネルの最適化
- 役に立つネットリサーチ活用法とは?
- マーケティングとブランディングって何が違う?
- 企業のマーケティング活動に活かすデータ
- オウンドメディアのコンテンツ活用術
- 提案資料の作成にリサーチを活用しよう
- アンケートなどを用いたWebサイト改善
- 中小企業向け ネットリサーチ活用ガイド
- 信頼性の高いネットリサーチ会社選定のポイント
- ネットリサーチで気を付けるべき3つのポイント
- SEO効果を加速させるPR戦略の活用法
- 商品開発で重要な市場分析とその方法
- LPの効果向上に必要な要素と+αのコンテンツ
- 集計業務を簡略化させるツール活用のポイント
株式会社マイナビ
マイナビは運営しているITニュースサイト「TECH+」でホワイトペーパーを公開しています。
インタビューやアンケート調査結果を活かしたホワイトペーパーとなっており、無料提供することによって見込み客や新規顧客の獲得に奏功しています。
マーケティングにおけるホワイトペーパーの活用方法
マーケティングにおいてもホワイトペーパーは活用できます。
MAツールを活用してホワイトペーパーがどのようにマーケティングに活用できるのか詳しく解説していきます。
MAツールを活用したホワイトペーパーマーケティング
MAツールとはマーケティングオートメーションツールの略称で、マーケティング活動を可視化し自動化できるツールのことです。
MAツールを活用すれば、「誰が」「どの資料をダウンロードしたか」「ダウンロード前にはどんなページを見ていたか」が簡単に可視化できます。
これによって、自社のリードを簡単に把握できるので、より精度の高いマーケティングをしたり、ホワイトペーパーのアップデートができるようになります。
ホワイトペーパーは営業戦略とセットで計画する
ホワイトペーパーは営業戦略とセットで計画するようにしてください。
顧客との面談の場面にホワイトペーパーが使用されることがよくあります。
この際に営業担当者が顧客に対して説明しにくいようなホワイトペーパーでは活用できないためです。
必ず営業担当者とともに作成し、営業ツールとしても活用しましょう。
ホワイトペーパー作成だけでなく、施策全体の最適化を!
ホワイトペーパーを作成することで、リードの獲得や見込み客の育成に繋がります。
しかしホワイトペーパーを作成することはあくまで手段の一つです。
その他のアフターフォローやナーチャリングを進めることも非常に重要です。
そのためホワイトペーパーの作成と並行して「ツールやシステムの導入」「現実的な指標・KPIの設定」などの施策も合わせて最適化していくことが成果に繋がります。
まずは企業の目的を設定し、目的を達成するためのフローを明確にすることが重要です。
ホワイトペーパーは企業の目的達成のフローとして上手く機能するものを作成しましょう。