化粧品のコンテンツマーケティングとは?有効な施策と進め方、薬機法の注意点を解説
化粧品は、実際に使ってみるまで肌に合うか、仕上がりが好みかが分かりにくい商品です。そのため購入を考える人の多くは、店頭に行く前にSNSや口コミ、ブランドの公式情報を調べ、自分に合いそうかを確かめています。購入前の「調べる時間」にどんな情報を届けられるかが、化粧品ブランドの売上を左右するようになっています。
一方で、広告の出稿を増やすだけでは、似た商品が並ぶ市場の中で選ばれる理由を伝えきれません。使い方や成分の考え方、ブランドが大切にしている価値を丁寧に伝え、信頼を積み上げていく手段として、コンテンツマーケティングに取り組む化粧品ブランドが増えています。
この記事では、化粧品ブランドがコンテンツマーケティングに取り組む理由と、使い方・成分解説・SNS・UGC・D2Cなど有効なコンテンツ、進め方、薬機法や景品表示法、ステマ規制を踏まえた表現の注意点を解説します。
| 確認したい ポイント |
結論 | 詳細 |
| 化粧品ブランドが取り組む理由は? | 購入前の情報収集に応えるため | 使ってみるまで分からない不安を、使い方や成分、使用感の情報で解消できます。広告だけでは伝えきれない選ばれる理由を届けられます。 |
| 有効なコンテンツは? | 使い方・成分解説・SNS・UGC | 使い方や成分の解説記事、SNS投稿、口コミなどのUGC、自社ECと連動したD2Cの発信を、購入前後の段階に合わせて組み合わせます。 |
| 表現で注意すべき点は? | 効能効果の範囲を超えないこと | 化粧品は表現できる効能効果の範囲が決まっています。薬機法に加え、景品表示法やステマ規制も踏まえて社内で確認する体制が必要です。 |
Contact
お問い合わせ
マーケティングの課題、一度ご相談ください
事業戦略の設計から集客・制作・改善まで。累計1,800社以上の支援実績をもとに、貴社の状況に合わせた進め方をご提案します。
無料で相談する化粧品業界でコンテンツマーケティングが必要とされる理由

化粧品のコンテンツマーケティングとは、肌や髪の悩み、メイクの方法、成分の考え方など、顧客が知りたい情報を継続して発信し、ブランドへの関心や信頼を高めて購入やリピートにつなげる取り組みです。商品の良さを一方的に伝える広告とは違い、顧客の疑問に答えることを出発点にします。
コンテンツマーケティング全体の考え方や、成果を出すための発信の仕組みについては、コンテンツマーケティングとアルゴリズム活用を解説した記事でも紹介しています。ここでは、化粧品という商材ならではの事情に絞って、取り組む理由を整理します。
購入前に情報を調べる人が増えている
化粧品を選ぶとき、多くの人はSNSの投稿や口コミサイト、ブランドの公式サイトを見比べてから購入を決めています。肌質や好みの仕上がりは人によって異なるため、「自分と似た人がどう感じたか」「どう使えばよいか」を事前に知りたいという気持ちが強い商材です。
こうした情報収集の場面でブランドの発信が見つからなければ、比較の候補にすら入れません。検索やSNSで調べたときに、自社の情報が適切な形で見つかる状態をつくることが、コンテンツマーケティングの最初の役割です。
広告だけでは選ばれる理由を伝えにくい
化粧品は商品数が多く、価格帯や訴求ポイントが似た商品が数多く並んでいます。短い広告の中で伝えられる情報には限りがあり、さらに後述する薬機法の規制によって、使える表現も限られています。
そのため、広告で興味を持ってもらった後に、より詳しい情報を落ち着いて読める場所が必要になります。ブランドの開発背景や処方の考え方、使い方のコツなどを記事や動画で伝えることで、広告では届かない「選ぶ理由」を補えるのがコンテンツの強みです。
継続購入が売上を支える商材である
スキンケアやヘアケアの多くは、使い切ったら買い直す消耗品です。一度購入した人が使い続けてくれるかどうかで、ブランドの売上は大きく変わります。
購入後に「正しい使い方」「季節に合わせたケアの方法」などを届けることで、商品を使いこなしてもらい、満足度を高められます。新規顧客の獲得だけでなく、購入後の関係づくりにも使える点が、化粧品とコンテンツマーケティングの相性がよい理由の一つです。
化粧品ブランドがコンテンツマーケティングに取り組むメリット

コンテンツマーケティングには時間がかかるという面がある一方で、化粧品ブランドにとっては中長期で効いてくるメリットがあります。ここでは主なメリットを3つに分けて紹介します。
潜在顧客と早い段階で接点を持てる
「乾燥する季節のスキンケアの順番」や「ファンデーションが崩れにくい塗り方」といった悩みを調べている人は、まだ特定の商品を探しているわけではありません。こうした段階の人に役立つ情報を届けることで、商品名を知らない人とも接点を持てます。
広告は商品に関心を持っている人に向けて配信するのが基本ですが、コンテンツは悩みが生まれた段階から関わることができます。早い段階で信頼を得られれば、いざ商品を選ぶときに自社ブランドを思い出してもらいやすくなります。
発信した情報が資産として積み上がる
検索で上位に表示された記事や、繰り返し見られる使い方動画は、公開後も長期間にわたって見込み顧客を集め続けます。広告は出稿を止めると流入も止まりますが、コンテンツは一度つくれば蓄積されていきます。
もちろん、情報が古くなれば更新が必要です。それでも、積み上げたコンテンツが集客の土台になるため、時間がたつほど広告費だけに頼らない集客が可能になります。
ブランドの世界観や信頼を伝えられる
化粧品は機能だけでなく、パッケージや香り、ブランドの姿勢といった情緒的な価値でも選ばれます。記事やSNSで開発の背景や原料へのこだわり、ブランドが大切にしている考え方を継続して伝えることで、ファンを育てられます。
また、専門的な情報を正確に分かりやすく伝え続けることは、ブランドへの信頼にもつながります。誇張せず誠実に発信する姿勢そのものが、長く選ばれるブランドの価値になります。
化粧品のコンテンツマーケティングで有効なコンテンツ

化粧品のコンテンツは、顧客が「知る」「比べる」「買う」「使い続ける」のどの段階にいるかによって、求められる内容が変わります。ここでは、化粧品ブランドで取り組まれることが多い代表的なコンテンツを紹介します。
使い方・HowToコンテンツ
使い方の解説は、化粧品で最も求められる情報の一つです。洗顔料の泡立て方、化粧水をなじませる量やタイミング、ベースメイクの順番など、具体的な手順を写真や動画で示すと、購入前の不安を和らげられます。
購入後の顧客にとっても、使い方のコンテンツは満足度を左右します。正しく使ってもらうことが、使用感への満足とリピートにつながるため、商品ページやパッケージのQRコード、購入後のメールなどから使い方の情報にたどり着けるようにしておくと効果的です。
成分・処方の解説コンテンツ
成分表示を確認してから化粧品を選ぶ人は少なくありません。配合している成分の特徴や、処方で工夫している点、なぜその成分を選んだのかを解説するコンテンツは、成分に関心の高い層からの信頼を得るのに役立ちます。
ただし、成分の解説は薬機法の規制と特に関わりが深い分野です。成分そのものの一般的な性質を説明しているつもりでも、商品と結びつけて効能効果の範囲を超える表現になっていないかを確認する必要があります。詳しくは後の章で説明します。
肌悩み・季節に合わせた検索向けの記事
「乾燥肌 スキンケア 順番」「日焼け止め 塗り直し 方法」のように、悩みや季節に関するキーワードで検索する人は多くいます。こうした検索に応える記事をオウンドメディアや公式サイトで発信すると、商品名を知らない人とも出会えます。
記事のテーマを決める際は、どの言葉がどれくらい検索されているか、上位の記事がどんな情報を扱っているかを調べることが欠かせません。調べ方はSEOのキーワード分析の進め方を解説した記事で紹介しています。悩みの解決を主役にし、商品はその手段の一つとして紹介する構成にすると、読者の役に立ちながら自然に商品を知ってもらえます。
SNSでの発信
化粧品は色味や質感、テクスチャーといった目で見て分かる情報が多く、写真や動画との相性がよい商材です。InstagramやTikTok、YouTubeなどで、メイクの仕上がりや使用シーンを見せることで、文章だけでは伝わりにくい魅力を伝えられます。
SNSは媒体ごとに利用者層や好まれる表現が異なるため、どの媒体で誰に何を届けるかを決めてから運用することが大切です。Instagramで世界観を伝える方法はInstagramでブランド価値を高めるコンテンツマーケティングを解説した記事、競合の発信を調べて戦略を立てる方法は競合調査から始めるSNSマーケティング戦略を解説した記事で詳しく紹介しています。
UGC・口コミとインフルエンサーの活用
UGC(User Generated Content)とは、一般の利用者がSNSやレビューサイトに投稿した写真や感想のことです。ブランドの発信よりも、自分と似た立場の人の声のほうが参考になると感じる人は多く、UGCは購入前の不安を解消する材料として大きな役割を果たします。
UGCを増やすには、ハッシュタグを用意したり、投稿を紹介する企画を行ったりする方法があります。投稿を公式アカウントや商品ページで紹介する場合は、投稿者の許諾を得ることが前提です。また、紹介する投稿の中に効能効果の範囲を超える表現が含まれていないかも確認しておきましょう。
インフルエンサーに商品を紹介してもらう方法も、化粧品では広く使われています。選び方や企画の立て方はインフルエンサーの活用方法を解説した記事で紹介していますが、化粧品の場合は後述するステマ規制への対応が欠かせません。
D2C・自社ECと連動したコンテンツ
D2C(Direct to Consumer)は、ブランドが卸や小売を通さず、自社ECなどで顧客に直接販売するモデルです。化粧品はD2Cで展開されることが多い分野で、顧客と直接つながれることが強みになります。
D2Cでは、記事やSNSで興味を持った人を自社ECに招き、購入後もメールマガジンやLINE、会員向けの情報で関係を続けていく流れをつくれます。購入履歴に合わせて使い切る時期のお知らせや、季節に合わせたケア方法を届けると、継続購入のきっかけになります。既存顧客との関係づくりの考え方は既存顧客向けのDMマーケティングを解説した記事も参考になります。
化粧品のコンテンツマーケティングの進め方

コンテンツマーケティングは、思いついたテーマから記事や投稿をつくり始めると、方向性がぶれて成果を測れなくなりがちです。ここでは、化粧品ブランドが取り組むときの基本的な進め方を5つの段階に分けて説明します。
目的とKPIを決める
最初に、コンテンツマーケティングで何を達成したいのかを決めます。新しいブランドの認知を広げたいのか、自社ECの新規購入を増やしたいのか、既存顧客のリピートを増やしたいのかによって、つくるべきコンテンツも、見るべき数値も変わります。
目的が決まったら、それを測るためのKPIを設定します。認知が目的なら検索からの流入数やSNSのリーチ数、購入が目的ならECへの送客数や購入率が目安になります。目的とKPIを先に決めておくことで、後から施策の良し悪しを判断できます。KPIの立て方はKPIマネジメントの手順を解説した記事で詳しく紹介しています。
ターゲットと購入までの流れを整理する
次に、どんな人に届けたいのかを具体的にします。化粧品の場合、年齢や性別だけでなく、肌質や肌の悩み、メイクにかけられる時間、価格への考え方、情報を集める媒体なども整理しておくと、コンテンツの方向性が定まります。
あわせて、その人が悩みに気づいてから商品を買い、使い続けるまでの流れを書き出します。それぞれの段階でどんな疑問を持ち、どこで情報を探すのかを整理すると、どの段階にどんなコンテンツが足りないかが見えてきます。
テーマと発信チャネルを決める
ターゲットと流れが整理できたら、具体的なテーマと発信先を決めます。検索で調べられる悩みには記事、仕上がりや質感を見せたい情報にはSNSや動画、購入後のフォローにはメールやLINEというように、内容に合ったチャネルを選びます。
一度にすべてのチャネルに手を広げると、更新が続かなくなりがちです。体制に合わせて優先順位をつけ、続けられる量から始めることが大切です。
制作と表現チェックの体制をつくる
化粧品のコンテンツでは、制作の流れの中に表現チェックの工程を必ず組み込みます。ライターや担当者が書いた原稿を、薬機法や景品表示法に詳しい担当者が確認し、必要に応じて修正してから公開する流れです。
チェックで指摘された表現や、言い換えた表現の例を社内で記録しておくと、次の制作から同じ指摘を減らせます。表現ルールを社内で共有できる形にしておくことが、制作のスピードと安全性を両立させるポイントです。
効果を測定して改善する
公開したコンテンツは、設定したKPIに沿って定期的に効果を確認します。記事であれば検索順位や流入数、読了の状況、ECへの送客数を見て、成果が出ていない記事はタイトルや構成、情報の新しさを見直します。
SNSでは、反応のよかった投稿の共通点を探して次の企画に活かします。化粧品は季節やトレンドによって関心が変わりやすいため、過去の記事や投稿を定期的に見直して更新することも成果を保つうえで欠かせません。
Download
お役立ち資料

【資料】EC始めるならまずはこれを理解しよう!ECマーケティングの基本
- ECサイトの売上の方程式
- 売上を上げるための 3つの指標
- KGI/KPI設計
化粧品のコンテンツで注意すべき表現と法規制

化粧品のコンテンツマーケティングで最も注意が必要なのが、表現に関する法規制です。記事やSNSの投稿であっても、商品の購入を促す目的で特定の商品について発信すれば、広告として規制の対象になると考えておく必要があります。
薬機法と化粧品の効能効果の範囲
化粧品の広告表現は、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)によって規制されています。厚生労働省の「医薬品等の広告規制について」では、薬機法第66条で、何人も医薬品等の名称や効能、効果などについて虚偽または誇大な記事を広告し、記述し、流布してはならないと定められていることが示されています。対象は化粧品を製造・販売する企業だけでなく、広告を制作する会社や発信するインフルエンサーにも及ぶ点に注意が必要です。
同じページでは、誇大広告に対する課徴金制度についても説明されており、課徴金の額は違反期間中の対象商品の売上額に4.5%を乗じた額とされています。違反した場合のリスクは決して小さくないため、表現のチェックは制作の必須工程と考えるべきです。
化粧品で表現できる効能効果は、厚生労働省の通知によって56項目の範囲が定められています。たとえば「肌を整える」「肌にうるおいを与える」「肌の乾燥を防ぐ」といった表現は範囲内ですが、「シミが消える」「シワがなくなる」「ニキビが治る」のように、肌の構造や機能に変化を与えるような表現は化粧品では使えません。
医薬部外品との違いを理解する
医薬部外品(薬用化粧品)は、厚生労働省が認めた有効成分を配合しており、承認を受けた範囲で「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」といった効能効果を表現できます。一方、一般の化粧品ではこうした表現は認められていません。
自社の商品が化粧品なのか医薬部外品なのか、医薬部外品であればどの効能効果で承認を受けているのかを、制作担当者が把握しておく必要があります。同じブランドの商品でも区分によって使える表現が違うため、商品ごとに表現の範囲を整理した資料を用意しておくと安心です。
成分の表現やビフォーアフターの扱い
成分の解説では、特定の成分を強調することで、その成分が有効成分であるかのように受け取られる表現に注意が必要です。成分の一般的な性質を説明したうえで「この成分が配合されているから肌が変わる」と結びつけると、化粧品の範囲を超えた効能効果をうたっていると判断されるおそれがあります。
また、「無添加」と表現する場合には、何を添加していないのかを明確にすることが求められます。使用前後を比べる写真や画像は、表現できる効能効果の範囲を示す目的であれば認められる場合がありますが、範囲を超えた変化を見せるものは使えません。迷う表現は、自己判断せずに専門家や所管の行政窓口に確認することをおすすめします。
景品表示法による不当表示の規制
景品表示法は、商品やサービスの品質や価格について、実際よりも著しく優良、または有利であると消費者に誤解させる表示を禁止しています。化粧品では、根拠のない「売上No.1」や「満足度◯%」、効果を裏づける根拠のない表現などが問題になりやすいポイントです。
ランキングや満足度などの数値を使う場合は、調査の時期や対象、方法を明示し、客観的な根拠を用意しておく必要があります。根拠を説明できない数字は使わないという原則を、制作チームで共有しておきましょう。
ステマ規制への対応
2023年10月から、事業者の広告であるにもかかわらず、消費者がそれを広告だと判別しにくい表示が、景品表示法の不当表示として規制されるようになりました。いわゆるステマ規制です。
インフルエンサーに依頼して商品を紹介してもらう場合や、商品を無償で提供して投稿を依頼する場合は、「広告」「PR」などの表記で広告であることを分かるようにしてもらう必要があります。依頼した投稿の表示に責任を負うのは依頼した事業者側であるため、依頼時に表記のルールを伝え、投稿内容を確認する仕組みを整えておきましょう。
社内で確認できる体制を整える
表現の規制は、法律の条文だけでなく、行政の通知や業界団体の自主基準なども踏まえて判断されます。担当者一人の知識に頼るのではなく、確認の手順と相談先を決めておくことが大切です。
具体的には、使える表現と使えない表現の一覧を社内でつくる、公開前に必ず複数人で確認する、判断に迷う表現は専門家に相談する、といった運用が考えられます。チェックの仕組みがあることで、制作担当者も安心して発信できるようになります。
化粧品のコンテンツマーケティングで成果を出すためのポイント

化粧品のコンテンツマーケティングは、規制を守りながら、限られた表現の中でいかに顧客の役に立つかが問われます。最後に、成果につなげるために意識したいポイントを紹介します。
効果を語るより「使う場面」を伝える
効能効果を強く打ち出せない化粧品では、効果を語るよりも、使う場面や使い心地を具体的に伝えるほうが顧客に響く場合があります。朝の忙しい時間に使いやすい手順、旅行先での使い方、テクスチャーやなじみ方など、生活の中で商品を使う姿を想像できる情報が役立ちます。
たとえば保湿クリームであれば、「肌がどう変わるか」を語るのではなく、「洗顔後のどのタイミングで、どれくらいの量を、どう広げるか」「メイク前に使うときのなじませ方」といった使う場面を丁寧に描くほうが、規制に触れずに魅力を伝えられます。香りや容器の使いやすさ、持ち運びのしやすさなども、使う人にとっては大切な判断材料です。
顧客が自分ごととして想像できる情報は、規制の範囲内で表現しやすく、読者にとっても参考になりやすいものです。効果の大きさで競うのではなく、使う楽しさや続けやすさで選ばれることを目指すと、表現の幅も広がります。
一貫した世界観で発信を続ける
記事、SNS、商品ページ、メールなど複数のチャネルで発信する場合、トーンやビジュアル、伝えたい価値がばらばらだとブランドの印象が定まりません。どのチャネルでも同じブランドだと分かるよう、言葉づかいや写真の雰囲気、大切にしている考え方をそろえることが大切です。
そのためには、発信のルールを簡単な資料にまとめ、社内外の制作者と共有しておくと効果的です。世界観をそろえることが、ファンづくりの土台になります。
社内の専門知識を発信に活かす
化粧品ブランドの社内には、研究開発や品質管理、カスタマーサポートなど、顧客にとって価値のある知識を持つ人が多くいます。たとえば、問い合わせ窓口に寄せられる質問は、顧客が実際に困っていることをそのまま表しており、コンテンツのテーマを考えるうえで貴重な材料になります。
開発担当者へのインタビューで処方の工夫や原料選びの背景を伝えたり、よく寄せられる質問をもとに使い方の記事をつくったりすると、他社にはまねしにくい内容になります。自社にしか語れない情報を掘り起こすことが、似た情報があふれる中で埋もれないための工夫です。
購入後のコンテンツまで設計する
化粧品のコンテンツは新規顧客の獲得に目が向きがちですが、売上を安定させるには購入後の体験も欠かせません。初めて使う人向けの使い方の案内、使い始めて数週間たった頃のケアの見直し方、季節が変わるタイミングでの使い分けなど、使用の段階に合わせた情報を用意しておくと、使い続けてもらいやすくなります。
購入後のコンテンツは、メールマガジンや会員ページ、同梱する冊子など、すでに関係のある顧客に直接届けられるチャネルで配信します。新規向けと既存向けの両方を設計しておくことで、集客と継続購入の両方を支えるコンテンツの仕組みができあがります。
短期の売上だけで判断しない
コンテンツマーケティングは、公開してすぐに売上が伸びる施策ではありません。検索で評価されるまでや、SNSのフォロワーが育つまでには一定の時間がかかります。
短期の売上だけで判断すると、成果が出る前に取り組みをやめてしまうことになりかねません。流入数やフォロワー数、メールの開封率などの途中の指標を見ながら、中長期で積み上げる前提で続けることが成果への近道です。
まとめ
化粧品は、実際に使うまで自分に合うか分かりにくく、購入前に情報を調べる人が多い商材です。使い方や成分の解説、肌悩みに応える記事、SNSやUGC、自社ECと連動したD2Cの発信を組み合わせることで、購入前の不安を解消し、購入後も使い続けてもらう関係をつくれます。
一方で、化粧品の表現は薬機法によって効能効果の範囲が定められており、景品表示法やステマ規制にも注意が必要です。表現のチェックを制作の工程に組み込み、規制の範囲内で顧客の役に立つ情報を届け続けることが、化粧品のコンテンツマーケティングを成功させるための基本です。
目的とKPIを決め、ターゲットと購入までの流れを整理し、続けられる体制で発信と改善を重ねていきましょう。自社だけで企画や表現チェックまで手が回らない場合は、外部の専門家の力を借りることも選択肢の一つです。
