リードクオリフィケーションとは?選別基準の作り方とMQL・SQLの受け渡し手順
展示会やウェビナー、資料ダウンロードでリードは集まってきたのに、営業からは「確度の低いリストばかり渡される」と言われ、マーケティング側は「渡したリードを追ってもらえない」と感じている。BtoBの現場では、こうしたすれ違いがよく起こります。原因の多くは、どのリードを、どの状態で、誰に渡すのかという決めごとがないことにあります。
その決めごとを作り、回していく工程がリードクオリフィケーションです。この記事では、リードクオリフィケーションの意味と位置づけを確認したうえで、選別に使う情報、基準の作り方、MQLからSQLへの受け渡しのルール、運用と見直しの進め方を順に整理します。点数の付け方そのものより、部門をまたいで選別を回すための全体像に絞って説明します。
リードは集まっているのに商談につながらないと感じている方は、koujitsuにご相談ください。今のリードの流れを一緒に整理し、営業に渡す基準づくりから伴走します。
お問い合わせはこちら
| 確認したい ポイント |
結論 | 詳細 |
| リードクオリフィケーションの意味は? | 営業に渡すリードを見極める工程 | 獲得・育成したリードの中から、今営業が接触すべき相手を基準に沿って選び、残りは育成に戻す。獲得と育成の後ろに位置する。 |
| 選別基準の作り方は? | 受注データと営業の声から決める | 過去の受注先の共通点を洗い出し、対象顧客の条件・関心の目安・対象外の条件を営業と合意して文章に残す。 |
| MQLからSQLへの渡し方は? | 渡す情報・期限・差し戻しを決める | 引き渡し時に共有する情報、最初の接触までの期限、担当者、合わない場合の差し戻し理由と戻し先を事前に決めておく。 |
Contact
お問い合わせ
マーケティングの課題、一度ご相談ください
事業戦略の設計から集客・制作・改善まで。累計1,800社以上の支援実績をもとに、貴社の状況に合わせた進め方をご提案します。
無料で相談するリードクオリフィケーションとは?営業に渡す相手を見極める工程
リードクオリフィケーションとは、獲得・育成したリードの中から、今営業が接触すべき相手を一定の基準で選び出す工程です。英語のqualificationには「資格を満たしているかを確かめる」という意味があり、日本語では「リードの選別」と言い換えられることもあります。選ばれたリードは営業やインサイドセールスに渡り、基準に届かなかったリードは育成の段階に戻ります。
ここで大事なのは、選別が「良いリードと悪いリードを分ける作業」ではない点です。今は検討の時期ではないだけで、半年後には有望な相手になるリードもあります。選別は「今渡すか、もう少し育てるか、対象外とするか」を振り分ける作業と考えると、基準の作り方や運用のルールを決めやすくなります。
リードジェネレーション・ナーチャリングとの関係
BtoBのマーケティングでは、見込み顧客を集めるリードジェネレーション、関係を深めて検討を進めてもらうリードナーチャリング、営業に渡す相手を選ぶリードクオリフィケーションの3つを、ひとつながりの流れとして扱うのが一般的です。この3つをまとめて商談の機会をつくる活動全体をデマンドジェネレーションと呼びます。全体の進め方はデマンドジェネレーションの3つのプロセスと進め方の記事で紹介しています。
3つの中でリードクオリフィケーションは、マーケティングの成果が営業の成果に切り替わる境目にあたります。獲得や育成がうまくいっていても、選別の基準があいまいだと、営業には温度の低いリードが混ざって届き、有望なリードは他のリードに埋もれてしまいます。集める・育てる施策と同じくらい、渡し方の設計が成果を左右します。
MQL・SQLとの関係
選別の結果を表す言葉として、MQLとSQLがあります。HubSpotのナレッジベースでは、MQLを「マーケティングチームにより営業チームへの引き渡しが可能と判断されたコンタクトまたは会社」、SQLを「営業チームにより可能性のある見込み客と判断されたコンタクトまたは会社」と説明しています(HubSpot ナレッジベース「ライフサイクルステージを使用する」)。
この定義から分かるように、MQLはマーケティングが判断する段階、SQLは営業が判断する段階です。リードクオリフィケーションは、MQLを決める基準と、MQLをSQLへ進めるかを確かめる手順の両方を含みます。MQLとSQLそれぞれの意味や部門の協業についてはMQLとSQL~マーケティング部門と営業部門の協業で詳しく説明しているので、あわせて参考にしてください。
リードクオリフィケーションが必要になる理由
リードクオリフィケーションが必要になるのは、リードの数が増えるほど、すべてに同じ熱量で対応することができなくなるからです。BtoBの商材は検討期間が長く、関わる人も多いため、同じ日に獲得したリードでも、情報収集を始めたばかりの人と、比較検討の最終段階にいる人が混ざっています。ここでは、選別がないと起こりやすい問題を3つの面から見ていきます。
営業の時間が検討初期のリードに取られる
選別をせずにリードを渡すと、営業は検討初期の相手への連絡にも時間を使うことになります。電話をかけても「まだ情報を集めている段階です」と言われる件数が増えると、本当に急いで対応すべきリードへの連絡が遅れるおそれがあります。
営業の人数や時間には限りがあります。誰から順に連絡するかを決める仕組みがあれば、同じ人数でも、検討が進んでいる相手に先に時間を使えるようになります。選別は営業の負担を減らすためだけでなく、有望な商談を取りこぼさないための仕組みでもあります。
見込み顧客にとって早すぎる連絡になる
資料を1つダウンロードしただけの段階で営業から電話がかかってくると、見込み顧客は「まだそこまで考えていない」と感じることがあります。相手の検討段階に合わない連絡は、関係を深めるどころか距離を置かれる原因になります。
選別の基準があれば、検討初期の相手にはメールや事例記事で情報を届け、検討が進んだと判断できた相手に営業が声をかける、という順番を作れます。相手の状況に合わせて接点を変えることは、見込み顧客にとっても負担の少ない進め方です。
マーケティングと営業の間に不信感が生まれる
「良いリード」の定義が部門ごとに違うと、マーケティングはリードの件数で成果を測り、営業は商談の数で成果を測るようになります。その結果、マーケティングは渡したつもり、営業は受け取っていないつもりという食い違いが起こりやすくなります。
リードクオリフィケーションの基準を両部門で決めておけば、何を満たしたリードを渡すのか、渡されたリードにいつまでに対応するのかが共通の言葉になります。すれ違いの原因を個人の頑張りではなく、決めごとの問題として話し合えるようになることも、選別を整える大きな意味です。
選別に使う4つの判断材料
リードを選別するときに見る情報は、対象顧客に合っているか、関心が高まっているか、具体的な検討条件がそろっているか、対象外の条件に当たらないかの4つに分けると整理しやすくなります。前の2つはデータから判断しやすく、3つ目は会話で確かめることが多い情報です。4つ目は見落とされがちですが、選別の精度に大きく関わります。
| 判断材料 | 主な例 | 確かめ方 |
| 対象顧客との合致(属性) | 業種、従業員規模、所在地、部署、役職 | フォームの入力内容、企業データ |
| 関心の高まり(行動) | 料金・事例ページの閲覧、資料請求、ウェビナー参加、問い合わせ | MAやWeb解析の行動履歴 |
| 検討条件(会話で確認) | 予算、決裁者、課題、導入時期 | インサイドセールスのヒアリング |
| 対象外の条件 | 競合企業、学生・個人、サービス提供エリア外、配信停止 | 入力内容の確認、営業からの差し戻し |
対象顧客に合っているか(属性)
属性は、そのリードが自社のサービスを提供できる相手かどうかを判断する材料です。業種や従業員規模、部署、役職などが当たります。どれだけ関心が高くても、提供できない相手であれば商談には進めません。逆に属性が合っている相手は、今は関心が低くても、育成を続ける価値があります。
属性で選別するには、自社にとっての対象顧客を言葉で決めておく必要があります。特定の企業群に絞って営業とマーケティングを進めるやり方はABM(アカウントベースドマーケティング)と呼ばれ、狙う企業を先に決める点で、属性による選別と考え方が近い部分があります。
関心が高まっているか(行動)
行動は、そのリードが今どのくらい検討を進めているかを示す材料です。料金ページや導入事例の閲覧、資料請求、ウェビナーへの参加、問い合わせなどが当たります。同じ行動でも、ブログ記事の閲覧と料金ページの閲覧では、検討の深さが違うため、どの行動を重く見るかを決めておくことが大切です。
行動を点数に置き換えて合計する方法がリードスコアリングです。点数の付け方や配分には自社のデータに合わせた設計が必要なので、この記事では深く扱いません。選別の全体像の中では、「どの行動が商談につながりやすいか」を営業と一緒に確かめることを優先すると、後から点数を付けるときにも迷いにくくなります。
検討条件がそろっているか(会話で確認する情報)
予算や決裁者、導入時期などは、フォームの入力やWeb上の行動だけでは分からないことがほとんどです。そこで、インサイドセールスなどが電話やメールで話を聞き、検討条件を確かめます。このときによく使われる観点が、予算(Budget)、決裁権(Authority)、必要性(Needs)、導入時期(Timeframe)の頭文字を取ったBANTです。
ただし、BANTの4つがすべてそろわないと商談に進めない、という使い方はおすすめしません。検討の初期には予算や時期が決まっていないことも多く、そこで機械的に対象外にすると、これから育つ相手を逃してしまいます。たとえば「課題がはっきりしていて、導入時期の見通しがある」など、自社にとって商談に進める最低限の条件を決めておく使い方が現実的です。
対象外にする条件
選別の基準というと「渡す条件」ばかりに目が向きがちですが、渡さない条件を先に決めておくと、営業に届くリードの質が大きく変わります。競合企業からの資料請求、学生や個人の情報収集、サービスを提供していない地域からの問い合わせ、メール配信を停止した人などが代表的です。
対象外の条件は、営業からの差し戻し理由を集めると見つかることが多くあります。「同業他社だった」「個人の学習目的だった」といった理由が繰り返し出てくるなら、それを入力フォームの項目や除外のルールに反映させましょう。対象外と判断したリードも、削除せずに理由とあわせて記録しておくと、後で基準を見直すときの材料になります。
自社にとっての「渡すべきリード」の条件がまだ言葉になっていない場合は、koujitsuにご相談ください。受注データや営業の声を整理しながら、選別の基準づくりをお手伝いします。
お問い合わせはこちら
リードクオリフィケーションの基準を作る6つの手順
選別の基準は、マーケティングだけで決めず、営業と一緒に、過去の受注データを根拠に作るのが基本です。最初から完璧な基準を目指す必要はありません。まずは仮の基準を決めて運用し、結果を見て直していく前提で進めると、立ち上げまでの時間を短くできます。ここでは基準を作る流れを6つの手順で紹介します。
手順1:過去の受注・失注を振り返る
最初に、過去に受注した顧客と、商談まで進んだものの失注した顧客の情報を集めます。業種や規模、問い合わせの経路、受注までに見た資料や参加したセミナーなどを並べてみると、受注した顧客に共通する属性と行動が見えてきます。
データがCRMやSFAに入っていれば、そこから抽出するのが近道です。顧客情報と営業活動の記録をどのツールで管理するかが決まっていない場合は、CRMとSFAの違いと役割分担の記事も参考になります。データが少ない場合は、営業担当者に「決まりやすかった顧客の特徴」を聞き取るところから始めても構いません。
手順2:対象とする顧客像を言葉にする
振り返りの結果をもとに、自社がサービスを提供したい顧客像を文章にまとめます。「従業員○名以上の製造業で、情報システム部門の課長以上」のように、誰が読んでも同じ相手を思い浮かべられる表現にするのがポイントです。
顧客像は1つに絞る必要はありません。商材や部署ごとに複数の顧客像がある場合は、それぞれ分けて書き出しておきます。あわせて、前の章で触れた対象外の条件も、この段階で書き出しておくと後の手順がスムーズです。
手順3:MQLの条件を決める
次に、マーケティングが「営業に渡せる」と判断するMQLの条件を決めます。対象顧客の条件を満たしていることと、一定以上の関心を示す行動があることを組み合わせるのが一般的です。たとえば「対象業種・規模に当てはまり、料金ページを見たうえで資料請求をした」といった形です。
行動の条件には、合計点で判断するやり方と、特定の行動があれば渡すやり方があります。問い合わせや見積もり依頼のように、それだけで検討が進んでいると分かる行動は、合計点を待たずにすぐ渡すルールにしておくと、対応の遅れを防げます。
手順4:SQLに進める条件を決める
MQLとして渡されたリードを、営業が本格的に商談として扱うSQLに進める条件も決めておきます。ここでは、インサイドセールスなどが接触して確かめる検討条件が中心になります。「どの条件が確認できたら商談に進めるか」を営業側が言葉で示すことが大切です。
SQLの条件は、営業の人数や商材の単価によっても変わります。単価が高く検討に時間がかかる商材なら、課題と導入時期の見通しが確認できた段階で商談に進めることもありますし、件数が多い商材なら、予算と決裁者まで確認してから進めることもあります。自社の営業の進め方に合った線を引きましょう。
手順5:受け渡しのルールを合意する
条件が決まったら、受け渡しのルールをマーケティングと営業で合意します。渡すときに共有する情報、最初の接触までの期限、担当の決め方、合わなかったときの差し戻し方などです。このような部門間の約束事をSLA(サービスレベル合意)と呼ぶこともあります。
基準だけ決めて受け渡しのルールを決めないと、渡したリードが放置されたり、差し戻しの理由が残らなかったりします。ルールの中身は次の章で詳しく説明します。合意した内容は、担当者が替わっても引き継げるように、日付と一緒に文書に残しておきましょう。
手順6:小さく試して数字を確かめる
基準とルールがそろったら、一部の商材や期間に限って試します。運用してみると、「MQLの数が多すぎて営業が追いきれない」「条件が厳しすぎてほとんど渡せない」といったずれが見つかります。最初の数か月は、基準が合っているかを確かめる期間と位置づけ、定期的に営業と結果を見直しましょう。
試す期間中は、MQLの件数だけでなく、営業が実際に接触できたか、商談に進んだか、差し戻された理由は何かもあわせて記録します。これらの記録が、後の見直しで基準を直すときの根拠になります。
選別の基準を作ったものの、MAやSFAの設定に落とし込めていない方は、koujitsuにお任せください。HubSpotなどのツールの設定から運用ルールづくりまで支援します。
お問い合わせはこちら
MQLからSQLへの受け渡しで決めておくこと
リードクオリフィケーションの成果が最も表れるのが、マーケティングから営業への受け渡しの場面です。基準を満たしたリードを渡すだけでなく、渡した後の動きまで決めておくことで、選別の効果が商談の数として表れるようになります。ここでは受け渡しで決めておきたい4つの点を見ていきます。
| 決めておくこと | 内容の例 |
| 渡す情報 | 会社・担当者の情報、獲得経路、閲覧した資料やページ、問い合わせ内容 |
| 対応期限と担当 | 最初の接触までの期限、担当の割り振り方、期限を過ぎたときの扱い |
| 差し戻しの理由 | 接触できない、対象外、時期が先、情報の誤りなどの選択肢 |
| 戻し先 | 育成に戻す、対象外として記録する、担当を変えて再度接触する |
引き渡し時に渡す情報
営業が最初の連絡で話す内容を考えられるように、リードの基本情報に加えて、どんな経路で獲得し、何に関心を示したかを一緒に渡します。どの資料をダウンロードしたか、どのウェビナーに参加したか、問い合わせに何と書かれていたかが分かれば、相手の関心に合わせた会話を始められます。
渡す情報は、ツールの画面で見られるようにしておくのが理想です。メールや表計算ファイルで個別に送る運用だと、情報が散らばり、後から経緯を追えなくなります。MAとSFAを連携させ、営業が普段使う画面で行動履歴を確認できるようにしておくと、受け渡しの手間も減らせます。
対応期限と担当者
受け渡しのルールの中でも、特に効果が出やすいのが対応期限です。渡されたリードに、誰が、いつまでに最初の連絡をするのかを決めておくと、リードの放置を防げます。問い合わせのように検討が進んでいる相手ほど、連絡が遅れるほど他社との比較が進んでしまう可能性があります。
担当の割り振り方も決めておきましょう。地域や業種、企業規模で担当を分けるのか、順番に割り振るのかによって、営業の負担の偏り方が変わります。期限を過ぎても連絡がなかった場合に、誰に知らせて、どう扱うかまで決めておくと、ルールが形だけになりにくくなります。
差し戻しと理由の記録
営業が接触した結果、商談に進めないと判断したリードは、理由をつけてマーケティングに戻します。理由を「その他」や自由記述だけにせず、あらかじめ決めた選択肢から選ぶ形にすると、後から集計しやすくなります。たとえば「接触できない」「対象外の企業」「導入時期が先」「予算がない」「情報に誤りがある」などです。
差し戻しの理由は、選別の基準を直すための一番の材料です。「対象外の企業」が多ければ属性の条件を、「導入時期が先」が多ければ行動の条件や渡すタイミングを見直す、というように、理由ごとに打ち手が変わります。理由の入力を必須にしておかないと記録が残らないので、ツールの設定とあわせて徹底しましょう。
育成に戻す経路
差し戻されたリードや、SQLに進まなかったリードを、そのまま放っておくのはもったいないことです。「時期が先」と判断されたリードは、育成の対象として戻す経路をあらかじめ用意しておきます。メールでの情報提供や、検討段階に合ったセミナーの案内などで関係を続け、再び関心が高まったときに改めて渡します。
HubSpotのナレッジベースでは、ライフサイクルステージは既定の自動更新では前方にのみ進み、前の段階に戻す場合は手順が必要だと説明されています(HubSpot ナレッジベース「ライフサイクルステージを使用する」)。使っているツールで「育成に戻す」をどう表現するかは、運用を始める前に確認しておくと安心です。
リードクオリフィケーションを回す体制とツール
リードクオリフィケーションは、基準を決める人、判定する人、接触して確かめる人、結果を返す人がそろって初めて回ります。少人数の会社では1人が複数の役割を兼ねることもありますが、役割そのものは分けて考えておくと、どこが詰まっているのかを見つけやすくなります。
マーケティング・インサイドセールス・営業の役割
一般的には、マーケティングがMQLの判定までを担い、インサイドセールスがMQLに接触して検討条件を確かめ、商談に進めると判断したリードをSQLとして営業に渡します。インサイドセールスは、マーケティングと営業の間で選別の精度を高める役割を持っています。
インサイドセールスの部署がない場合は、営業担当者が最初の接触を兼ねるか、マーケティング担当者が電話で確認するかを決めます。インサイドセールスを新しく置く場合の進め方は、インサイドセールスの立ち上げ方の記事で手順を紹介しています。
MA・SFA・CRMと表計算の使い分け
MAは行動履歴の記録や条件に合ったリードの抽出、SFAは商談の進み具合や営業活動の記録、CRMは顧客情報の管理に使われます。これらを連携させると、行動の記録から判定、引き渡し、差し戻しまでを1つの流れとして追えるようになります。
ただし、ツールがないと選別を始められないわけではありません。リードの件数が少ないうちは、表計算で対象顧客の条件と行動、判定結果、差し戻し理由を記録するだけでも、基準の検証は進められます。運用が固まり、件数が増えてきた段階でツールに移すと、設定の手戻りも少なくなります。
選別の効果を測る指標と見直しの進め方
リードクオリフィケーションの効果は、MQLの件数だけでは測れません。基準を緩めればMQLは増え、厳しくすれば減るため、件数は基準の設定しだいで動いてしまうからです。件数と一緒に、渡したリードがどれだけ商談や受注につながったかを見ることで、基準が合っているかを判断できます。
見ておきたい主な指標
見ておきたいのは、MQLの件数、MQLのうち営業が受け入れた割合、SQLに進んだ割合、商談化した割合、受注した割合、そして差し戻しの理由の内訳です。割合を見るときは、分母をどこに置くかを決めて、毎回同じ数え方で比べることが大切です。
たとえば「SQLに進んだ割合」を、渡したMQL全体で割るのか、営業が接触できたリードだけで割るのかで、数字の意味は変わります。数え方が月ごとに変わると、基準を変えた効果なのか、数え方を変えた影響なのかが分からなくなります。最初に決めた数え方を、関係者で共有しておきましょう。
見直しの順番
数字に変化が出たときは、基準を変える前に、データの入り方と受け渡しのルールが守られているかを先に確認します。差し戻しの理由が「情報の誤り」や「担当の割り振り違い」に偏っているなら、問題は基準ではなく、フォームの項目や割り振りのルールにあります。
そのうえで、「対象外の企業」が多いなら属性の条件を、「導入時期が先」が多いなら行動の条件や渡すタイミングを見直します。見直しは月に1回など定期的に営業と一緒に行い、変えた内容と理由を日付と一緒に記録しておくと、次の見直しで前回の判断を振り返れます。
MQLは出ているのに商談化率が上がらない、差し戻しの理由が残っていない、といった状況でお困りなら、koujitsuにご相談ください。数字の見方から一緒に整理します。
お問い合わせはこちら
リードクオリフィケーションでつまずきやすいポイント
リードクオリフィケーションは、基準を作ること自体よりも、運用を続ける中でずれが生まれやすい取り組みです。よくあるつまずきを先に知っておくと、運用を始めたあとに同じ失敗を避けやすくなります。ここでは特によく見られる4つのつまずきを紹介します。
件数の目標に合わせて基準を動かしてしまう
MQLの件数を目標にしていると、目標に届かない月に基準を緩め、多すぎる月に厳しくしたくなります。しかし、件数に合わせて基準を動かすと、MQLの意味が月ごとに変わり、商談化率の比較ができなくなります。基準を変えるのは、差し戻しの理由や商談化の結果から根拠が見えたときに限りましょう。
点数だけで判断してしまう
点数による判定は便利ですが、点数が高いことと、今商談に進められることは同じではありません。ブログ記事をたくさん読む情報収集中の人が高い点数になることもあれば、点数は低くても問い合わせ1回で検討が進んでいる相手もいます。点数は判断の目安の1つとし、特定の行動や会話で確かめた内容と組み合わせて判断するのが現実的です。
選ばれなかったリードを放置してしまう
基準に届かなかったリードや差し戻されたリードを、そのまま放置してしまうケースもよくあります。選別は「今は渡さない」と決める作業であり、関係を終わらせる作業ではありません。育成に戻す経路と、再び渡す条件を決めておくことで、獲得にかけた費用を無駄にせずにすみます。
部門ごとに言葉の意味が違う
マーケティングが言う「MQL」と、営業が考える「渡されたリード」の意味がずれていると、同じ数字を見ても評価が食い違います。ツールに最初から用意されているステータス名をそのまま使っている場合も、その名前が自社でどんな状態を指すのかを文章で定義しておく必要があります。定義は合意した日付とあわせて残し、変えたときは関係者に知らせましょう。
リードクオリフィケーションを外部に相談する場合
リードクオリフィケーションは社内で進められる取り組みですが、基準づくり、ツールの設定、運用の見直しを同時に進めるには手間がかかります。マーケティング担当者が少ない会社や、MAやSFAを入れたものの使いこなせていない会社では、外部の支援を使うのも1つの方法です。
koujitsuのMA導入支援・運用代行サービスでは、MAの戦略立案から導入・初期設定、顧客の行動に応じたシナリオ設計、属性やWeb上の行動を使ったリードスコアリング、MA・CRM・SFAの連携設計、商談化率などの効果測定と改善までを支援しています。HubSpot、Marketo、Account Engagement(旧Pardot)などのツールに対応しています。
営業側の仕組みを整えたい場合は、SFA導入支援・運用代行サービスで、営業プロセスの整理やSFAの設計・初期設定、運用ルールづくり、MAとの連携によるデータの一元化を支援しています。マーケティングと営業の両方の仕組みをつなげて考えられるのが、外部に相談するときの利点です。
まとめ
リードクオリフィケーションは、獲得・育成したリードの中から、今営業が接触すべき相手を選び出し、残りを育成に戻す工程です。MQLはマーケティングが、SQLは営業が判断する段階であり、その両方の基準と、間をつなぐ受け渡しのルールを決めることが選別の中身になります。
基準は、過去の受注データと営業の声をもとに、対象顧客の条件、関心の目安、対象外の条件を言葉にして作ります。そのうえで、渡す情報、対応期限、差し戻しの理由と戻し先を決め、商談化の結果を見ながら定期的に見直します。件数ではなく、渡したリードが商談につながったかで基準を確かめることが、選別をうまく回す近道です。
リードの選別基準づくりやMQL・SQLの受け渡しの仕組みを整えたい方は、koujitsuにお問い合わせください。累計1,800社以上の支援実績をもとに、自社に合った進め方を一緒に考えます。
お問い合わせはこちら