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コンテンツマーケティングのフレームワークとは?工程別の使い方と組み合わせ方を解説

コンテンツマーケティング フレームワーク

コンテンツマーケティングに取り組んでいると、「記事のテーマが思いつきで決まっている」「誰に向けたコンテンツなのか担当者ごとに認識がずれる」「公開したあと何を見て改善すればよいか分からない」といった悩みが出てきます。こうした悩みの多くは、個人の感覚に頼って進めていることが原因です。

そこで役に立つのがフレームワークです。3C分析やペルソナ、カスタマージャーニーマップ、PREP法、KPIツリーなどは、どれも有名な考え方ですが、コンテンツマーケティングのどの工程で、何のために使うのかを整理しておかないと、資料を作っただけで終わってしまいます。

この記事では、コンテンツマーケティングで使えるフレームワークを「現状分析」「ターゲット設計」「企画」「制作」「配信」「効果測定と改善」の工程ごとに整理し、それぞれの使い方と活用例、組み合わせ方、使うときの注意点を解説します。

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工程ごとに使うフレームワークは? 分析から改善まで工程ごとに使い分ける 現状分析は3C・SWOT、ターゲット設計はSTP・ペルソナ、企画は購買行動モデル、改善はKPIツリーとPDCAが中心です。
フレームワークの組み合わせ方は? 前の工程の結果を次の工程の入力にする 3Cで見えた強みをSTPとペルソナに渡し、ジャーニーからコンテンツマトリクスを作るように、つなげて使います。
使うときの注意点は? 埋めることを目的にしない 仮説で埋めた部分はデータや顧客の声で検証し、意思決定に使わない項目は省いて軽く運用することが大切です。

コンテンツマーケティングにおけるフレームワークとは

コンテンツマーケティングにおけるフレームワークとは

フレームワークとは、物事を考えたり整理したりするときの「枠組み」のことです。決まった観点や手順に沿って情報を並べることで、抜け漏れを防ぎ、チームで同じ前提を共有しやすくなります。

コンテンツマーケティングでは、フレームワークは「どんなコンテンツを、誰に、なぜ作るのか」を説明できる状態にするための道具と考えると分かりやすいでしょう。思いつきで記事を量産するのではなく、根拠のある企画を積み上げるために使います。

フレームワークを使うメリット

最大のメリットは、判断の根拠が残ることです。なぜこのテーマを選んだのか、なぜこの切り口にしたのかを後から振り返れるため、成果が出たときも出なかったときも、次の打ち手を考えやすくなります。

担当者の交代や外部パートナーへの依頼にも強くなります。ペルソナやジャーニーが言語化されていれば、新しく関わる人でも同じ方向を向いて企画や制作を進められます。属人化を防ぎ、品質を一定に保つという意味でも、フレームワークは役に立ちます。

マーケティング全般のフレームワークとの違い

3C分析やSTP分析は、もともとマーケティング戦略全体を考えるためのフレームワークです。コンテンツマーケティングで使う場合も考え方は同じですが、最終的なアウトプットが「コンテンツの企画」や「改善の打ち手」に落ちるように使う点が異なります。

各フレームワークの一般的な定義や書き方は、BtoBマーケティングで使えるフレームワーク12選を解説した記事で詳しく紹介しています。この記事では定義の説明は短くし、コンテンツマーケティングの工程の中でどう使うかに絞って解説します。

工程ごとに見るフレームワークの全体像

工程ごとに見るフレームワークの全体像

コンテンツマーケティングは、大きく「現状分析」「ターゲット設計」「企画」「制作」「配信」「効果測定と改善」という流れで進みます。フレームワークは、この工程のどこで使うかを決めておくと迷いにくくなります。

現状分析では3C分析とSWOT分析、ターゲット設計ではSTP分析・ペルソナ・カスタマージャーニーマップを使います。企画ではAIDMAやAISASなどの購買行動モデルとコンテンツマトリクス、制作では5W1HとPREP法が中心です。

配信ではトリプルメディアの考え方でチャネルを整理し、効果測定と改善ではKGI・KPIツリー、PDCAサイクル、OODAループを使います。すべてを一度に使う必要はなく、いま詰まっている工程から取り入れるのが現実的です。

工程を意識せずに使うと起きること

よくあるのは、ペルソナだけを丁寧に作り、企画や効果測定とつながっていないケースです。ペルソナ資料はあるのに、記事のテーマ選びはキーワードの検索ボリュームだけで決まっている、という状態では、せっかくの分析が活かされません。

フレームワーク同士は、前の工程の結果が次の工程の材料になるようにつなげて使うことで効果を発揮します。単体で完結させず、どの工程の判断に使うのかを決めてから着手することを意識してください。

現状分析で使うフレームワーク

現状分析で使うフレームワーク

最初の工程は、自社が置かれている状況を把握することです。市場や顧客、競合の状況を整理しないまま企画に進むと、競合と同じようなコンテンツばかりになり、自社が選ばれる理由が伝わりません。

現状分析の進め方は、マーケティングの現状分析の手法を解説した記事でも紹介しています。ここでは、コンテンツマーケティングで特に使う場面が多い3C分析とSWOT分析を取り上げます。

3C分析

3C分析は、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの観点で状況を整理するフレームワークです。コンテンツマーケティングで使う場合は、それぞれの観点を「情報」に置き換えて考えると、企画につながりやすくなります。

たとえば顧客の観点では「顧客がどんな悩みを抱え、どんな言葉で検索しているか」、競合の観点では「競合がどんなコンテンツを発信し、何を発信していないか」、自社の観点では「自社だけが語れる経験や知見は何か」を整理します。競合が扱っていないテーマと、自社が語れるテーマが重なる部分が、コンテンツで狙うべき領域の候補になります。

競合のコンテンツを調べるときは、検索上位の記事の構成やテーマ、ホワイトペーパーの種類、SNSでの発信内容などを確認します。競合の見方については、競合分析の進め方を解説した記事も参考にしてください。

SWOT分析

SWOT分析は、自社の強み(Strengths)・弱み(Weaknesses)と、外部環境の機会(Opportunities)・脅威(Threats)を整理するフレームワークです。3C分析で集めた情報を、自社にとってプラスかマイナスかで分類し直すイメージで使います。

コンテンツマーケティングでは、強みと機会の掛け合わせから「発信で打ち出すべきテーマ」を考えます。たとえば、制度改正や新しい技術の登場で顧客の関心が高まっている分野に、自社の専門知識があるなら、そこは優先して発信すべき領域です。

弱みの整理も役に立ちます。導入実績が少ない、知名度が低いといった弱みがある場合は、事例の代わりにノウハウ記事や調査コンテンツで専門性を伝えるといった補い方を検討できます。

ターゲット設計で使うフレームワーク

ターゲット設計で使うフレームワーク

現状分析の結果をもとに、誰に向けてコンテンツを届けるかを決めるのがターゲット設計です。ターゲットがあいまいなままだと、記事ごとに想定読者がばらばらになり、全体として誰の役にも立たないメディアになってしまいます。

この工程では、STP分析で狙う市場を決め、ペルソナで具体的な人物像を描き、カスタマージャーニーマップで購買までの流れを整理します。3つは順番に使うことで、ターゲットの解像度が段階的に上がっていきます。

STP分析

STP分析は、市場を細分化し(Segmentation)、狙う層を決め(Targeting)、その層に対する自社の立ち位置を明確にする(Positioning)フレームワークです。コンテンツマーケティングでは、どの層に向けて、どんな立ち位置で情報を発信するかを決めるために使います。

たとえば同じ業務システムでも、初めて導入を検討する中小企業の担当者と、既存システムの入れ替えを検討する大企業の情報システム部門では、知りたいことがまったく違います。前者には基礎知識や選び方、後者には移行手順や比較の観点が求められます。

ポジショニングは、コンテンツの切り口やトーンにも影響します。「初心者にも分かりやすく基礎から教える」のか、「実務経験者向けに踏み込んだノウハウを出す」のかを決めておくと、記事ごとの深さや言葉選びがぶれにくくなります。

ペルソナ

ペルソナは、ターゲットを1人の具体的な人物として描いたものです。年齢や役職といった属性だけでなく、抱えている課題、情報収集の方法、意思決定のときに気にすることまで書き出します。

コンテンツマーケティングで使うペルソナは、企画の判断に使える項目を中心に作ることが大切です。たとえば「どんなキーワードで検索するか」「社内で誰の承認が必要か」「比較検討のときに何が不安か」といった項目は、そのまま記事のテーマや構成に反映できます。

法人向けの場合は、情報収集をする担当者と最終決裁者が異なることも多いため、複数のペルソナを用意することもあります。項目の選び方や具体例は、BtoBマーケティングのペルソナ設計を解説した記事で詳しく紹介しています。

カスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーマップは、ペルソナが課題に気づいてから、情報を集め、比較検討し、購入や導入に至るまでの流れを時系列で整理したものです。段階ごとに、ペルソナの行動、考えていること、感情、接点となるチャネルを書き出します。

コンテンツマーケティングでは、ジャーニーの各段階に「この段階のペルソナに必要な情報は何か」という行を追加すると、企画に直結します。課題に気づいたばかりの段階と、比較検討の段階では、届けるべきコンテンツがまったく異なることが見えてきます。

作るときは、社内の想像だけで埋めず、営業担当者へのヒアリングや既存顧客へのインタビューで実際の行動を確認すると精度が上がります。とくに、検討の途中で離脱しやすいポイントや、意思決定のきっかけになった情報は、コンテンツの企画で重視すべき部分です。

企画で使うフレームワーク

企画で使うフレームワーク

ターゲットとジャーニーが整理できたら、具体的にどんなコンテンツを作るかを企画します。この工程では、購買行動モデルで顧客の段階を捉え、コンテンツマトリクスで作るべきコンテンツを一覧にします。

企画の段階でフレームワークを使う目的は、テーマの抜け漏れと偏りを防ぐことです。思いつきで企画を出すと、認知向けの記事ばかり増えて比較検討向けのコンテンツが足りない、といった偏りが起きやすくなります。

AIDMA・AISASなどの購買行動モデル

AIDMAは、Attention(注意)、Interest(関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)の順で消費者の購買行動を捉えるモデルです。AISASは、インターネットでの購買行動を想定し、Attention、Interest、Search(検索)、Action、Share(共有)の流れで捉えます。

コンテンツマーケティングでは、各段階で顧客の心を次の段階に動かすために、どんな情報が必要かを考える道具として使います。Attentionの段階では課題に気づかせる記事やSNS投稿、Searchの段階では比較や選び方の記事、Actionの段階では導入事例や料金の説明といった具合です。

AISASのShareの段階は見落とされがちですが、購入後に顧客が発信したくなる体験や、社内で共有しやすい資料を用意することも大切です。既存顧客向けの活用ノウハウや、社内稟議に使える比較資料は、この段階を意識したコンテンツといえます。

コンテンツマトリクス

コンテンツマトリクスは、縦軸と横軸に観点を置いて、作るべきコンテンツを整理する表です。よく使われるのは、横軸にカスタマージャーニーの段階、縦軸にペルソナやテーマを置く形です。

マスごとに「どんな情報が必要か」「どの形式で届けるか」を書き込み、既存のコンテンツを当てはめていくと、足りないコンテンツと、重複しているコンテンツが一目で分かります。空いているマスが、次に作るべきコンテンツの候補です。

別の軸として、「顧客の検討度合い(低い・高い)」と「情報の性質(感情に訴える・論理で説得する)」の2軸で4象限に分ける使い方もあります。どちらの場合も、マトリクスを作ったら優先順位を決め、制作計画に落とし込むところまで進めることが重要です。

キーワード分析との組み合わせ

検索からの集客を狙う場合は、コンテンツマトリクスの各マスにキーワードを対応させます。顧客がその段階で実際に使う検索語を調べることで、企画が「社内で考えたテーマ」から「顧客が探している情報」に近づきます。

キーワードの調べ方や選び方は、SEOのキーワード分析の進め方を解説した記事で紹介しています。検索ボリュームだけで優先順位を決めず、ジャーニーのどの段階に効くかと合わせて判断すると、問い合わせにつながりやすい企画になります。

制作で使うフレームワーク

制作で使うフレームワーク

企画が決まったら、実際にコンテンツを作ります。制作の工程でフレームワークを使う目的は、内容の抜け漏れを防ぐことと、読み手に伝わる順番で情報を並べることです。

ここでは、企画内容を具体化する5W1Hと、文章の構成に使うPREP法を紹介します。どちらもシンプルなフレームワークですが、ライターや編集者の間で共通言語として使えるため、制作の品質をそろえるのに役立ちます。

5W1H

5W1Hは、Who(誰が)、What(何を)、When(いつ)、Where(どこで)、Why(なぜ)、How(どのように)の6つの観点で情報を整理するフレームワークです。コンテンツ制作では、制作に入る前の「企画書」や「構成案」をまとめるときに使います。

たとえば記事の企画書であれば、「誰に向けた記事か」「何を伝えるか」「どの検討段階の読者を想定するか」「どこで読まれるか(検索・SNS・メール)」「なぜこの記事が必要か」「どのように行動してほしいか」を書き出します。ライターに依頼する前に5W1Hを埋めておくと、意図と違う原稿が上がってくることを減らせます。

Whereの観点は意外と重要です。検索から来る読者とメールマガジンから来る読者では、前提知識や読み方が違うため、冒頭の書き方や情報の量を変える必要があります。

PREP法

PREP法は、Point(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(結論の再提示)の順で文章を組み立てるフレームワークです。結論を先に示すため、読み手が要点をすぐにつかめます。

Webのコンテンツは、読者が必要な情報だけを拾い読みすることが多いため、見出しの直後に結論を書くPREP法とは相性がよいといえます。記事全体の構成だけでなく、見出しごとの段落の組み立てにも使えます。

ただし、すべての文章をPREP法で書く必要はありません。読み物としての事例記事やインタビュー記事では、時系列で語ったほうが伝わる場合もあります。コンテンツの種類や目的に合わせて使い分けてください。

制作のルールを言語化する

フレームワークとあわせて整えておきたいのが、表記ルールやトーンの決まりです。用語の統一、文末表現、見出しのつけ方、図表の使い方などを文書にしておくと、複数人で制作しても品質がそろいやすくなります。

5W1Hで企画を固め、PREP法で構成を組み、表記ルールで仕上げるという流れを決めておくと、制作の工程が安定します。制作を外部に依頼する場合も、この3点を共有するだけでやり取りの手間が減ります。

配信で使うフレームワーク

配信で使うフレームワーク

コンテンツは作っただけでは読まれません。どのチャネルで、どのタイミングで届けるかを設計して、はじめてターゲットに届きます。配信の工程では、チャネル全体を整理するトリプルメディアの考え方と、ジャーニーに沿った配信計画が役立ちます。

チャネルを選ぶときは、ターゲットがどんな端末で情報に触れているかも意識します。総務省の令和7年版 情報通信白書によると、2024年の個人のインターネット利用率は85.6%で、端末別ではスマートフォン(74.4%)がパソコン(46.8%)を上回っています。スマートフォンで読まれることを前提に、見出しや段落の長さ、図表の見せ方を考えることも配信設計の一部です。

トリプルメディア

トリプルメディアは、メディアを「オウンドメディア(自社が保有するメディア)」「ペイドメディア(費用を払って使うメディア)」「アーンドメディア(第三者の評判や共有で広がるメディア)」の3つに分けて考えるフレームワークです。

コンテンツマーケティングでは、オウンドメディアにコンテンツを蓄積し、広告などのペイドメディアで初期の認知を補い、SNSでの共有や紹介といったアーンドメディアで広がりを生む、という役割分担で整理します。それぞれのメディアに何を期待するのかを決めておくと、配信の優先順位が明確になります。

たとえば、公開直後でまだ検索順位が上がっていない記事は、SNSやメールマガジンで既存の接点に届け、反応を見ながら広告での配信を検討するといった使い方ができます。

カスタマージャーニーに沿った配信計画

配信のタイミングも、カスタマージャーニーマップをもとに考えます。課題に気づいたばかりの見込み顧客には基礎知識の記事を、資料をダウンロードした見込み顧客には比較検討に役立つ事例をメールで届ける、といった形です。

配信計画は、いつ・どのチャネルで・どのコンテンツを・誰に届けるかを一覧にしたカレンダー形式で管理すると、チームで共有しやすくなります。新しいコンテンツを作るだけでなく、既存のコンテンツを別のチャネルで再配信することも計画に入れると、少ない制作量でも接点を増やせます。

効果測定と改善で使うフレームワーク

効果測定と改善で使うフレームワーク

コンテンツマーケティングは、公開してからが本番です。効果を測り、うまくいった点とそうでない点を見極めて改善を重ねることで、成果が積み上がっていきます。

この工程では、目標と指標の関係を整理するKGI・KPIツリーと、改善を回すためのPDCAサイクル、OODAループを使います。指標の設計と改善の回し方をセットで決めておくことが大切です。

KGI・KPIツリー

KGIは最終的な目標を示す指標、KPIはKGIの達成に向けた途中経過を示す指標です。KPIツリーは、KGIを要素に分解し、どの指標を改善すればKGIに近づくかをツリー状に整理したものです。

コンテンツマーケティングでは、たとえばKGIを「コンテンツ経由の商談数」とし、それを「問い合わせ数×商談化率」、問い合わせ数を「セッション数×コンバージョン率」というように分解します。どの指標がボトルネックになっているかが見えると、記事を増やすべきか、導線を改善すべきかの判断がしやすくなります。

KPIを設定するときは、担当者が自分の行動で動かせる指標にすることも大切です。KPIの運用については、KPIマネジメントの手順を解説した記事も参考にしてください。

PDCAサイクル

PDCAサイクルは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)を繰り返して成果を高めるフレームワークです。コンテンツマーケティングでは、月単位や四半期単位で振り返りの場を設け、KPIツリーの数値をもとに次の打ち手を決めます。

改善の打ち手には、新しいコンテンツの追加だけでなく、既存記事のリライト、タイトルや導入文の見直し、CTAの配置や文言の変更などがあります。どちらの案がよいか判断がつかない場合は、ABテストのやり方を解説した記事のように、比較しながら検証する方法も有効です。

PDCAが回らなくなる原因として多いのは、Checkの段階で数値を眺めるだけで終わってしまうことです。振り返りの場では「次に何を変えるか」まで必ず決めるというルールにしておくと、改善が止まりにくくなります。

OODAループ

OODAループは、Observe(観察)、Orient(状況判断)、Decide(意思決定)、Act(行動)の4つを素早く回すフレームワークです。PDCAが計画を起点にするのに対し、OODAは目の前の状況の観察から始める点が特徴です。

コンテンツマーケティングでは、SNSでの反応や検索トレンドの変化など、状況が速く変わる場面で役立ちます。たとえば、業界で話題になっているテーマがあれば、計画を待たずに解説記事やSNS投稿を出すといった判断です。中長期の改善はPDCA、短期の機動的な対応はOODAと使い分けると、両方のよさを活かせます。

フレームワークの組み合わせ方

フレームワークの組み合わせ方

ここまで工程ごとにフレームワークを紹介してきましたが、成果につなげるには、それぞれを組み合わせて使うことが大切です。基本の考え方は、前の工程で得た結果を、次の工程の入力として使うことです。

たとえば、3C分析で見えた「顧客の悩み」と「自社の強み」を、STP分析のターゲット選定とポジショニングに反映します。決まったターゲットをペルソナとして具体化し、そのペルソナの行動をカスタマージャーニーマップに落とし込みます。

企画までの組み合わせ例

カスタマージャーニーマップの各段階を横軸に、ペルソナの課題を縦軸に置けば、そのままコンテンツマトリクスになります。AIDMAやAISASの段階をジャーニーに重ねると、各段階で顧客を次に進めるための情報が整理しやすくなります。

マトリクスの空いたマスに対してキーワードを調べ、優先順位をつけたものが制作計画です。分析から企画までが一本の線でつながっていると、なぜこのコンテンツを作るのかを社内に説明しやすくなります。

制作から改善までの組み合わせ例

制作に入る段階では、マトリクスの各マスの情報を5W1Hの企画書に転記し、PREP法で構成を組みます。配信は、トリプルメディアの役割分担とジャーニーに沿った計画で進めます。

公開後は、KPIツリーで成果を測り、PDCAで改善します。改善の過程で「想定していたペルソナと実際の読者が違う」と分かったら、ターゲット設計の工程に戻ってペルソナやジャーニーを見直します。フレームワークは一方向に流すだけでなく、改善の結果をもとに前の工程へ戻って更新することで、精度が上がっていきます。

法人向けで組み合わせるときのポイント

法人向けのコンテンツマーケティングでは、購買に関わる人が複数いて、検討期間も長くなる傾向があります。そのため、ペルソナを担当者と決裁者に分け、それぞれのジャーニーを作ってからコンテンツマトリクスに統合する、といった組み合わせ方が有効です。

法人向けの進め方の全体像は、BtoBコンテンツマーケティングの手法と進め方を解説した記事で紹介しています。フレームワークを使う工程と合わせて確認すると、自社に必要なものを選びやすくなります。

フレームワークを使うときの注意点

フレームワークを使うときの注意点

フレームワークは便利な道具ですが、使い方を誤ると、時間をかけて資料を作ったのに成果につながらない、ということが起こります。ここでは、コンテンツマーケティングでフレームワークを使うときに気をつけたい点を紹介します。

埋めることを目的にしない

もっとも多い失敗は、フレームワークの枠を埋めること自体が目的になってしまうことです。3C分析の表がきれいに埋まっていても、そこから企画の方向性が導き出せていなければ意味がありません。

着手する前に、このフレームワークで何を決めたいのかを明確にしておきましょう。「どの層を狙うかを決めたい」「足りないコンテンツを洗い出したい」など、目的がはっきりしていれば、必要な項目だけに絞って効率よく使えます。

仮説と事実を区別する

ペルソナやカスタマージャーニーマップは、最初はどうしても社内の想像で埋める部分が出てきます。それ自体は問題ありませんが、仮説のまま放置すると、実際の顧客とずれた企画が続いてしまいます。

仮説で書いた部分には印をつけ、アクセス解析のデータや営業担当者の声、顧客インタビューで確認していくことが大切です。事実で裏づけられた部分が増えるほど、フレームワークの信頼性は高まります。

定期的に見直す

市場や顧客の状況は変わり続けます。一度作ったペルソナやジャーニーも、数年たつと実態と合わなくなることがあります。

半年や1年といった区切りで見直す時期を決めておくと、古い前提のまま企画を続けることを防げます。新しいサービスの開始や、ターゲットの変更があったときは、そのタイミングで更新することも意識しておくと安心です。

複雑にしすぎない

多くのフレームワークを同時に導入すると、管理の手間が増え、現場で使われなくなることがあります。とくに少人数でコンテンツマーケティングを運用している場合は、すべてを取り入れようとしないことが大切です。

まずは、ペルソナ、コンテンツマトリクス、KPIツリーのように、企画と改善に直結するものから始め、必要に応じて追加していくのが現実的です。チームが継続して使える量にとどめることが、フレームワークを成果につなげるための前提になります。

まとめ

コンテンツマーケティングで使えるフレームワークは数多くありますが、大切なのは、どの工程で何を決めるために使うのかを整理することです。現状分析では3C分析とSWOT分析、ターゲット設計ではSTP分析・ペルソナ・カスタマージャーニーマップ、企画では購買行動モデルとコンテンツマトリクスを使います。

制作では5W1HとPREP法、配信ではトリプルメディアとジャーニーに沿った配信計画、効果測定と改善ではKGI・KPIツリー、PDCAサイクル、OODAループが役立ちます。前の工程の結果を次の工程につなげ、改善の結果をもとに前の工程へ戻って見直すことで、フレームワークは成果に結びつきます。

すべてを一度に取り入れる必要はありません。いま自社が詰まっている工程を見極め、その工程に合うフレームワークから試してみてください。