ソーシャルメディアを活かすコンテンツマーケティングとは?違い・役割分担・進め方を解説
コンテンツマーケティングに取り組んでいると、「記事は増えてきたが、読まれる範囲が広がらない」「SNSの投稿とWebサイトの記事がばらばらに動いている」といった悩みが出てきます。作ったコンテンツを届ける場と、顧客の声が集まる場を一緒に設計できていないことが、原因の一つです。
ソーシャルメディアは、SNSだけを指す言葉ではありません。ブログ、動画共有サイト、口コミ・レビューサイト、オンラインコミュニティなど、利用者が情報を発信し、共有し合う場の総称です。コンテンツマーケティングとソーシャルメディアの関係を整理すると、「何を作るか」と「どう届き、どう広がるか」を一つの流れで考えられるようになります。
この記事では、ソーシャルメディアの範囲とコンテンツマーケティングとの関係、ソーシャルメディアマーケティングとの違い、オウンド・アーンド・シェアードの役割分担、拡散やUGCの考え方、炎上を防ぐ運用ルール、成果の測り方までを順に解説します。
| 確認したい ポイント |
結論 | 詳細 |
| ソーシャルメディアマーケティングとの違いは? | 作るのが前者、届けて広げるのが後者 | コンテンツマーケティングは顧客に役立つ情報を作って関係を築く活動で、ソーシャルメディアマーケティングはそれを届け、対話し、広げる活動です。 |
| メディアごとの役割分担は? | オウンドで蓄積、シェアードで拡散 | 自社サイトに情報を蓄積し、ソーシャルメディアで接点を広げ、口コミや第三者の言及で信頼を得るという流れで役割を分けます。 |
| 成果はどう測ればよい? | 目的別の指標を段階ごとに追う | 認知・関与・送客・成果の段階ごとに指標を決め、ソーシャルメディアからの流入が問い合わせや購入にどうつながったかを見ます。 |
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無料で相談するソーシャルメディアとは?コンテンツマーケティングとの関係

ソーシャルメディアとは、利用者が自ら情報を発信し、ほかの利用者と共有したり反応し合ったりできるオンライン上のメディアの総称です。企業が一方的に情報を届けるマスメディアとは異なり、受け手が同時に発信者にもなる点が最大の特徴です。
コンテンツマーケティングとの関係を考える前に、まずソーシャルメディアがどこまでを含むのかを確認しておきます。範囲を狭くとらえると、施策の選択肢も狭くなってしまうためです。
ソーシャルメディアに含まれるもの
ソーシャルメディアには、いわゆるSNSのほかに、ブログやブログサービス、動画共有サイト、口コミ・レビューサイト、Q&Aサイト、掲示板、オンラインコミュニティなどが含まれます。どれも、利用者が書いたり投稿したりした内容が、ほかの利用者の目に触れて広がっていく仕組みを持っています。
企業にとって大切なのは、自社が運用しているアカウントだけがソーシャルメディアではないという点です。顧客が商品について書いたレビューや、業界の人がコミュニティで交わしている会話も、購買の判断に影響するソーシャルメディア上の情報です。
SNSとソーシャルメディアの違い
SNSは、利用者同士のつながり(ソーシャルネットワーク)を軸にしたサービスを指します。ソーシャルメディアはそれを含むより広い概念で、つながりがなくても誰かの投稿が検索や共有を通じて読まれる場も対象になります。
たとえば、レビューサイトの投稿者と読み手は互いを知りませんが、読み手は投稿を参考に商品を選びます。SNSの運用だけに目を向けると、こうした「顧客同士の情報のやり取り」が視野から外れやすいため、ソーシャルメディア全体で考えることに意味があります。
コンテンツマーケティングにおけるソーシャルメディアの位置づけ
コンテンツマーケティングは、顧客の課題解決に役立つ情報を継続して届け、信頼を築いて購買や問い合わせにつなげる手法です。この中でソーシャルメディアは、コンテンツを届ける「流通経路」であり、顧客の反応を受け取る「対話の場」であり、ときにはコンテンツそのものにもなります。
自社サイトの記事を公開しただけでは、検索で見つけてもらえるまで時間がかかります。ソーシャルメディアで紹介すれば、まだ自社を知らない人にも届けられますし、反応を見て次の企画のヒントを得ることもできます。
利用者の数という点でも、ソーシャルメディアは無視できない存在です。総務省の令和7年版 情報通信白書によると、10代から60代のLINE利用率は2024年に94.9%に達し、XやInstagramも全体の半数程度が利用しているとされています。顧客が日常的に情報に触れる場である以上、コンテンツの届け方を考えるうえで欠かせません。
コンテンツマーケティングとソーシャルメディアマーケティングの違い

コンテンツマーケティングとソーシャルメディアマーケティングは、重なる部分が多いため混同されがちです。両者の違いを一言でいえば、コンテンツマーケティングは「顧客に役立つ情報を作り、関係を築く活動」、ソーシャルメディアマーケティングは「ソーシャルメディア上で情報を届け、対話し、広げる活動」です。
どちらが優れているという話ではなく、目的と得意分野が違います。違いを理解したうえで役割を分けると、施策同士が噛み合いやすくなります。
目的と時間軸の違い
コンテンツマーケティングの目的は、見込み顧客の獲得や育成、信頼の構築です。記事や資料、事例などを積み上げ、時間をかけて顧客との関係を深めていくため、成果が出るまでに一定の期間がかかります。
ソーシャルメディアマーケティングは、認知の拡大や話題づくり、顧客との日常的な接点の維持を得意とします。投稿への反応は比較的早く表れますが、情報が流れていきやすく、個々の投稿が長く読まれ続けることは多くありません。
扱う情報の性質の違い
コンテンツマーケティングで中心になるのは、顧客の疑問に体系的に答える情報です。業界の基礎知識、課題の解決方法、比較検討の材料、導入事例など、読み手が時間をかけて読み込むことを前提にした情報が多くなります。
ソーシャルメディア上では、短く、すぐに理解でき、共有したくなる情報が好まれます。同じテーマでも、長く詳しい情報は自社サイトに、要点や切り口はソーシャルメディアにと、性質に合わせて形を変えるのが基本です。
両者を組み合わせると何が起きるか
コンテンツマーケティングだけでは、良い記事を作っても読まれるまでに時間がかかります。ソーシャルメディアマーケティングだけでは、話題にはなっても、関心を持った人が深く知るための受け皿がありません。
両者を組み合わせると、ソーシャルメディアで関心を持った人を自社サイトの詳しいコンテンツに案内し、そこで信頼を得て問い合わせや購入につなげる流れが作れます。「深い情報の蓄積」と「広く届ける仕組み」を一体で設計することが、組み合わせる意味です。コンテンツマーケティングそのものの考え方は、コンテンツマーケティングの戦略立案と評価の手順を解説した記事も参考にしてください。
オウンド・アーンド・シェアードで考える役割分担

ソーシャルメディアを含めた情報発信を整理するときに役立つのが、メディアを性質で分ける考え方です。よく知られているのは、オウンドメディア、ペイドメディア、アーンドメディアの3つに分ける「トリプルメディア」で、これにシェアードメディアを加えた「PESOモデル」という整理もあります。
コンテンツマーケティングでは、広告であるペイドメディアを除いた3つの関係が特に重要です。どのメディアで何を担うかを決めておくと、同じ内容を何度も作り直す手間が減り、発信に一貫性が生まれます。
オウンドメディア:情報を蓄積する拠点
オウンドメディアは、自社サイトやコラム、ブログ、メールマガジンなど、自社が所有して自由に運用できるメディアです。発信内容や見せ方を自社で決められ、作ったコンテンツが資産として残ります。
コンテンツマーケティングの中心は、多くの場合このオウンドメディアです。ソーシャルメディアで関心を持った人が最終的に訪れる「受け皿」として、詳しく信頼できる情報を置いておく役割を担います。オウンドメディアの立ち上げや運用の進め方は、BtoBにおけるオウンドメディアの役割と運用方法を解説した記事で詳しく紹介しています。
シェアードメディア:接点を広げる場
シェアードメディアは、SNSや動画共有サイトなど、企業がアカウントを持って発信しつつ、利用者の共有や反応によって情報が広がるメディアです。企業アカウントの投稿は自社で管理できますが、どう広がるかは利用者の行動に左右されます。
役割は、まだ自社を知らない人との接点を作り、日常的なやり取りを通じて関係を保つことです。オウンドメディアのコンテンツを紹介する入口であると同時に、顧客の反応や疑問を集める場でもあります。
アーンドメディア:信頼を得る場
アーンドメディアは、口コミ、レビュー、メディアでの紹介、第三者による言及など、自社がコントロールできない外部からの評価や発信です。企業自身の発信よりも客観的な情報として受け取られやすく、購買の判断に影響しやすい特徴があります。
ソーシャルメディア上のレビューやコミュニティでの評判は、このアーンドメディアにあたります。良いコンテンツと誠実な対応を続けた結果として生まれるものであり、直接作り出すことはできませんが、生まれやすい状況を整えることはできます。
3つのメディアをつなぐ流れ
3つのメディアは、それぞれ単独で動かすより、流れとしてつなげると効果が高まります。たとえば、オウンドメディアで調査記事を公開し、シェアードメディアで要点を紹介し、それを見た業界関係者が言及することでアーンドメディアに広がる、という流れです。
広がった先で寄せられた質問や感想は、次のコンテンツの材料になります。蓄積・拡散・評価が循環する仕組みを作ることが、ソーシャルメディアを活かしたコンテンツマーケティングの土台です。
ソーシャルメディアを活かすメリット

コンテンツマーケティングにソーシャルメディアを組み合わせると、検索だけに頼った場合には得にくい効果が期待できます。ここでは代表的なメリットを3つ紹介します。
どのメリットも、ソーシャルメディアを単なる告知の場として使うだけでは得られません。コンテンツの企画段階からソーシャルメディアでの届き方や反応を想定しておくことが前提になります。
検索以外の経路で見込み顧客に届く
検索からの流入は、顧客がすでに課題を自覚し、言葉にして調べている段階でなければ発生しません。ソーシャルメディアでは、課題をまだはっきり意識していない人にも、タイムラインやおすすめ機能を通じて情報が届きます。
これにより、検索される前の段階から自社を知ってもらい、後で検索したときに思い出してもらえる関係を作れます。新しいテーマで記事を公開した直後など、検索結果で上位に表示されるまで時間がかかる期間の流入を補う役割もあります。
顧客の声から企画のヒントが得られる
ソーシャルメディアには、顧客が日々感じている悩みや疑問、商品への感想がそのまま投稿されています。投稿へのコメントや共有のされ方を見ると、どの切り口が関心を集めるのかも分かります。
こうした声は、アンケートでは拾いきれない率直な意見であることが少なくありません。反応が良かった投稿のテーマを詳しい記事や資料に発展させると、需要が確かめられたテーマでコンテンツを作れるため、企画の精度が上がります。
第三者の発信で信頼が積み上がる
企業が自ら「良い商品です」と伝えるよりも、実際に使った人のレビューや、業界の専門家による紹介のほうが信頼されやすいのは自然なことです。ソーシャルメディアは、こうした第三者の発信が生まれ、広がる場でもあります。
役に立つコンテンツは、読んだ人が「参考になった」と共有してくれることがあります。共有や言及が重なるほど、自社の専門性が第三者を通じて伝わるようになり、広告とは異なる形で信頼が積み上がっていきます。
ソーシャルメディアを活かしたコンテンツマーケティングの進め方

ソーシャルメディアを活かすには、アカウントを作って投稿を始める前に、全体の設計を固めることが大切です。ここでは、コンテンツマーケティングの流れの中にソーシャルメディアを組み込む進め方を5つの段階で紹介します。
順番どおりに進めることで、「投稿はしているが何のためか分からない」という状態を避けられます。最初の2段階に時間をかけるほど、後の運用で迷う場面が少なくなります。
目的と対象顧客を決める
最初に、ソーシャルメディアを使って何を達成したいのかを決めます。認知の拡大、自社サイトへの送客、見込み顧客の獲得、既存顧客との関係強化など、目的によって選ぶメディアも発信内容も変わります。
あわせて、届けたい顧客像を具体的にします。どんな立場の人が、どんな悩みを持ち、どのソーシャルメディアで情報を集めているのかを整理しておくと、どこに力を入れるべきかが見えてきます。
顧客がいるソーシャルメディアを把握する
対象顧客が実際にどのソーシャルメディアを使っているかを調べます。SNSだけでなく、業界のコミュニティ、レビューサイト、動画共有サイトなども含めて、顧客が情報を探したり意見を交わしたりしている場を洗い出します。
競合他社がどの場でどんな発信をしているかも確認しておくと、自社が入り込む余地が分かります。競合のアカウントや発信内容の調べ方は、SNSマーケティングにおける競合調査の進め方を解説した記事が参考になります。
コンテンツの軸と展開の仕方を決める
次に、オウンドメディアに置く中心的なコンテンツと、それをソーシャルメディアでどう展開するかを決めます。一つの調査記事から、要点をまとめた短い投稿、図解、動画、メールマガジンでの紹介など、複数の形に展開する考え方です。
最初からすべてのソーシャルメディアに合わせた別々のコンテンツを作ろうとすると、制作の負担が大きくなります。中心となるコンテンツを一つ作り、それを各メディアの性質に合わせて切り分けるほうが、無理なく続けられます。
発信と対話を続ける
設計が固まったら、発信を始めます。ソーシャルメディアでは、投稿するだけでなく、コメントや質問への返信、言及してくれた人への反応など、対話を続けることが関係づくりにつながります。
継続のためには、誰がいつ何をするかを決めた運用体制が必要です。投稿の頻度は無理のない範囲に設定し、止まらずに続けることを優先するほうが、短期間に集中して発信するより成果につながりやすくなります。
反応を見て改善する
発信を続けたら、定期的に反応を振り返ります。どの投稿が共有されたか、どのテーマで自社サイトへの流入が増えたか、どんな質問が寄せられたかを確認し、次の企画に反映します。
振り返りでは、数字だけでなく、寄せられたコメントの内容にも目を通します。反応の「量」と「質」の両方を見ることで、次に作るべきコンテンツの方向性がはっきりします。
拡散とUGCを生むコンテンツの考え方

ソーシャルメディアを活かすうえで、企業の発信だけでなく、利用者による共有や投稿をどう生み出すかは大きなテーマです。ここでは、拡散の仕組みとUGCの活用について整理します。
拡散は狙って起こせるものではありませんが、起こりやすい条件はあります。「誰かに伝えたくなる理由」がコンテンツの中にあるかを、企画の段階で確認することが出発点です。
共有されやすいコンテンツの条件
共有されやすいのは、読んだ人が「誰かの役に立つ」「自分の考えを代弁している」「話題にしたい」と感じる情報です。独自の調査結果、実務ですぐに使えるチェックリスト、分かりにくいことを整理した図解などが、その例です。
逆に、自社の宣伝が前面に出ている内容は共有されにくくなります。共有する人は、その情報を自分の名前で人に勧めることになるため、勧めても恥ずかしくない信頼性と中立性が求められます。
UGCとは何か
UGCは「User Generated Content」の略で、利用者が作成したコンテンツを指します。商品のレビュー、使ってみた感想の投稿、写真や動画、ハッシュタグを付けた投稿などが代表的です。
UGCは、実際の利用者の言葉で商品やサービスの良さが伝わるため、検討中の人にとって参考になりやすい情報です。企業の発信では伝えきれない「使う場面」や「使った後の実感」を補ってくれる点に価値があります。
UGCが生まれやすい状況を作る
UGCを増やすには、利用者が投稿しやすいきっかけを用意することが有効です。ハッシュタグの案内、投稿テーマの提示、レビュー依頼の仕組みなどが考えられます。投稿してくれた人への感謝を伝えることも、次の投稿につながります。
UGCを自社の発信や広告で使う場合は、投稿者に事前に許可を得ることが欠かせません。また、謝礼を渡して投稿を依頼する場合は、広告であることを明示する必要があります。2023年10月からは、広告であることを隠した表示(いわゆるステルスマーケティング)が景品表示法の規制対象になっているため、依頼の仕方や表示方法には注意が必要です。
インフルエンサーとの協業
業界やテーマで影響力のある人と協業し、コンテンツを紹介してもらったり共同で発信したりする方法もあります。自社のアカウントだけでは届かない層に情報を届けられる点が利点です。
協業する相手を選ぶときは、フォロワーの数だけでなく、発信内容と自社のテーマの相性や、フォロワーとの関係の深さを見ることが大切です。選び方や効果測定の考え方は、インフルエンサーの選び方と効果測定を解説した記事で詳しく紹介しています。
炎上を防ぐための運用ルールと体制

ソーシャルメディアは情報が広がりやすい反面、不適切な発信や対応も同じように広がります。一度批判が集まると、意図とは違う受け取られ方をして、短時間で多くの人の目に触れることもあります。
炎上を完全に防ぐことは難しくても、起きにくくし、起きたときの影響を小さくすることはできます。事前の運用ルールと、問題が起きたときの対応手順を決めておくことが基本です。
炎上が起きやすい原因
炎上の原因には、差別的・攻撃的と受け取られる表現、事実確認が不十分な情報、他者の権利を侵害する画像や文章の使用、社会情勢への配慮を欠いた発信などがあります。担当者に悪意がなくても、受け手の立場によって受け止め方が変わることがあります。
顧客対応の不備がきっかけになることもあります。苦情や指摘への返信が不誠実に見えると、元の問題よりも対応そのものが批判の対象になりやすいため、返信の仕方にも注意が必要です。
運用ルールに盛り込みたい項目
運用ルールには、発信の目的と対象、投稿してよい内容と避ける内容、表現の注意点、画像や文章の権利確認の方法、承認の流れ、コメントへの返信方針などを盛り込みます。外部に公開するソーシャルメディアポリシーと、社内向けの運用手順を分けて作るのも一つの方法です。
ルールは作って終わりではなく、担当者が実際に判断に使えることが大切です。迷ったときに確認する項目を短くまとめたチェックリストを用意しておくと、日々の運用で活用されやすくなります。
問題が起きたときの対応手順
批判的な反応が増えたときに備えて、状況の確認、社内への報告、対応方針の決定、公式な説明の発信という流れを決めておきます。誰が判断し、誰が発信するのかをあらかじめ決めておくと、慌てて不適切な対応をすることを防げます。
対応の際は、事実関係を確認したうえで、誤りがあれば速やかに認めて説明することが基本です。投稿の削除だけで済ませると、隠そうとしたと受け取られることがあるため、削除する場合も理由を説明するほうが無難です。
社員個人の発信への配慮
社員が個人のアカウントで業務に関わる内容を発信するケースもあります。社員の発信は会社の発信と結び付けて受け取られることがあるため、守秘義務に関わる情報や、顧客・取引先に関する情報の扱いについて、社内で共有しておく必要があります。
一方で、社員の発信は企業の雰囲気や専門性を伝える力も持っています。禁止事項を並べるだけでなく、どのような発信なら歓迎するかも示しておくと、前向きな発信が生まれやすくなります。
ソーシャルメディアを活かした成果の測り方

ソーシャルメディアを活かしたコンテンツマーケティングでは、フォロワー数や「いいね」の数だけを見ていると、事業の成果につながっているかが分かりません。目的に合わせて指標を決め、段階ごとに追うことが大切です。
指標を設計するときは、最終的な成果(KGI)から逆算して、途中の段階ごとの指標(KPI)を決めると、何を改善すべきかが分かりやすくなります。KPIの考え方そのものは、KPIマネジメントの設定手順を解説した記事も参考にしてください。
段階ごとの指標を決める
指標は、認知・関与・送客・成果の4つの段階で整理すると考えやすくなります。認知の段階ではリーチ数や表示回数、関与の段階では共有数、コメント数、保存数などのエンゲージメント、送客の段階ではソーシャルメディアから自社サイトへの流入数を見ます。
成果の段階では、ソーシャルメディア経由の問い合わせ、資料請求、会員登録、購入などの数を追います。どの段階の数字が伸び悩んでいるかを見れば、改善すべき場所が特定できます。
流入から成果までを計測する
ソーシャルメディアから自社サイトに来た人が、その後どう行動したかを把握するには、アクセス解析ツールの設定が必要です。投稿に貼るURLにパラメータを付けておくと、どの投稿からの流入かを区別して計測できます。
ソーシャルメディア経由の訪問者は、その場ですぐに問い合わせるとは限りません。一度記事を読んで離れ、後日検索や直接訪問で戻ってくることも多いため、直前の流入元だけで評価すると貢献を小さく見積もりがちです。複数回の接点を考慮した見方も取り入れます。
数字に表れにくい成果も記録する
ソーシャルメディアの成果には、数字に表れにくいものもあります。商談の場で「SNSで記事を見た」と言われた、採用の応募者が発信を読んでいた、業界の人から声をかけられた、といった出来事です。
こうした声を営業や採用の担当者から集めて記録しておくと、発信がどこで役立っているかが見えてきます。定量の指標と定性の記録を合わせて振り返ることで、継続の判断がしやすくなります。ソーシャルメディア上の反応の分析方法は、SNSマーケティングの分析指標とツールを解説した記事で詳しく紹介しています。
振り返りの頻度と見直しの観点
振り返りは、投稿単位の確認を週次や月次で、全体の方針の見直しを四半期ごとに行うなど、頻度を分けると負担が少なくなります。短期の数字の上下に一喜一憂せず、一定期間の傾向を見ることが大切です。
方針を見直すときは、目的に対して指標が適切か、力を入れるメディアの選び方が合っているか、オウンドメディアの受け皿が十分かを確認します。ソーシャルメディアの数字が良くても成果につながらない場合は、受け皿となるコンテンツや導線に課題があることが多いため、自社サイト側も合わせて見直します。
まとめ
ソーシャルメディアは、SNSに加えてブログ、動画共有サイト、口コミ・レビューサイト、コミュニティなど、利用者が発信し共有し合う場の総称です。コンテンツマーケティングにとっては、コンテンツを届ける経路であり、顧客と対話する場であり、第三者の評価が生まれる場でもあります。
コンテンツマーケティングとソーシャルメディアマーケティングは、作る活動と届けて広げる活動という違いがあります。オウンドメディアで情報を蓄積し、シェアードメディアで接点を広げ、アーンドメディアで信頼を得るという流れで役割を分けると、発信全体に一貫性が生まれます。
運用にあたっては、拡散やUGCが生まれやすい企画を意識しつつ、運用ルールと対応手順を整えて炎上のリスクを抑えることが欠かせません。成果は段階ごとの指標と定性の記録を合わせて振り返り、受け皿となる自社サイトも含めて改善を続けていきましょう。

