装飾

Columnコラム

リードスコアリングの設計方法|属性・行動の配点、減点、閾値の決め方と見直し

リードスコアリングの設計方法|属性・行動の配点、減点、閾値の決め方と見直し

MAツールを入れてリードが増えてくると、「どのリードから営業が連絡すればいいのか」で迷う場面が出てきます。そこで使われるのがリードスコアリングです。リードの属性や行動に点数をつけ、合計点で優先順位を決めます。ただ、いざ設計しようとすると「何点をつければいいのか」「何点で営業に渡すのか」で手が止まりがちです。

この記事では、リードスコアリングの点数設計に絞って、属性と行動の配点、減点と除外、閾値(営業に渡すライン)の決め方、運用後の見直し方を順に整理します。点数に業界共通の正解はなく、自社の受注・失注の記録に合わせて決めて、運用しながら直していくものと考えると、最初の一歩が軽くなります。記事中の点数例はすべて説明のための仮の値です。

リードスコアリングの点数設計で迷っている方は、koujitsuにご相談ください。受注データの整理から配点・閾値の設計、MAツールへの設定まで一緒に進めます。
お問い合わせはこちら

確認したい
ポイント
結論 詳細
属性・行動の配点の決め方は? 受注した顧客の共通点から決める 受注・失注リードを比べ、差が大きい属性や行動に高い点を置く。最初は項目を絞り、満点と上限を先に決めておく。
営業に渡す閾値の決め方は? 過去データに当てはめて仮の線を引く 過去のリードを採点して受注者が多く入る点数を探し、営業が対応できる件数に収まるかで調整する。
スコアを見直すタイミングは? 四半期ごとと商材が変わったとき スコア帯ごとの商談化率を見て、点数が高いほど商談になっているかを確認する。直すのは一度に1か所ずつ。

リードスコアリングとは?点数で「連絡する順番」を決める仕組み

リードスコアリングとは、見込み顧客(リード)の属性と行動に点数をつけ、合計点で営業が優先して連絡する相手を決める仕組みです。展示会やWebのフォームで集めたリードは、すぐに導入を検討している人から情報収集の途中の人まで混ざっています。全員に同じように電話をかけると、営業の時間が足りなくなります。

点数があれば、「この点数を超えたら営業へ渡す」「それまではメールで情報提供を続ける」といった線引きを、担当者の勘ではなく同じ基準で行えます。マーケティングと営業が同じ数字を見て話せるようになることも、スコアリングを入れる大きな理由です。

点数は「属性」と「行動」の2本立てで考える

スコアは大きく、自社の顧客像にどれだけ合っているかを表す属性スコアと、どれだけ関心を示しているかを表す行動スコアの2つに分けて考えます。属性は業種、会社の規模、役職、部署などの情報です。行動は資料のダウンロード、料金ページの閲覧、ウェビナーへの参加などの動きです。

この2つは意味が違うので、合計点だけでなく別々にも見られるようにしておくと判断しやすくなります。たとえば、属性はぴったりなのに行動がほとんどない相手と、行動は多いのに対象外の業種の相手では、取るべき対応が違うからです。HubSpotでも、行動にもとづくエンゲージメントスコアと、属性にもとづく適合スコアを分けて作れるようになっています(HubSpot ナレッジベース「リードスコアリングツールの概要」、2026年11月5日確認)。

スコアは選別を助ける道具の一つ

リードスコアリングは、リードを選別する工程(リードクオリフィケーション)を助ける道具の一つです。点数が高いことは「連絡する価値が高そう」という目安であり、購入の意思そのものではありません。最終的に商談に進めるかどうかは、インサイドセールスや営業が会話の中で予算や導入時期を確かめて判断します。

リードを集めてから育て、選んで営業に渡すまでの全体の流れは、デマンドジェネレーションの進め方の記事で整理しています。この記事では、そのうち「点数をどう決めて、どう直すか」に絞って説明します。

点数を決める前にそろえておく3つのこと

配点を考え始める前に、営業に渡したいリードの姿、過去の受注・失注の記録、点数の満点と項目数の3つをそろえておきます。ここを飛ばして「メール開封は1点、資料請求は10点」と決めていくと、根拠のない点数表ができあがり、営業に信用されないまま使われなくなりがちです。

営業に渡したいリードを言葉にする

最初に、営業と一緒に「どんなリードなら今すぐ連絡したいか」を言葉にします。業種や規模の条件と、どんな行動をしていたら話を聞いてもらえそうかを、営業担当者の実感から書き出してもらうのが近道です。たとえば「従業員100名以上の製造業で、情報システム部の課長以上。料金ページを見て事例資料をダウンロードしている」といった具合です。

この段階では細かい点数は決めず、条件の候補を出すだけで十分です。インサイドセールスがある会社では、営業に渡す条件をすでに決めていることも多いので、インサイドセールスの立ち上げ方で紹介している引き渡し条件の考え方とあわせて見直すと、ずれが生まれにくくなります。

受注・失注のデータから共通点を探す

次に、過去に受注した顧客と、商談まで進んだものの失注した顧客、商談にならなかったリードを並べて比べます。受注した顧客に多く、そうでない顧客に少ない属性や行動ほど、高い点数をつける候補になります。逆に、どちらにも同じくらい見られる行動は、点数をつけても優先順位の判断に役立ちません。

比べるためには、MAやCRM、SFAにリードの属性と行動、商談の結果がつながった形で残っている必要があります。記録がばらばらなら、点数設計より先にデータの置き場所をそろえるほうが効果的です。CRMとSFAの役割の分け方はCRMとSFAの違いの記事も参考にしてください。

満点と項目数を先に決めておく

点数の目盛りは、100点満点など分かりやすい上限を決め、属性と行動にそれぞれ何点まで割り振るかを先に決めると扱いやすくなります。上限がないと、行動の多いリードの点数がどこまでも伸び、ほかのリードとの比較がしにくくなるためです。

項目数は、最初は少なめに絞るのがおすすめです。項目が多いと、どの項目が点数を押し上げたのかを後から説明しにくくなり、見直しにも時間がかかります。まずは受注との関係がはっきりしている項目だけで始め、運用しながら足していくほうが続けやすくなります。

過去の受注データからスコアリングの項目を選びたい方は、koujitsuにご相談ください。CRMやSFAのデータ整理から一緒に取り組みます。
お問い合わせはこちら

属性スコアの配点の決め方

属性スコアは、自社が受注しやすい顧客像にどれだけ近いかを点数にしたものです。業種、従業員数、役職、部署、地域など、フォームの入力や名刺の情報から分かる項目を使います。行動と違って時間がたっても変わりにくいので、一度決めた点数がそのまま残り続けることに注意して配点します。

業種・規模・役職の点数例

属性の配点は、受注の多い条件に高い点、関係の薄い条件に低い点や0点を置くのが基本です。下の表は、100点満点のうち属性に40点を割り振った場合の例です。点数は説明のための仮の値なので、自社の受注データに合わせて置き換えてください。

項目 条件(例) 点数(仮の値)
業種 主な受注業種に当てはまる +15
業種 関連する業種 +5
従業員数 受注の多い規模に当てはまる +10
役職 部長以上・決裁に関わる立場 +10
役職 課長・主任など検討の担当 +5
部署 製品を使う部署に当てはまる +5

同じ項目の中で条件ごとに点数を変えると、合計の上限を超えないように調整しやすくなります。たとえば役職なら、決裁に関わる立場と検討を担当する立場で点数を分けます。項目ごとの最大点を足した合計が、属性に割り振った上限に収まるかを、表を作った時点で確認しておきましょう。

空欄のリードは減点しない

属性の情報は、入力されていないことがよくあります。フォームの項目を減らしていたり、名刺に部署が書かれていなかったりするためです。情報が空欄であることと、条件に合わないことは分けて扱い、空欄だけを理由に減点しないようにします。空欄を減点すると、実は条件に合う相手まで点数が下がってしまいます。

空欄が多い場合は、点数をつける前に情報を集める工夫を考えます。資料ダウンロードのたびに別の項目を1つずつ聞く、インサイドセールスの会話で確認して記録する、といった方法です。どの項目をどこで集めるかを決めておくと、属性スコアの精度が少しずつ上がっていきます。

会社の点数と個人の点数を分けて見る

BtoBでは、同じ会社から複数の人がリードとして登録されることがあります。会社として条件に合うかと、その人が検討に関わる立場かは、別の問いです。会社の規模や業種は会社単位、役職や部署は個人単位で点数をつけると整理しやすくなります。

HubSpotでは、コンタクト(個人)だけでなく会社に対してもスコアを作成できます(HubSpot ナレッジベース)。複数の担当者の動きをまとめて見たい場合は、会社単位のスコアも用意しておくと、組織として関心が高まっている相手を見つけやすくなります。

行動スコアの配点の決め方

行動スコアは、リードがどれだけ自社に関心を示しているか、検討がどこまで進んでいるかを点数にしたものです。メールのクリック、Webページの閲覧、資料のダウンロード、ウェビナー参加、問い合わせなど、MAツールで記録できる動きを使います。属性と違って毎日変わるので、点数の上がり方と下がり方の両方を設計します。

検討の深さに合わせて重みを変える

行動の配点は、導入の検討に近い行動ほど高く、情報収集の入り口にあたる行動ほど低くするのが基本です。料金ページの閲覧や事例資料のダウンロードは比較・検討の段階の動きなので、ブログ記事の閲覧より高い点数にします。下の表は、100点満点のうち行動に60点を割り振った場合の例です。

行動 検討の段階(目安) 点数(仮の値)
問い合わせ・見積もり依頼 導入の検討 営業へ直接渡す(点数とは別扱い)
料金ページの閲覧 比較・検討 +15
導入事例資料のダウンロード 比較・検討 +10
ウェビナーへの参加 情報収集〜比較 +10
お役立ち資料のダウンロード 情報収集 +5
ブログ記事の閲覧 情報収集 +2
メール内リンクのクリック 接点の維持 +2

問い合わせや見積もり依頼のように、それだけで「今すぐ話したい」と分かる行動は、点数を足すより点数に関係なく営業へ渡すルールにしておくほうが確実です。点数の合計で判断すると、属性の点が低い相手の問い合わせが閾値に届かず、返信が遅れることがあるためです。

同じ行動の繰り返しには上限を設ける

ブログを何十本も読むリードや、メールのリンクを何度もクリックするリードは、それだけで点数が積み上がってしまいます。同じ種類の行動で加算できる点数に上限を設けると、軽い行動の繰り返しで閾値を超えるのを防げます。

HubSpotでは、スコア全体の上限(スコア上限)と、行動のグループごとに加減算できる点数の上限(グループ制限)を設定できます(HubSpot ナレッジベース「リードスコアリングツールの概要」)。ツールに同じ機能がない場合も、「ブログ閲覧は合計10点まで」のように表計算で上限を決めておくと、設計の考え方をそろえられます。

メールの開封は点数を小さくする

メールの開封は、つい点数をつけたくなる行動ですが、開封しただけでは、内容を読んで関心を持ったかどうかまでは分からないため、大きな点数は向きません。開封よりも、メール内のリンクをクリックして自社のページに来たかどうかを重く見るほうが、関心の強さを表しやすくなります。

同じ考え方で、会社のトップページの閲覧のように誰でも見るページにも大きな点数はつけないほうが無難です。点数をつける行動は、受注した顧客が商談の前によく取っていた行動から選び、データで確かめられないものは低めの点から始めましょう。

MAツールの行動データをスコアリングに生かしきれていない方は、koujitsuにご相談ください。記録する行動の整理から配点の設計、ツールへの設定まで支援します。
お問い合わせはこちら

減点と除外のルールを決める

加点だけで設計すると、点数は上がる一方で下がることがありません。その結果、半年前に資料をダウンロードしただけのリードが、今も高い点数のまま営業に渡されるといったことが起こります。減点、時間の経過による減衰、そして点数とは別の除外ルールの3つを組み合わせて、今の関心を表す点数に保ちます。

減点にする行動と属性

減点の対象にするのは、関心が下がったことや、対象から外れていることを示す動きです。行動では、メールの配信停止、採用ページだけを繰り返し見ている、長いあいだ反応がない、といったものが候補になります。属性では、対象にしていない業種や地域などが当てはまります。

減点の幅も仮の値から始めます。たとえば「配信停止は-10点」「対象外の業種は-10点」のように決め、加点の項目と同じ表に並べておくと全体のバランスを確認しやすくなります。HubSpotでも、ルールごとに点数を加算するか減算するかを選べ、減点が加点を上回るとスコアがマイナスになると説明されています(HubSpot ナレッジベース)。

時間がたった行動の点数を減らす(減衰)

行動の点数は、時間がたつほど小さくなるように設定すると、今まさに検討している相手が上位に来やすくなります。この仕組みを減衰(ディケイ)と呼びます。たとえば「最後の行動から一定期間たったら行動スコアを下げる」といった設定です。

HubSpotでは、イベントが発生してからの経過時間にもとづいて点数を自動で減らすスコア減衰を設定でき、間隔は1・3・6・12か月から選べます(1か月は30日として計算。HubSpot ナレッジベース「リードスコアリングツールの概要」、2026年11月5日確認)。どの間隔を選ぶかは、自社の商材の検討期間に合わせます。検討に半年以上かかる商材で1か月ごとに大きく減らすと、まだ検討中のリードまで点数が下がってしまいます。

点数ではなく「除外」で扱うもの

競合他社の社員、学生、取引先の担当者など、どれだけ行動しても営業に渡すべきでない相手は、減点ではなく除外のルールで扱います。減点だけだと、たくさん行動すれば点数が閾値を超えてしまうからです。除外リストを作って、スコアの計算や営業への通知の対象から外します。

HubSpotでは、スコアの対象にするレコードを包含リストで指定したり、除外リストで特定のレコードを外したりできます(HubSpot ナレッジベース)。除外の条件は、営業から「こういう相手は渡されても困る」という声を集めて決めると、実態に合ったものになります。

閾値(営業に渡すライン)の決め方

閾値は、「この点数を超えたら営業が連絡する」という線です。点数の付け方が決まっても、この線の位置で営業に渡る件数と質が大きく変わります。閾値は一度で正解を当てるものではなく、過去のデータで仮の線を引き、営業の対応件数と結果を見ながら動かしていくものと考えます。

過去のリードを採点して仮の線を引く

最初の閾値は、作った点数表で過去のリードを採点し直し、受注した顧客が多く入る点数の位置を探して決めます。たとえば、受注したリードの多くが商談の直前に60点以上だったなら、60点を仮の閾値の候補にします。ここでの60点も説明のための仮の値です。

過去のリードで試すと、配点の偏りにも気づけます。受注していないリードばかりが高い点数になる場合は、閾値ではなく配点のほうに問題がある可能性が高いです。ツールに設定する前に、表計算で過去のリードを採点してみるだけでも、多くの手戻りを防げます。

合計点1本か、属性×行動の2軸か

閾値の置き方には、合計点に1本の線を引く方法と、属性と行動を別々の軸にして組み合わせで判断する方法があります。合計点だけだと、属性がまったく合わない相手でも行動が多ければ線を超えてしまうため、属性に最低ラインを置くか、2軸で見る方法を検討します。

2軸で見る場合は、属性と行動をそれぞれ高・中・低に分け、「属性が高く行動も高い」相手はすぐ営業へ、「属性は高いが行動が低い」相手はメールで育成を続ける、と組み合わせごとに対応を決めます。HubSpotの複合スコアでは、適合度をA〜C(Aが高い)、エンゲージメントを1〜3(1が高い)で表すA1〜C3のラベルで分類できます(HubSpot ナレッジベース「リードスコアリングツールの概要」)。

行動:高 行動:中 行動:低
属性:高 すぐ営業へ渡す インサイドセールスが連絡 メールで育成を続ける
属性:中 インサイドセールスが連絡 メールで育成を続ける メールで育成を続ける
属性:低 内容を見て個別に判断 育成の対象から外すか検討 育成の対象から外すか検討

表の対応はあくまで一例です。マスごとに「誰が」「何をするか」まで決めておくと、閾値を超えたリードが放置されるのを防げます。点数で分けただけで、その後の動きが決まっていなければ、スコアリングを入れた意味が薄れてしまいます。

営業が対応できる件数から調整する

閾値の位置は、営業やインサイドセールスが実際に対応できる件数からも確かめます。閾値を低くしすぎると、渡されるリードが多すぎて連絡が追いつかず、高い点数の相手まで後回しになります。高くしすぎると、渡される件数が少なくなり、商談の数が足りなくなります。

たとえば、インサイドセールス1人が1か月に連絡できる件数を決め、その件数に近くなる点数を探すと、現場の負担と商談数のバランスを取りやすくなります。件数の目標を満たすためだけに閾値を下げると、商談につながらないリードが増えて営業の信頼を失いやすいので注意しましょう。

渡した後の結果を必ず記録する

閾値を決めたら、営業に渡したリードが商談になったか、見送ったならその理由は何かを必ず記録するルールを作ります。この記録がないと、閾値が適切かどうかを後から判断できません。「時期が早かった」「対象外だった」「連絡がつかなかった」など、見送りの理由を選択肢で残すと集計しやすくなります。

結果の記録はSFAやCRMに残すのが一般的です。営業の入力の負担が大きいと記録が止まるので、選択肢は少なく、入力する場面は1回にまとめる工夫が必要です。SFAの入力ルールづくりは、SFA導入支援・運用代行のページで紹介している支援内容も参考になります。

営業に渡す閾値や、渡した後の記録ルールを整えたい方は、koujitsuにご相談ください。マーケティングと営業の両方の視点から、無理なく回る運用を一緒に設計します。
お問い合わせはこちら

スコアの見直し方

リードスコアリングは、作って終わりではなく、商談や受注の結果と照らし合わせて直し続けることで精度が上がる仕組みです。商材やターゲット、Webサイトの構成が変われば、高い点数をつけるべき行動も変わります。見直しの指標、タイミング、直し方を決めておきましょう。

スコア帯ごとの商談化率を見る

見直しで最初に確認するのは、点数が高い帯ほど商談化率や受注率が高くなっているかです。リードを点数で「40点未満」「40〜59点」「60点以上」のように区切り、それぞれの商談化率を比べます。点数が高いほど商談化率も高ければ、スコアは優先順位の目安としておおむね機能しています。

点数帯と商談化率の関係が逆転していたり、差がほとんどなかったりする場合は、配点の見直しが必要です。HubSpotでは、スコアのしきい値ごとのレコード数の分布や、平均・最大・最小スコアの推移をレポートで確認できます(HubSpot ナレッジベース「リードスコアの履歴とパフォーマンスの表示」)。

見直すタイミングを決めておく

見直しの時期は、四半期ごとなど定期的なタイミングと、商材やターゲットが変わったタイミングの2つを決めておくと忘れにくくなります。定期的な見直しでは、スコア帯ごとの商談化率と、営業が見送ったリードの理由を確認します。

新しい製品を出した、料金ページの構成を変えた、主なターゲットの業種を広げた、といった変化があったときは、定期的な時期を待たずに見直します。点数をつけている行動のページが変わったのに配点だけ古いまま、ということが起こりやすいためです。見直しの場にはマーケティングと営業の両方が出て、数字と現場の感覚の両方を持ち寄りましょう。

直すのは一度に1か所ずつ

見直しで直す点が複数見つかっても、配点と閾値を同時に変えず、一度に1か所ずつ変えて結果を確かめるのがおすすめです。同時に変えると、商談化率が上がっても下がっても、どの変更が効いたのか分からなくなります。

変更した内容と日付は、点数表と一緒に履歴として残しておきます。誰がいつ何を変えたのかが分かれば、担当者が替わっても運用を引き継げます。HubSpotでは、個々のレコードについてスコアの推移や、スコアを変化させたイベントの一覧を確認できるので、個別のリードの点数の理由を調べるときに役立ちます(HubSpot ナレッジベース)。

MAツールで設定するときのポイント

点数表ができたら、MAツールに設定して自動で採点させます。ツールの画面で点数を考え始めるのではなく、表計算で作った点数表をツールに移す順番にすると、設定のミスや考えの抜けに気づきやすくなります。

HubSpotのリードスコアリングでできること

HubSpotのリードスコアリングツールでは、行動にもとづくエンゲージメントスコア、属性にもとづく適合スコア、両方を合わせた複合スコアを作成できます。ルールごとの加点・減点、スコア上限とグループ制限、スコア減衰、しきい値のラベル、包含・除外リストの設定も用意されています(HubSpot ナレッジベース「リードスコアリングツールの概要」、2026年11月5日確認)。

利用には、Marketing HubまたはSales HubのProfessional以上が必要で、コンタクトのスコアはMarketing Hub、取引のスコアはSales Hubが対象と案内されています。AIでコンタクトのスコアを作る機能はMarketing Hub Enterpriseが必要です。無料版と有料版の違いや初期設定の流れはHubSpotの使い方の記事で紹介しています。ほかのMAツールの機能の違いは、MAツール比較の記事で各社の公式情報をもとに整理しています。

本番の前にテスト用のリードで確かめる

ツールに設定したら、いくつかのリードを選んで、点数が設計どおりに付いているかを手で確かめてから本番の運用に入ります。受注した顧客、商談中の相手、対象外の相手など、性質の違うリードを選ぶと、加点・減点・除外のそれぞれが働いているかを確認できます。

閾値を超えたときに営業へ通知する、担当者を割り当てる、といった自動化もこの段階で動作を確かめます。点数は正しくても、通知が届かなければ営業は動けません。設定から運用までをまとめて任せたい場合は、HubSpot導入支援・運用代行のように、ツールの設定とワークフローの自動化を一緒に依頼できる支援もあります。

リードスコアリングでつまずきやすい点

リードスコアリングがうまく回らない原因は、点数の付け方そのものより、運用のルールや営業との合意が抜けていることにある場合が多くあります。よく見られるつまずきと、その防ぎ方を3つ紹介します。

項目を増やしすぎて説明できなくなる

項目を細かく増やすほど正確になりそうに思えますが、なぜこのリードが高い点数なのかを営業に説明できなくなると、スコアは信用されなくなります。営業から「この点数は何を見て付いているのか」と聞かれて、すぐ答えられる程度の項目数に抑えましょう。

項目を増やすのは、見直しで「この行動を入れたほうが商談化率と合う」と分かったときだけにします。効果が確かめられない項目は、思い切って外すことも大切です。

営業が点数を見なくなる

渡されたリードが商談にならない経験が続くと、営業は点数を見なくなります。これを防ぐには、設計の段階から営業に入ってもらい、配点と閾値の根拠を共有しておくことが欠かせません。渡したリードの結果を一緒に振り返る場を定期的に持つと、営業の声が配点に反映され、使われ続けるスコアになります。

営業が「このリードは良かった」と感じた理由を聞くと、点数表にない条件が見つかることもあります。そうした気づきを次の見直しに生かす流れを作っておきましょう。

担当者が決まっておらず放置される

スコアリングの設定は、誰が点数表を管理し、誰が見直しを決めるのかを決めておかないと、最初の設定のまま放置されやすいものです。マーケティング側に担当者を1人置き、見直しの日程と変更の記録を任せると、運用が続きやすくなります。

社内に担当できる人がいない場合は、点数表の管理や定期的な見直しを外部の支援会社に任せる方法もあります。顧客データ全体の整理から相談したい場合は、CRM導入支援・運用代行の内容もあわせて確認してみてください。

スコアリングの設計・運用を外部に任せる場合

社内にMAツールに詳しい担当者がいない、営業との調整まで手が回らないといった場合は、点数設計からツールへの設定、見直しまでを外部に任せる方法もあります。任せる場合でも、受注データの提供や営業の声の共有など、社内に残る役割はあります。

koujitsuのMA導入支援・運用代行では、MAの戦略設計、ツールの初期設定、シナリオ設計、リードスコアリング、メールマーケティング、CRM・SFAとの連携、効果測定と改善までを支援しています。HubSpot、Marketo、Account Engagement(旧Pardot)などのツールに対応しており、すでに使っているMAの設定を見直したいといった相談にも対応しています。

まとめ

リードスコアリングは、リードの属性と行動に点数をつけ、営業が連絡する順番を決める仕組みです。点数を決める前に、営業に渡したいリードの姿と過去の受注・失注の記録をそろえ、満点と項目数を決めておきます。属性は受注の多い条件に高い点を置き、空欄は減点しません。行動は検討に近いものほど高くし、同じ行動の繰り返しには上限を設けます。

減点と減衰で古い関心を下げ、営業に渡すべきでない相手は除外のルールで外します。閾値は過去のリードを採点して仮の線を引き、営業の対応件数と商談の結果を見ながら調整します。点数はスコア帯ごとの商談化率で確かめ、一度に1か所ずつ直していくことで、営業に信頼されるスコアに近づいていきます。

リードスコアリングの設計や見直しを相談したい方は、koujitsuにお問い合わせください。累計1,800社以上の支援実績をもとに、自社のデータに合った点数設計と運用の仕組みづくりを一緒に進めます。
お問い合わせはこちら