装飾

Columnコラム

コンテンツマーケティングの成功事例8選|BtoC・BtoB別に成果と共通点を解説

コンテンツマーケティング 事例

コンテンツマーケティングに取り組もうとすると、「他社は実際にどんな発信をして、どんな成果を出しているのか」が気になるものです。ただ、事例をまとめた記事を読んでも、有名なメディア名が並んでいるだけで、自社に何を取り入れればよいのか分からないことも少なくありません。

事例から学ぶときに大切なのは、「その企業は何のためにコンテンツをつくったのか」という目的と、成果をどう測ったのかを読み取ることです。同じオウンドメディアでも、売上を伸ばしたい企業と採用を強化したい企業では、つくるべき内容も見るべき指標も変わります。

この記事では、公式発表や専門メディアの取材記事で内容を確認できる国内企業の事例を、BtoC・BtoB・企業ブランディングと採用の3つに分けて紹介します。あわせて、事例に共通する成功のポイントと、自社の施策に落とし込むときの手順、参考にするときの注意点も解説します。

確認したい
ポイント
結論 詳細
BtoCではどんな事例がある? 世界観や生活の悩みに応える発信が中心 EC、日用品メーカー、ホームセンターなどが、読みものや暮らしの情報を通じて購買や来店につながる接点をつくっています。
事例に共通する成功要因は? 目的と読者を絞り、長く続けている 成果を出した企業は、目的と読者を明確にし、自社の強みを生かした内容を、数年単位で改善しながら続けています。
事例を自社に活かすには? 目的を決めてから近い事例を選ぶ まず自社の目的と課題を整理し、目的が近い事例から「仕組み」を抜き出して、小さく試しながら検証します。

コンテンツマーケティングの事例を見る前に押さえたい視点

コンテンツマーケティングの事例を見る前に押さえたい視点

コンテンツマーケティングとは、顧客にとって役立つ情報を継続して発信し、関係を深めながら購買や問い合わせにつなげていく手法です。成果が出るまでに時間がかかるため、他社の事例を見て方向性を確かめたいと考える担当者は多いでしょう。

ただし、事例は「どのメディアが有名か」で見ても、自社の参考にはなりにくいものです。ここでは、事例を読むときに押さえておきたい3つの視点を整理します。

目的によって正解は変わる

コンテンツマーケティングの目的は、売上の拡大、見込み顧客の獲得、来店の促進、企業ブランドの向上、採用の強化など、企業によってさまざまです。目的が違えば、つくるべきコンテンツも、成果として見るべき数字も変わります。

たとえば、採用を目的にしたメディアで検索流入だけを追っても、応募者の質が上がらなければ意味がありません。事例を読むときは、まずその企業が何を目的にしていたのかを確認すると、学べる点がはっきりします。

BtoCとBtoBでは成果が出る道筋が違う

BtoCは、個人が自分の判断で購入を決めることが多く、共感や世界観、日々の暮らしの悩みに寄り添う発信が購買につながりやすい傾向があります。一方でBtoBは、複数の担当者が関わり、比較・検討の期間も長くなります。

そのため、BtoBでは業務の課題を解決する知識や、製品の使い方を分かりやすく伝える情報が重視されます。両者の違いは、BtoBとBtoCのマーケティングの違いを解説した記事でも整理しています。

成果は「数字」と「期間」をセットで見る

事例に出てくる数字は、そのまま自社の目標にはできません。企業の知名度、商品数、体制、予算によって、同じ取り組みでも結果は大きく変わるからです。

大切なのは、どれくらいの期間で、何を積み重ねた結果なのかを読み取ることです。数字そのものよりも、成果に至るまでのプロセスを参考にする意識を持つと、事例を自社に生かしやすくなります。

事例は一次情報にさかのぼって確認する

事例を集めるときは、まとめ記事だけでなく、企業の公式発表やプレスリリース、担当者が登壇したイベントのレポート、専門メディアの取材記事などにも目を通すのがおすすめです。担当者自身の言葉で語られた情報には、成果に至るまでの試行錯誤や判断の理由が含まれていることが多いからです。

この記事で紹介する事例も、公式サイトや専門メディアの記事で内容を確認できたものに絞っています。成果の数値は、確認できたものだけを時点とあわせて記載しています。

BtoCのコンテンツマーケティング成功事例

BtoCのコンテンツマーケティング成功事例

BtoCの事例では、商品を直接売り込むのではなく、暮らしの中の悩みや楽しみに寄り添うコンテンツで、ブランドへの好感や信頼を育てている企業が目立ちます。ここでは、EC、日用品メーカー、ホームセンターという業態の異なる3社を紹介します。

クラシコム「北欧、暮らしの道具店」:読みものとアプリで売上を伸ばしたEC

株式会社クラシコムが運営する「北欧、暮らしの道具店」は、雑貨や衣類などを販売するECサイトでありながら、暮らしにまつわる読みものや動画などのコンテンツを発信しています。商品の説明だけでなく、ブランドの世界観に共感した読者が、自然と商品にも興味を持つ流れをつくっている点が特徴です。

繊研plusの報道(2023年6月)によると、同社のアプリはiOS版を2019年、Android版を2020年4月に提供を始め、約1年で100万ダウンロードに達し、2023年6月時点で300万ダウンロードを突破しました。2023年5月時点では、アプリ経由の売上が全体の65%を占めていると報じられています。

同じ報道では、売上高がアプリ提供前の2019年7月期の27億4000万円から、2022年7月期には51億円まで伸びたことも紹介されています。コンテンツで読者との接点を日常的に持ち、そのままアプリ内で購入できる仕組みを整えたことが、売上の成長を支えたと考えられます。

 

この事例から学べるのは、コンテンツと購入の場所を近づける工夫です。読みものを楽しんだ読者が、別のサイトに移動せずに商品を選べる導線があると、関心が冷めないうちに購入へ進んでもらいやすくなります。

ライオン「Lidea」:分散していた生活情報サイトを統合

ライオン株式会社は、2014年10月に生活情報メディア「Lidea(リディア)」を開設しました。MarkeZineの記事(2014年11月)によると、同社は当時、生活情報サイトを約10個運営しており、まずコンテンツ量の多い4サイトを統合する形でLideaを立ち上げています。

Lideaでは、オーラルケアやヘルスケア、洗濯、リビングケアなどの分野で「暮らしのマイスター」と呼ばれる5人の専門家が情報を発信する体制を整えました。企業目線の「ウェブサイト」ではなく、生活者目線の「メディア」として運営する方針を掲げていた点が特徴です。

成果の測り方にも工夫があります。Lidea単体の数字だけでなく、Lideaを入り口としてライオンのサイト全体のPVやUUを増やすことをKPIに置き、サイト統合による検索流入の増加や、アクセス解析にもとづくコンテンツ制作も狙いとしていました。

 

部署や商品ごとにサイトが分かれている企業は少なくありません。情報を一つのメディアに集めると、運用の負担を減らしながら、読者にとっても探しやすい状態をつくれる点が、この事例から学べるポイントです。

カインズ「となりのカインズさん」:立ち上げ1年で月間400万PV超

ホームセンターを展開する株式会社カインズは、2020年6月にオウンドメディア「となりのカインズさん」を立ち上げました。MarkeZineの記事(2021年9月)によると、同メディアは中期経営計画の一環として策定したデジタル戦略の中に位置づけられ、全社改革を象徴する取り組みとされています。

コンテンツは、ホームセンターならではの実用的な記事に加え、見出しを工夫した読みものや、同業他社を取り上げた記事、オリジナルキャラクターのアニメなど幅広い内容です。「売るための記事」だけにとらわれず、読んで面白い記事で接点を広げている点が参考になります。

同記事では、運営開始から5ヵ月で月間100万PV、約1年後には月間400万PV以上を記録し、店舗への来店にも結びつけたと紹介されています。実店舗を持つ企業が、Webのコンテンツを来店のきっかけとして活用した事例といえます。

 

経営計画の中にメディアを位置づけ、会社として取り組む姿勢を示したことも見逃せません。担当者任せにせず、経営の方針として扱うことで、社内の協力や継続的な投資を得やすくなります。

BtoBのコンテンツマーケティング成功事例

BtoBのコンテンツマーケティング成功事例

BtoBの事例では、自社の製品やサービスに関わる業務の悩みに答え、見込み顧客との信頼関係をつくっている企業が多く見られます。ここでは、目的の異なる3社の取り組みを紹介します。

サイボウズ「サイボウズ式」:認知とブランドを担う長寿メディア

グループウェアを提供するサイボウズ株式会社は、2012年5月にオウンドメディア「サイボウズ式」を開設しました。MarkeZine(2014年8月)に掲載された初代編集長の寄稿によると、同社は2006年ごろにも「ドットボウズ」というメディアを運営していましたが、当時はSNSでの拡散の仕組みがなく、PVが伸びずに苦戦したといいます。

その経験を踏まえて立ち上げたサイボウズ式は、働き方やチームワークをテーマに発信を続けてきました。MarkeZineの記事(2024年5月)では、社名や製品の認知獲得とコーポレートブランディングを担うメディアと位置づけられ、Instagram、YouTube、TikTokにも展開していると紹介されています。

成果の評価では、PV数などの定量指標を確認しつつ、記事やSNSへの感想・コメントといった定性的な成果を最も重視しているそうです。社内の企画会議での会話から生まれたInstagramの投稿が、多いもので90万回以上再生された例も語られています。

 

一度うまくいかなかった経験から、拡散の仕組みや発信先を見直して再挑戦した点は、多くの企業にとって参考になります。長く続けるほど、記事が企業の考え方を伝える資産として積み上がっていきます。

マネーフォワード:基礎知識シリーズでリード獲得を狙う

株式会社マネーフォワードは、法人向け製品の顧客層が持つ悩みに応えるため、「会計の基礎知識」「人事労務の基礎知識」「契約の基礎知識」といった複数ジャンルにまたがる「基礎知識シリーズ」を展開しています。前述のMarkeZineの記事(2024年5月)で、同社のSEO・メディア部長が取り組みを紹介しています。

同社はSEOを重視し、リードや契約などのコンバージョン数と、各キーワードの検索順位をKPIにしています。認知やブランディングを重視するサイボウズ式とは、同じBtoBのオウンドメディアでも目的と評価の方法がはっきり分かれている点が興味深いところです。

基礎知識のように、検討の初期段階で調べられるテーマを体系的にそろえておくと、まだ製品を知らない担当者とも検索を通じて出会えます。記事の中で自社製品を自然に紹介できる点も、この形のメリットです。

 

検索からの集客を狙う場合は、読者が調べる言葉を起点に記事を設計することが欠かせません。キーワードの選び方は、SEOのキーワード分析の手順を解説した記事で紹介しています。

パナソニック「制御機器知恵袋」:問い合わせの多い疑問をコンテンツ化

パナソニックの制御機器事業では、「制御機器知恵袋」というサイトで情報を発信しています。公式サイトでは、商品についての基礎知識や使い方、カタログ用語の解説などを担当者が分かりやすく解説し、お客様から問い合わせの多い質問もあわせて紹介していると説明されています。

制御機器のような専門性の高い商材では、購入を検討する担当者が、用語や仕様の意味を調べる場面が多くあります。顧客が実際に抱いている疑問をそのまま記事のテーマにすることで、検討段階の担当者に役立つ情報を届けられます。

この考え方は、製造業や専門サービスなど、営業やサポートの現場に質問が集まる企業ほど取り入れやすいものです。BtoB企業の事例を施策別にもっと知りたい方は、BtoBコンテンツマーケティングの成功事例を解説した記事もあわせてご覧ください。

企業ブランディング・採用に活用した事例

企業ブランディング・採用に活用した事例

コンテンツマーケティングの成果は、売上やリードだけではありません。企業の考え方を社内外に伝えたり、採用で自社に合う人材と出会ったりするために、コンテンツを活用している企業もあります。

トヨタ自動車「トヨタイムズ」:企業の想いを自ら発信

トヨタ自動車株式会社は、2019年に自社のメディア「トヨタイムズ」を始めました。MarkeZineの記事(2021年7月)によると、社内向けのコミュニケーションを、マスメディアを含む統合的なコミュニケーションへ広げ、社外にトヨタの応援団をつくることを目的としています。

トヨタイムズは、Webサイトだけでなく、テレビCMや新聞、SNS、YouTubeなどを組み合わせて展開しています。販売を目的とした広告とは異なり、経営トップの考えや社内の取り組みを、企業自身の言葉で伝えている点が特徴です。

大企業ならではの事例に見えますが、学べる点は規模に関係ありません。経営者の考えや社員の想いを、外部メディアに取り上げてもらうのを待たずに自分たちで発信するという姿勢は、どの企業にも取り入れられる考え方です。

 

たとえば、代表のメッセージや事業に込めた想い、新しい取り組みの背景などを、自社サイトやSNSで定期的に伝えるだけでも、取引先や求職者が企業を理解する手がかりになります。特別な制作体制がなくても、発信を積み重ねることで、企業の考え方が伝わる土台ができていきます。

メルカリ「mercan」:採用を目的に「人」を伝える

株式会社メルカリは、2016年5月に採用を主な目的としたオウンドメディア「mercan(メルカン)」を開設しました。MarkeZineの記事(2024年7月)によると、開設から8年間で2,200本以上の記事を発信しており、メルカリの「人」を伝えることをコンセプトにしています。

運営の目的は、採用力の強化、社内エンゲージメントの向上、ステークホルダーからの信頼獲得の3つです。働く人の姿を具体的に伝えることで、応募前にカルチャーが合うかを判断してもらう狙いがあります。

運営体制にも特徴があり、専任のメンバーは少人数ながら、社内から持ち込まれた企画を編集部がサポートする形で、全員で運営する意識が根付いているといいます。社員インタビューや導入事例などの取材記事は、こうした「人」を伝えるコンテンツの代表例です。

 

採用を目的にする場合は、記事の本数やPVよりも、応募者が記事を読んでいたか、入社後のギャップが減ったかといった点で効果を見ると、目的に合った評価ができます。少人数の会社でも、社員一人ひとりの声を丁寧に伝えることから始められます。

事例に共通する成功のポイント

事例に共通する成功のポイント

ここまで紹介した8つの事例は、業種も目的もさまざまです。それでも、成果を出している企業の取り組みには、いくつかの共通点があります。

目的とKPIが最初から決まっている

サイボウズ式は認知とブランディング、マネーフォワードはリードと契約、mercanは採用というように、どの事例も目的がはっきりしています。目的が決まっているからこそ、ライオンのように「サイト全体のPV・UU」をKPIにしたり、サイボウズのように定性的な反応を重視したりと、目的に合った評価の方法を選べています。

目的があいまいなまま始めると、PVだけを追って成果につながらない状態に陥りがちです。目標と指標の決め方は、KPIマネジメントの進め方を解説した記事が参考になります。

読者の悩みや関心を起点にしている

パナソニックは顧客からの問い合わせ、マネーフォワードは顧客層の業務の悩み、ライオンは生活者の暮らしの困りごとを出発点にしています。どの企業も、自社が伝えたいことではなく、読者が知りたいことから企画を組み立てています。

読者像があいまいなままでは、誰にも刺さらないコンテンツになってしまいます。BtoBの場合は、BtoBマーケティングのペルソナ設計を解説した記事の手順で、読者像を具体的にしておくと企画がぶれにくくなります。

問い合わせ対応の記録や営業担当者のメモ、店舗スタッフが受ける質問などは、読者の関心を知るための貴重な材料です。社内に眠っている声を集める仕組みをつくると、企画のネタに困りにくくなります。

自社にしか書けない強みを生かしている

クラシコムの世界観、カインズのホームセンターとしての知見、パナソニックの製品知識、メルカリの社員の姿など、どの事例も自社ならではの素材を活用しています。他社と同じ情報を並べるのではなく、自社の経験や現場の声を盛り込むことで、読者にとって価値のある独自のコンテンツになります。

自社の強みが分からないときは、競合と比べてみると見えてくることがあります。競合と自社の違いの見つけ方は、競合分析の手法を解説した記事で紹介しています。

数年単位で改善を続けている

サイボウズ式は2012年から、mercanは2016年から、Lideaは2014年から運営を続けています。サイボウズのように、一度うまくいかなかった経験を踏まえて再挑戦し、成果につなげている企業もあります。

コンテンツマーケティングは、公開してすぐに結果が出る施策ではありません。短期間で判断せず、反応を見ながら内容や発信先を改善し続ける姿勢が、事例に共通する成功の条件といえます。

事例を自社の施策に落とし込む手順

事例を自社の施策に落とし込む手順

事例を読んで「良い取り組みだ」と感じても、そのまま真似するだけでは成果につながりません。ここでは、事例から学んだことを自社の施策に変えるための手順を紹介します。

自社の目的と課題を言葉にする

最初に、自社がコンテンツマーケティングで何を解決したいのかを整理します。「認知を広げたい」「問い合わせを増やしたい」「来店のきっかけをつくりたい」「採用のミスマッチを減らしたい」など、目的を一つに絞って言葉にすることが出発点です。

あわせて、なぜその目的が達成できていないのか、課題も洗い出します。課題が「そもそも知られていない」のか、「知られているが選ばれない」のかによって、参考にすべき事例も変わってきます。

目的が近い事例を選び「仕組み」を抜き出す

目的が決まったら、業種や規模よりも、目的が近い事例を選びます。たとえば、問い合わせを増やしたいならマネーフォワードやパナソニック、企業の考え方を伝えたいならサイボウズ式やトヨタイムズが参考になります。

事例からは、デザインや文章の雰囲気ではなく、「誰に、何を、どのチャネルで届け、何で成果を測っているか」という仕組みを抜き出します。仕組みとして整理すると、業種が違っても自社に当てはめやすくなります。

自社の素材と体制に合わせて置き換える

次に、抜き出した仕組みを自社の素材に置き換えます。パナソニックのように問い合わせの多い質問を記事にするなら、営業やサポートの担当者から、よく聞かれる質問を集めるところから始められます。

体制も現実的に考える必要があります。mercanのように社内の協力を得る仕組みをつくるのか、一部を外部に任せるのかを決め、無理なく続けられる更新頻度を先に決めておくと、途中で止まるのを防げます。

小さく始めて効果を検証する

最初から大きなメディアを立ち上げる必要はありません。まずはテーマを絞って数本のコンテンツを公開し、検索順位やアクセス数、問い合わせや応募の数など、目的に合った指標で反応を確かめます。

反応が良かったテーマを広げ、反応が弱いものは見直すというサイクルを回すことで、自社に合った形が見えてきます。検証の期間は、あらかじめ決めておくと判断がぶれません。

数か月ごとに振り返りの場を設け、続けるテーマ、改善するテーマ、やめるテーマを整理していくと、限られた体制でも成果に近づけます。事例はゴールではなく、自社の仮説を立てるための材料として使うのが効果的です。

事例を参考にするときの注意点

事例を参考にするときの注意点

事例は自社の施策を考えるうえで役立ちますが、参考にする際には気をつけたい点もあります。ここでは、特に押さえておきたい3つの注意点を解説します。

数値の出典と時点を確認する

インターネット上の事例記事には、出典がはっきりしない数値や、何年も前の数値がそのまま載っていることがあります。数値を参考にするときは、企業の公式発表や取材記事など、元の情報にさかのぼって確認することが大切です。

また、同じメディアでも、立ち上げ当初と現在では目的や体制が変わっている場合があります。数値を社内資料などで使う際は、いつ時点の情報かを必ず添えるようにしましょう。

成功の背景にある条件を見落とさない

大企業の事例には、知名度の高さや豊富な予算、専任の編集チームなど、成果を後押しした条件があります。トヨタイムズのようにテレビCMや新聞と組み合わせた展開は、どの企業でも同じようにできるものではありません。

成果だけを見て同じ規模の目標を立てると、計画に無理が生じます。自社の体制で再現できる部分と、再現が難しい部分を分けて考えることが重要です。よくある失敗のパターンは、BtoBマーケティングの失敗事例と改善策を解説した記事でも紹介しています。

広告であることを隠した発信は規制の対象になる

事例を参考にSNSやインフルエンサーと組んだ発信を検討する場合は、法令の確認も欠かせません。消費者庁は、ステルスマーケティングに関する景品表示法の規制について、令和5年10月1日から、広告であるにもかかわらず一般消費者が広告だと分からない表示が景品表示法違反になると説明しています。

この規制では、企業がインフルエンサーなどの第三者に依頼・指示した表示も広告に含まれ、規制の対象は依頼した事業者(広告主)です。第三者に紹介してもらうコンテンツでは、広告であることを分かるように表示するなど、信頼を損なわない運用を心がけてください。

まとめ

コンテンツマーケティングの事例は、メディアの知名度ではなく、目的と成果の測り方に注目して読むことで、自社に生かせるヒントが見えてきます。今回紹介した8社も、売上、来店、リード獲得、企業ブランディング、採用と、それぞれ異なる目的に合わせてコンテンツを設計していました。

成果を出している企業に共通するのは、目的と読者を明確にし、自社にしか書けない素材を生かして、数年単位で改善を続けていることです。事例の数字だけを追うのではなく、その裏にある仕組みを抜き出して、自社の素材と体制に合わせて置き換えることが大切です。

まずは自社の目的を一つに絞り、目的が近い事例を手本に、小さく始めて検証するところから取り組んでみてください。オウンドメディアの立ち上げ方や運用のコツは、BtoBオウンドメディアの運用方法を解説した記事でも詳しく紹介しています。