チャーンレートの改善方法|解約の原因を見つける分析手順と施策の進め方
サブスクリプションや月額制のサービスを運営していると、新規の契約は増えているのに売上がなかなか積み上がらない、という場面に出会うことがあります。その原因のひとつが解約です。解約の割合を表すチャーンレートは、数字そのものよりも「なぜ解約が起きているのか」を読み解くことで、はじめて改善の手がかりになります。
この記事では、チャーンレートを改善したい方に向けて、まず押さえておきたい定義と計算式、解約の原因を見つける分析の手順、原因ごとの施策、社内で改善を進める順番を整理します。いきなり施策を打つより、解約を種類ごとに分けて原因を特定するほうが、結果的に早く数字が動きます。業界平均の数値は調査によって定義や対象がばらばらなため、この記事では扱わず、自社の数字の見方に絞って説明します。
解約の原因が見えずに困っている方は、koujitsuにご相談ください。顧客データの整理から、CRMを使った接点づくりまで一緒に考えます。
お問い合わせはこちら
| 確認したい ポイント |
結論 | 詳細 |
| チャーンレート改善の最初の一歩は? | 定義をそろえ、解約を種類別に分ける | 顧客数か売上か、月次か年次かを決め、自発的な解約と決済失敗などの非自発的な解約を分けて記録する。 |
| 解約の原因の見つけ方は? | セグメント・時期・理由の3方向で見る | 顧客の属性や契約時期で分けて解約の偏りを探し、解約理由の回答と利用データを照らし合わせる。 |
| チャーンレートを下げる施策は? | 原因に合う施策を小さく試す | オンボーディング、利用状況に応じた連絡、決済失敗への対応、プランの選択肢、解約フローの見直しなどから選ぶ。 |
Contact
お問い合わせ
マーケティングの課題、一度ご相談ください
事業戦略の設計から集客・制作・改善まで。累計1,800社以上の支援実績をもとに、貴社の状況に合わせた進め方をご提案します。
無料で相談するチャーンレート改善の前に、定義と計算式をそろえる
チャーンレートを改善するには、まず社内で「何を、どの期間で、どう数えるか」を一つに決めておくことが欠かせません。同じ「解約率」でも、顧客の数で数えるか売上で数えるか、月ごとに見るか年ごとに見るかで、出てくる数字はまったく変わります。定義があいまいなまま施策を打つと、数字が良くなったのか、数え方が変わっただけなのかが分からなくなってしまいます。
チャーンレートが事業に与える影響は、毎月の新規契約数が同じでも、解約が少ないほど顧客数と売上が積み上がっていく、と考えると分かりやすいでしょう。反対に、解約が多いままだと、新規獲得にいくら力を入れても売上が伸び悩みます。だからこそ、正しく測って、正しく比べられる状態をつくることが最初の仕事になります。
ここでは、改善の議論でよく使われる2つの考え方と、計算するときに迷いやすいポイントを確認しておきます。
顧客数で見るカスタマーチャーンレート
カスタマーチャーンレートは、一定期間に解約した顧客の数を、期間のはじめの顧客数で割った割合です。たとえば月初に契約者が200社いて、その月に4社が解約した場合は、4÷200で2%となります(数字は説明のための例です)。何社が離れたのかを直感的に把握できるため、最初に追う指標として扱いやすいのが特徴です。
一方で、顧客数だけを見ていると、単価の高い顧客が1社解約したときの影響と、少額プランの顧客が1社解約したときの影響が同じに見えてしまいます。料金プランの幅が大きいサービスほど、次に紹介する売上ベースの指標とあわせて見ることが大切です。
売上で見るレベニューチャーンレート
レベニューチャーンレートは、解約やプランの縮小で失った継続売上を、期間のはじめの継続売上で割った割合です。失った売上だけで計算するものをグロス、そこからアップセルやクロスセルで増えた売上を差し引いて計算するものをネットと呼び分けることが一般的です。ネットの値がマイナスになる状態は、既存顧客からの増収が解約による減収を上回っていることを表し、ネガティブチャーンと呼ばれます。
改善の打ち手を考えるうえでは、グロスとネットを分けて見るのがおすすめです。ネットだけを見ると、一部の大口顧客の増額によって解約の多さが隠れてしまうことがあります。解約そのものを減らせているかはグロスで、既存顧客全体の売上が伸びているかはネットで確認する、と役割を分けておくと判断がぶれにくくなります。
期間と分母のルールを決めておく
計算式そのものよりも迷いやすいのが、期間と分母の扱いです。月の途中で契約した顧客を分母に入れるか、無料プランへの移行を解約に数えるか、年契約の顧客をどの月に数えるかなどは、サービスによって答えが変わります。どれが正解というより、一度決めたルールを変えずに使い続けることが重要です。
また、月次の解約率を12倍しても年間の解約率にはなりません。毎月の解約は前の月に残った顧客から生まれるため、年間で見るときは月ごとの残存率を掛け合わせて考えます。社内資料で月次と年次の数字が混ざっていないかも、早めに確認しておきましょう。
改善の基準は業界平均より自社の推移に置く
チャーンレートを調べると、さまざまな「業界平均」や「目安」が見つかります。ただし、それらは調査ごとに対象の業種や顧客の規模、月次か年次か、顧客数か売上かといった前提が異なり、そのまま自社と比べられるものではありません。改善の基準にするのは、定義をそろえた自社の数字の推移と、顧客グループごとの差です。
たとえば、全体のチャーンレートが横ばいでも、契約から3か月以内の顧客だけを見ると解約が増えている、ということがあります。この場合、全体の数字を外の平均と比べても何も見えてきませんが、自社の中で分けて比べると「導入初期に何かが起きている」という仮説が立ちます。外の数字を気にしすぎず、自社の中の差に目を向けることが改善の近道です。
目標値を決めるときも、現在の数字から無理なく下げられる幅を置き、施策の効果を見ながら見直していくほうが現実的です。チャーンレートはLTV(顧客生涯価値)の計算にも使われる指標なので、LTVの考え方とあわせて押さえておくと、どこまで改善すれば事業にどれだけ効くのかを説明しやすくなります。LTVの計算方法や高め方は、LTV向上の施策と計算方法の解説でも紹介しています。
解約の原因を見つける分析の手順
チャーンレートの改善でいちばん時間をかけたいのが、原因の特定です。解約は一つの理由で起きているとは限らず、顧客のグループや時期によって理由が違うことがよくあります。ここでは、手元のデータから原因を絞り込んでいく順番を5つに分けて紹介します。
解約を自発的なものと非自発的なものに分ける
最初に行いたいのが、解約を2種類に分けることです。顧客が自分の意思で解約を申し出た「自発的な解約」と、クレジットカードの期限切れや残高不足などで支払いができず、結果として契約が終わってしまう「非自発的な解約」です。この2つは原因も対策もまったく違うため、同じ数字のまま議論しないことが大切です。
非自発的な解約は、サービスへの不満ではなく手続きの問題で起きているため、比較的打ち手がはっきりしています。決済の記録から、支払い失敗を経て解約になった件数を抜き出せるかどうか、まずは確認してみてください。
顧客のグループごとに解約率を比べる
次に、顧客をいくつかのグループに分けて解約率を比べます。分け方の例としては、業種や会社の規模、料金プラン、契約経路(広告、紹介、営業など)、担当者の有無などがあります。全体の数字では見えなかった偏りが、グループごとに分けると浮かび上がることが多くあります。
たとえば、特定の広告経由で契約した顧客だけ解約が多い場合は、広告やLPの表現と実際のサービス内容にずれがあるのかもしれません。最初から細かく分けすぎると件数が少なくなって判断しにくいため、2〜3種類の切り口から始めるのがおすすめです。
契約した時期ごとに残り方を追う
契約した月ごとに顧客をまとめ、その後どれくらい残っているかを追う方法をコホート分析と呼びます。どの時期に契約した顧客が、契約から何か月目に離れやすいかが分かるので、改善すべきタイミングを絞り込めます。
契約直後に解約が集中しているなら導入初期の体験、半年や1年の更新時期に集中しているなら更新前の接点や価値の伝え方に課題がある、といった具合に、次に見るべき場所が分かります。また、施策を始めた月以降のコホートだけ残り方が良くなっていれば、施策の効果を確かめる材料にもなります。
解約理由を集めて分類する
数字の偏りが見えたら、実際に解約した顧客の声を集めます。解約手続きの中で簡単なアンケートを用意する、営業やサポートの担当者が聞いた理由を記録する、といった方法があります。選択肢だけでなく自由記述の欄も設けておくと、想定していなかった理由に気づけます。
アンケートとあわせて、解約した顧客の何社かに短いヒアリングをお願いするのも有効です。選択肢では「価格」と答えていた顧客が、話を聞いてみると「社内で使う人が増えず、費用に見合わなくなった」と感じていた、ということもあります。件数は少なくても、理由の背景まで分かると施策を考えやすくなります。
集めた理由は、「価格」「機能が足りない」「使いこなせなかった」「担当者の異動や組織の変化」「他社への乗り換え」など、自社で対応できるかどうかが分かる単位で分類しておきます。なお、アンケートの回答は顧客が話しやすい理由に偏ることもあるため、次に紹介する利用データとあわせて読むと精度が上がります。
解約の予兆になる利用データを決める
最後に、解約した顧客が解約前にどんな使い方をしていたかを振り返ります。ログインの回数が減っていた、主要な機能を使っていなかった、問い合わせが急に増えていた、などの共通点が見つかれば、それが解約の予兆として毎週チェックする指標の候補になります。
この指標は、あとで紹介するヘルススコアや、利用状況に応じた連絡の起点として使います。最初は1〜2個の指標から始め、実際に解約との関係がありそうかを確かめながら増やしていくと、運用の負担を抑えられます。顧客の行動を段階ごとに整理したい場合は、カスタマージャーニーの作り方の手順も参考になります。
顧客データがツールや担当者ごとに散らばっていて分析が進まない場合は、koujitsuにお声がけください。データの整理と見える化から一緒に進めます。
お問い合わせはこちら
原因別に選ぶ、チャーンレートを改善する施策
原因の見当がついたら、それに合う施策を選びます。施策はたくさん並べるより、分析で見えた原因に直接効くものを1〜2個に絞って試すほうが、効果を確かめやすくなります。ここでは、よく使われる施策を原因ごとに紹介します。
導入初期の解約にはオンボーディングを整える
契約から間もない時期の解約が多い場合は、オンボーディング、つまり使い始めの体験に課題があることが多いです。顧客が「契約してよかった」と感じる最初の成果に、できるだけ早くたどり着けるように道筋をつくることが目的です。
具体的には、初期設定の手順を短くする、最初の1か月に送る案内メールを用意する、導入時の説明会や個別の打ち合わせを行う、といった方法があります。どの操作まで進んだ顧客が定着しやすいかを利用データから確認し、その操作までの案内を手厚くすると、限られた工数でも効果が出やすくなります。
個人向けのサービスでも考え方は同じです。初回の利用で何を体験してもらえれば次も使いたくなるのかを決め、そこまでの画面や案内をできるだけシンプルにします。登録直後に送るメールの内容を見直すだけでも、使い始めのつまずきを減らせることがあります。
利用が減った顧客には状況に合わせて連絡する
利用頻度の低下が解約の予兆になっている場合は、利用状況に合わせて、必要なタイミングで連絡を届ける仕組みをつくります。全員に同じメールを送るのではなく、ログインが減った顧客には活用のヒントを、特定の機能を使っていない顧客にはその機能の使い方を、というように内容を変えるのがポイントです。
この仕組みは、CRMやMAツールで顧客の状態を管理し、条件に応じて配信を自動化すると運用しやすくなります。CRMの基本や、SFA・MAとの違いはCRMの意味とできることの解説で整理しています。定期的な情報提供には、活用事例やアップデート情報をまとめたメルマガも使えます。配信の企画や原稿づくりを任せたい場合は、メルマガ制作代行サービスもあわせてご覧ください。
法人向けサービスはカスタマーサクセスで先回りする
法人向けのサービスで、担当者の異動や社内での活用の広がらなさが解約理由になっている場合は、カスタマーサクセスの取り組みが効果的です。カスタマーサクセスは、問い合わせを待って対応するサポートとは違い、顧客が成果を出せるように、こちらから先回りして働きかける役割を担います。
よく使われるのが、利用状況や問い合わせ内容、契約更新までの期間などを組み合わせて顧客の状態を点数化するヘルススコアです。点数が下がった顧客から優先して連絡すれば、少人数でも対応の抜け漏れを減らせます。カスタマーサクセスの考え方や立ち上げ方は、カスタマーサクセスの導入方法を解説した記事も参考にしてください。
決済失敗による解約は再決済と案内で防ぐ
非自発的な解約は、顧客がサービスを続けたいと思っていても起きてしまう解約です。支払いに失敗したときに、再決済と顧客への案内を自動で行う仕組みを整えるだけで、防げるケースがあります。
たとえば決済サービスのStripeは、公式ドキュメントで、失敗したサブスクリプションや請求書の支払いを自動で再試行して非自発的な解約を減らす機能を案内しています。再試行は期間と回数を指定でき、推奨の初期設定は2週間以内に8回とされています(Stripe公式ドキュメント「Automate payment retries」、2026年11月4日確認)。カードの紛失や盗難など、再試行しても通らない理由で失敗した場合は、新しい支払い方法の登録が必要になるとも説明されています。
自社で使っている決済サービスに同じような機能があるかを確認し、あわせて支払い失敗を知らせるメールや、支払い方法を更新するページへの導線を用意しておくと安心です。カードの有効期限が近い顧客に事前に案内を送るのも、手間のわりに効果を確かめやすい施策です。
価格が理由の解約にはプランの選択肢を用意する
解約理由に「価格が高い」「今は使う機会が少ない」が多い場合は、解約か継続かの二択ではなく、ほかの選択肢を用意することを検討します。下位プランへの変更、一時的な休止、利用量に合わせた料金設定などがその例です。
ただし、値下げやプラン変更は売上にも直接影響します。まずは解約を申し出た顧客の一部に選択肢を案内し、どれくらいの顧客がそれを選ぶか、その後も使い続けるかを確認してから広げるのが安全です。価格が理由に見えても、実際には価値が十分に伝わっていないことが原因の場合もあるため、利用データとあわせて判断しましょう。
解約の手続きは分かりやすく保ったうえで見直す
解約フローは、解約理由のアンケートを取ったり、プラン変更などの代わりの選択肢を案内したりできる大切な接点です。一方で、解約しにくくして数字を下げる方法は、顧客の信頼を損ねるうえ、法令上の問題になるおそれもあります。
消費者庁の「通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン」では、通信販売の最終確認画面で、申込みの撤回や解除に関する事項(条件、方法、効果など)を表示する必要があると示されています。解約の方法を特定の時間帯の受付に限るなど、消費者が想定しない限定がある場合は、リンク先に任せず最終確認画面でも明確に表示することが必要とされています。また、電話でしか解約を受け付けない場合は、確実につながる電話番号を掲載しておく必要があるとも書かれています(消費者庁「通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン」、2026年11月4日確認)。
対象となる取引かどうかは、契約の形やサービスの内容によって変わるため、具体的な判断は法務の担当者や専門家に確認してください。改善の方向としては、解約の手続き自体は分かりやすく保ち、そのうえで「解約の前に知っておくと役立つこと」を短く案内する形にすると、顧客との関係を損ねずに済みます。
期待とのずれが原因なら獲得の段階から見直す
グループ別の分析で、特定の広告や訴求から入った顧客だけ解約が多いと分かった場合は、獲得の段階に原因があるかもしれません。契約前に伝えている内容と、契約後に顧客が体験する内容のずれを小さくすることも、チャーンレートの改善策のひとつです。
広告やLPの表現が実際より大きな期待を持たせていないか、商談の中でできないことも正直に伝えているか、を見直します。短期的には契約数が少し減ることもありますが、続けてくれる顧客の割合が増えれば、結果として売上は安定しやすくなります。
利用状況に合わせたメールやLINEの配信を始めたいけれど、設計や運用に手が回らないという方は、koujitsuにご相談ください。シナリオの設計から配信の改善まで支援します。
お問い合わせはこちら
チャーンレート改善を社内で進める手順
分析と施策の考え方が分かったら、社内で改善を回す手順に落とし込みます。チャーンレートは営業、サポート、開発、マーケティングなど複数の部署にまたがる指標なので、担当と進め方を先に決めておくことが大切です。ここでは、無理なく続けられる進め方を4つの段階で紹介します。
追う指標と担当を決める
まず、定義をそろえたチャーンレートと、その手前にある予兆の指標をいくつか決めます。たとえば「月次のカスタマーチャーンレート」「契約3か月以内の解約率」「ログイン頻度が下がった顧客の数」などです。結果の指標と、日々の行動で動かせる指標を分けて持つと、毎週の打ち合わせで何をすればよいかが明確になります。
あわせて、指標ごとに確認する担当と、数字を見る頻度を決めます。データが複数のツールに分かれている場合は、ダッシュボードを一つにまとめておくと、関係者が同じ数字を見て話せるようになります。
施策の優先順位をつける
分析から出てきた施策の候補は、解約への影響の大きさと、実行のしやすさの2つの軸で並べると優先順位をつけやすくなります。影響が大きく、すぐに試せるものから着手するのが基本です。
決済失敗への対応や案内メールの追加のように、仕組みを少し変えるだけで試せる施策は、最初の候補になりやすいでしょう。一方、プロダクトの機能改善のように時間がかかるものは、分析の結果を開発チームと共有し、計画の中に組み込んでもらう形で進めます。
あわせて、施策ごとに「誰が実行するか」まで決めておくことも大切です。担当が決まっていない施策は、優先順位が高くても後回しになりがちです。少ない人数で回す場合は、同時に進める施策を2〜3個までに絞ると、一つひとつの結果を丁寧に確かめられます。
小さく試して効果を確かめる
施策は、いきなり全顧客に広げるのではなく、一部の顧客やグループで試してから広げます。施策を当てたグループと当てていないグループを比べることで、季節の変動などの影響を除いて効果を判断しやすくなります。
チャーンレートは結果が出るまでに時間がかかる指標です。数週間で判断するのが難しい場合は、ログイン頻度や主要な機能の利用率といった予兆の指標が改善しているかを先に確認し、解約率の変化は数か月単位で追いかけます。
振り返りを定例化する
最後に、月に一度など決まった間隔で、数字と施策の結果を振り返る場を持ちます。うまくいかなかった施策も記録しておくと、同じ失敗を繰り返さずに済みます。
振り返りでは、解約理由の分類に新しい傾向が出ていないか、予兆の指標と実際の解約の関係が変わっていないかも確認します。サービスや顧客層が変われば、解約の原因も変わっていくため、分析と施策を一度で終わらせず、少しずつ更新していく前提で進めましょう。
チャーンレート改善でつまずきやすいポイント
最後に、改善を進める中でつまずきやすい点を整理しておきます。どれも珍しいことではないので、あらかじめ知っておくだけで、遠回りをかなり減らせます。
一つ目は、途中で数え方を変えてしまうことです。数字が良く見えるように定義を変えると、改善の効果を正しく判断できなくなります。どうしても定義を変える必要がある場合は、過去の数字も同じ定義で計算し直してから比べるようにしましょう。
二つ目は、全体の平均だけを見てしまうことです。全体のチャーンレートが変わらなくても、グループごとには大きな変化が起きていることがあります。少なくとも料金プラン別と契約時期別の2つは、定期的に分けて確認しておくと安心です。
三つ目は、新規獲得と切り離して考えてしまうことです。解約が多い顧客層に向けて獲得の予算を使い続けていると、チャーンレートはなかなか下がりません。マーケティングと営業、カスタマーサクセスで同じ数字を共有し、どんな顧客を増やしたいのかを一緒に話し合うことが、長い目で見た改善につながります。
四つ目は、引き止めの割引に頼りすぎることです。解約を申し出た顧客に毎回大きな割引を出していると、一時的に解約は減っても売上が下がり、割引を目当てに解約を申し出る顧客が増えることもあります。割引はあくまで選択肢の一つと考え、根本的な原因への対策と組み合わせて使うようにしましょう。
チャーンレートの改善を、獲得からCRMまで通して見直したい方は、koujitsuにお問い合わせください。事業の状況に合わせて、優先して取り組む施策を一緒に整理します。
お問い合わせはこちら
社内で手が回らないときは外部の支援も選択肢になる
チャーンレートの改善は、データの整理、分析、配信の設計、ツールの設定など、地道な作業の積み重ねです。専任の担当者がいない会社では、日々の業務に追われて後回しになりがちです。社内に担当者を置けない部分だけを外部に任せるという使い方も考えてみてください。
koujitsuでは、CRM導入支援・運用代行サービスとして、CRM戦略の立案や顧客データの分析、ツールの選定・設定、メールやLINEの配信シナリオの設計、効果測定と改善提案までを支援しています。導入済みのCRMを改善したいというご相談にも対応しています。
MAツールを使った配信の設計や運用を任せたい場合はMA導入支援・運用代行サービス、HubSpotを使っていて設定の見直しやワークフローの自動化を進めたい場合はHubSpot導入支援・運用代行サービスもご用意しています。どこまでを社内で行い、どこからを任せるかは、相談しながら決めていただけます。
相談の前に、現在のチャーンレートの数え方、使っているツール、解約理由の記録があるかどうかを簡単にまとめておくと、話がスムーズに進みます。データが整っていなくても問題ありません。何がそろっていて何が足りないのかを確認するところから、一緒に始められます。
まとめ
チャーンレートを改善するには、まず顧客数で見るか売上で見るか、月次か年次かといった定義をそろえ、自社の数字の推移を基準にすることが出発点です。そのうえで、解約を自発的なものと非自発的なものに分け、顧客のグループ、契約時期、解約理由、利用データの順に原因を絞り込んでいきます。
施策は、導入初期の解約にはオンボーディング、利用の減少には状況に合わせた連絡、決済失敗には再決済と案内、価格が理由ならプランの選択肢、というように原因に合わせて選びます。解約の手続きは分かりやすく保ち、小さく試して効果を確かめながら広げていくことが、顧客との関係を保ちながら数字を動かすコツです。できるところから、一つずつ取り組んでみてください。
チャーンレートの改善に向けて何から始めればよいか迷っている方は、koujitsuにご相談ください。累計1,800社以上の支援実績をもとに、自社に合った進め方を一緒に考えます。
お問い合わせはこちら